12/28/2014

2014年の終わりに

本日をもって2014年の営業を終了致しました。しつこいようですが、本当にあっという間でした。今年は特別新たなチャレンジはありませんでしたが、当店なりに決断したこともあったので、なんとなく変化を感じる場面もいくつかありました。

振り返ってみると店の運営とは異なるプライベートな部分で新たな出会いがあったり、刺激をもらえるような出来事もあったり、これまで関心のなかった分野に注目するようになったりとそれなりに充実した一年だったように感じます。

一方でとても残念な、悲しい出来事もありましたが、ナンダカンダで良い一年だったと思いたいです。来る2015年も商売繁盛、家内安全、健康第一を目指していきたいと思います。新年は1月5日(月)から営業をスタートする予定です。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。どちらさまも良いお年をお迎え下さい!




Bob Marley - Redemption Song

12/25/2014

Merry Christmas

早いもので、クリスマスイヴを通り越して25日のクリスマスを迎えてしまいました。そろそろ今年もホントに終わりに近づいています。前回このブログで小型クリスマスツリーを出して飾ろうなんてことを書きましたが、その後うっかり忘れてふと思い出した時には面倒になり、結局普段通りの12月になってしまいました。。。





それはそうと、12月は急に風邪をひいて絶不調になるというパターンが毎年恒例のようになっていましたが、今年はどうにか健康を維持しながら乗り越えられそうです。あとわずかとなった2014年の営業ですが、いつも通り粛々と営業します。どちらさまも素敵なクリスマスをお過ごし下さい!




ワタクシ的クリスマスソングのトップ10に入る名曲のひとつがこちら。カッコいいロック姉さんクリッシー・ハインドの力強くも優しい歌声がナイスな一曲。12月になると必ず聴きたくなる歌のひとつです。この曲が収録されているアルバム"Learning To Crawl"は捨て曲ナシの完璧な一枚だと思います。




11/30/2014

The End Of November

早い!早すぎるのにもホドがある!今日で11月も終わりだということにふと気づいて、閉店後の今慌てて何か書こうとPCに向かっているところです。思えば、今月はブログを一度も更新しませんでした。いろいろ書きたいネタはあるものの、またしても放置。容赦なく時間は過ぎ去って行くってワケです。

しょっちゅう書いているような気がしますが、毎日そこそこ忙しくてサイトに新入荷商品を掲載するのだってまともに出来ていません。決して遊んでいるワケじゃないのですが、やろうと思っていることが思い通りに出来ません。まったく困ったものです。



そういや、とっくにハロウィンも終わって世間じゃもうすでにクリスマスモードですねぇ。代官山アドレスの広場もきれいなイルミネーションで飾られていましたし、今年は中目黒の目黒川沿いも桜の木に無数のLEDで派手に飾っているそうで、すでに名所になっているとか。ウチの店もちょっとはクリスマス気分を演出しましょうかねぇ。忘れなければ今週あたり、いつもの小さなツリーを出して店内に飾ろうかと思います。

ところで、前回このブログで修理品の依頼が増えつつあるというようなことを書きましたが、実際そんな雰囲気になってきています。今お預かりしても年内にお返し出来るかどうかはかなりビミョーな感じです。恐らく年越しになるパターンが多くなりそうです。修理のご相談をいただく時にはそんなこともご説明してからお受けしていますが、中にはひとりで何本かまとめて持ち込む方もいらっしゃいますし、そんなこんなで結果的に意外と忙しい毎日を過ごしています。

修理のご依頼でお預かりした時計は順番に作業を進めるのですが、店頭に並べる予定の商品のメンテナンスだとか、ご注文いただいてからオーバーホールの作業を行う場合なんかもあるので、合間合間でそういった作業も行います。出来るだけ段取り良くすべてスムースに行くように心がけていますが、実際はなかなかそうも行きません。好んでひとりで店をやっているものの、正直「猫の手も借りたい」という言葉の持つ本当の意味がよ~く分かるようになった今日この頃です。しかしまぁ、明日から師走ですか。今年もいよいよ大詰めですねぇ。転ばないように突っ走ります。




フレディ・マーキュリーが亡くなったのが11月だったということを思い出して、数あるクィーンの曲の中からなんとなく今の気分でこれをチョイス。メンバー全員の女装もビックリですけど、間奏のあたりの意味不明な演出に度肝を抜かれたのが忘れられません。久々に観ましたけど、やっぱりキテレツです。。。




10/19/2014

秋の夜長の分解掃除

すっかり日が暮れるのが早くなりました。普段はたいして忙しくない当店ですが、土曜日や日曜日は平日と比べると修理関連のご相談など、ナンダカンダで来客が多かったりします。ちょうど気候も良い上、今日も晴天に恵まれたせいか、日中はわりとお客様が続きましたが、薄暗くなってきてからはやけに静かな代官山です。そんなワケでじっと机に向かってます。

暑さで汗や湿気を気にする必要のない季節に入ったおかげで、気兼ねなく古時計を着けることが出来るという点ではちょうどこれからがシーズンって感じかも知れません。そのせいか、近頃また修理のご依頼が増えてきています。

そんなこんなで、年末に向かって修理関係はなんとなく少しずつ忙しくなりそうな気配を感じる今日この頃ですが、実際ご依頼いただいた時計が徐々に溜まり始めています。オーバーホールについては順番に作業を進めますが、それなりの期間お預かりすることになりますので、あらかじめご了解下さい。




こんな秋の夜長はベタにビートルズが聴きたくなりました。モノクロの映像が時代を感じさせますが、曲そのものは全然色褪せません。この当時のビートルズは完全なモッズスタイル。ちょうど50年経った今見てもカッコいいですねぇ。

それにしてもリンゴは左手首に腕時計を着けているようですが、ドラムの演奏の際は外した方が絶対イイですよねぇ。フツーにスネアを叩いている様子を見ると「時計は外してポケットにでも入れておいてよ~」なんて思ってしまいます。「耐震機構が備わっていればまだマシだけど・・・」なんて、イチイチそういうところを気にしてしまうあたり、ワタクシやっぱり時計屋なんでしょうねぇ。。。






10/17/2014

A Omega With Great Patina

すっかり秋ですねぇ。ここのところ実にいい気候なのですが、もう朝晩は寒くて基本バイク通勤のワタクシにはだんだんしんどい季節になってきました。日中は日差しさえあれば結構暖かいので、今ぐらいの時期にバイクでツーリングなんて気持ち良さそうです。

ところで、昨日ウチの店のサイトに一本のオメガをアップしたのですが、それはご覧いただきましたでしょうか?正直お世辞にもキレイとは言えない文字盤で「汚っねぇ文字盤だな!」なんて思う方もいるでしょうけど、よくよく見るとなかなか味のある風合いがあることに気づきます。日に焼けて変色した文字盤には細かい点々も出ているので、そこを気にしてみると気になってしまいますが、十字のラインが入ったスタイルに特徴のあるラグのデザイン。なかなかの雰囲気です。

単にボロい時計だと思えばそんな風に見えますが、ひとつひとつコンディションが異なる年代物ならではの一点物的な面を考えるとこれはこれで実に味があって、ヤレた感じが堪らなく思えてきます。このオメガ、ムーヴメントの状態だってかなり良い上に結構由緒正しいワンオーナーもので大事に使われてきたものだったりします。

ただの古い時計だと思うか、それとも特別な一本だと思うのか・・・それは人によって様々です。抜群のコンディションのものが一番良いに決まっていますが、一方でどこか経年変化を感じされるフィーリングも大事だと思います。どちらかというとワタクシ自身はほど良くヤレた年代物らしい雰囲気を醸し出したものの方が好みです。ふとあらためてそんなことを考える今日この頃です。。。




10/07/2014

Ordinary Wrist Watch

昨日は台風18号が直撃したため、いつもよりだいぶ遅れて14時の開店となりました。前日からかなりの雨でしたが、台風の速度が速かったせいか、あっという間に台風一過となりました。台風が空気をキレイにしてくれたような感じで、今日もスカッと晴れてくれて実にイイ気分です。

ところで、イイ感じの古時計がますます集めづらくなってきているのを実感している今日この頃です。特定のブランドに限った話ではないのですが、オリジナル性、コンディション、雰囲気の良さといった重要なポイントをしっかり押さえたものがどんどん減ってきています。まぁ、そもそも減る一方の古時計の世界ですから、これはなにも今始まったことじゃないのですが、それにしてもフツーに良いものをずいぶんと見かけなくなってきていて、結構切実だったりします。



この画像のオメガは少し前に店頭で販売したもので、ご購入下さったお客さまにお願いして手首に着けた状態を撮影させてもらったのですが、こんなフツー過ぎるくらいフツーのオメガだって10年前と比べるとだいぶ少なくなってきている印象です。手巻き式で、いわゆる30mmキャリバーを搭載した1960年代前半くらいのもので、ステンレススチール製のケースは非防水のスナップバック。それなりに小傷だってありましたが、これはオリジナルシェイプがしっかり残っていました。肝心な文字盤だってうっすら経年変化を感じさせるような状態ではありましたが、実に自然な風合いでした。

さんざん物凄いアンティークウォッチを見てきたツウの人達から見たら、たいして魅力ないような時計かも知れませんが、このオメガのようなフツーの腕時計をもっとフツーに使ってもらいたいとつくづく思います。どれもが一点物の古時計の世界ではありふれたように見える時計だって実際はとても特別な一本ですからねぇ。珍しさや値段だけじゃありません。一見フツーなんだけど、雰囲気が良くてコンディションも良い。そんな時計をこれからも紹介していきたいものです。。。







9/27/2014

Tudor Chrono Time

そろそろ9月も終わりですねぇ。近頃だいぶ秋が深まってきました。ずいぶん日も短くなってきて、朝晩はかなり肌寒く感じますが、いい季節です。キライじゃありません。

さて、ここで最近店頭に並べているあるアイテムについて少々ご紹介したいと思います。このクロノグラフはチュードルのクロノタイムというモデル。自動巻きのムーヴメントを搭載し、ロレックスのデイトナRef.6263を彷彿させるルックス。一時期はずいぶんと品薄になり、かなりのプレミアム価格でした。文字盤やベゼルの組み合わせによって結構なバリエーションがあり、中でもこのRef.79160というモデルがテッパンでしたが、このシルバーや黒文字盤は特に何かと人気の機種です。

以前は当店でも新品、中古品合わせるとずいぶん取り扱ったものです。およそ20年前のモデルなので、もうそれなりに古いのですが、ワタクシの感覚だと「つい最近の時計」っていうイメージです。もちろんとっくに製造中止になってはいるものの、新品で流通していた時期をよく知っているだけにやっぱりほぼ現行品のようなつもりで捉えています。

チュードルといえば、そもそもはイギリスのマーケットへ向けてロレックスが作った第二のブランドで、アンティークウォッチの世界では薔薇の花がデザインされたマークでお馴染みですが、1970年代頃には現在のような盾をモチーフにしたマークに変更されます。そういえば、最近薔薇のマークが復刻されたりしていますよねぇ。どっちが良いとかそういう話ではありませんが、やはりかつてのようなバラのマークの方がどことなく風情が感じられます。それはともかく、このクロノタイムというモデルにもどこか普遍的なカッコ良さが漂っていますし、20年経ってヴィンテージらしい貫禄のようなものが感じられるようになった気がします。

TUDOR CHRONO TIME Ref.79160
横から見た形から「カマボコ」などと呼ばれるケースにプラ風防を装着
ボックス、国際保証書つき

まぁ、そんなワケで普段ならあまり扱う機会のないモデルだったりしますが、現在店頭に並んでいます。外装はまったくポリッシュされていないので、多少の小傷はありますが、オリジナルシェイプが完全に保たれていますし、ボックス、国際保証書も揃っています。当店のサイトの方にはあえて情報をアップせず、こちらでさらっとご紹介させていただきますが、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、お問い合わせ下さい。





9/11/2014

臨時休業のお知らせ

何だかミョーに涼しいですねぇ。この何年も9月っていったら、秋の気配とはほど遠い暑さが続いていたイメージですが、このところやけに涼しくて、おかげで毎晩ぐっすり眠れてものすごく助かっています。けど、急に夏から秋になってしまったような感じで、早くも風邪をイッパツひいてしまいました。相変わらずの免疫力のなさです。。。

ところで、ずっとサボりまくっていて久々のブログの更新ですが、ここで臨時休業についてお知らせ致します。当店のサイト上ではすでに今月の休業予定についてアナウンスしていますが、明日9月12日(金)、13日(土)の二日間は都合によりお休みさせていただきます。

今回は買い付けとかそういう予定ではありません。まぁなんというか、のっぴきならない事情とでもいいましょうか、家庭の事情とでもいいましょうか、とにかくワケあって東京を離れなければなりません。日帰りでなんとか予定をこなしたかったのですが、やむなく某県に一泊することになってしまいました。14日(日)はいつも通り営業する予定です。何かとご迷惑をおかけしますが、どうぞ宜しくお願いします。




休みをとるといってもいわゆるホリデーというのともちょっと違うのですが、なんとなく休みと引っかけつつ、今の気分でマドンナのチョー懐かしいこの曲をどうぞ。。。






Horol International
Twitter
Facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

8/13/2014

夏季休業について

当店のウェブサイト、および当ブログで昨日もお知らせしているように本日8月13日(水)から18日(月)までお休みさせていただきます。

休業中は店頭での業務はもちろん、お電話やメールによるお問い合わせにもお応え出来ません。メールについては通常通り営業を再開する8月19日(火)以降にご返信差し上げます。
大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。

休業中は家族でちょっくら近場の温泉へ行ってのんびりしてくる予定です。最近やたらと疲れているので楽しみです。ただ、クルマで出かけるので、間違いなくハマるであろう渋滞地獄が今から恐怖ッス!

代官山坂のひまわり





Horol International
Twitter
Facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

8/12/2014

夏にご用心

気がつけば、ワールドカップもとっくに終わってしまい、ブログの更新も丸々一か月放置してしまいました。ちょっと前はすごくやる気になっていたのですが、すぐこれです。ダメですねぇ。まぁ、ひとりで何かと忙しいので、勘弁して下さい。

しかし、梅雨明けしてだいぶ経ちますけど、ナンダカンダで毎日暑いですねぇ。昨日の晩は少し涼しかったので、よく眠れたような気がしますけど、ほぼ毎晩ぐっしょり汗をかいて夜中に何度も目が覚める感じで、朝起きるとグッタリしています。夏も好きなんですけど、こう暑いと冬が恋しくなります。
勝手なもんです。。。

ところで、フジテレビでやっている月9ドラマ「HERO」はチェックしていますか?ウチの店からチョロっと時計を貸出ししているので、こんな感じで店のロゴが番組のエンディングで流れてきます。ちなみにキムタクが着用しているワケではなく、別の俳優さんが着けて登場しているようです。

この番組、以前放送されていた時期をウィキペディアで調べてみると2001年の1月~3月だったようなので、もう13年も前になるんですねぇ。その頃だと代官山に移転してくるちょっと前なので、台東区内で店をやっていた頃です。またしても時間の経過の早さをシミジミ感じてしまいます。2001年に放送された時には主役のキムタクがオメガのスピードマスター125を着けていたことから、急に大人気になってしまい、モーレツな値段になりましたけど、なんだか懐かしいですねぇ。レッドウィングのブーツが品薄になったり、レザーのダウンジャケットを着た人がやたらと町中に現れたり・・・なんてスゴかったですねぇ。

オメガのスピードマスターのシリーズはワタクシ自身も嫌いじゃないので、当時は意識して多く取り扱っていましたが、あの頃は急に入手しづらくなってしまい、正直ちょっとヒイてしまったことを思い出します。それでも、ボックスや説明書付きの美品なんかも販売しましたが、相当な金額だったと思います。そういえば、大阪からわざわざ新幹線に乗って買いに来て下さった方がいたような気がします。スピードマスター125は限定モデルだったので、今でもそれなりの評価で入手しづらいモデルだったりはしますが、あの当時の人気っぷりはホントにどうかしていたんじゃないかと思います。

今回の「HERO」をチェックしてみると、どうやらフツーのサファイアガラスのロレックスを着けているようですけど、以前と同じように大騒ぎになるのでしょうか?!とにかく、なにかと話題のこのドラマ。チェックしてみてはいかがでしょうか。

さて、ここで夏季休業についてのお知らせです。当店のサイトのトップページではすでにアナウンスしていますが、明日8月13日(水)から18日(火)まで夏休みを頂戴致します。休業中は店舗での業務はもちろん、メールの返信等も出来ません。当初、17日(日)までのつもりでしたが、ワケあって18日(月)までとなりました。19日(火)に営業を再開して、翌日の20日(水)はすぐ定休日になってしまうので、少々変則的な感じになりますが、何卒ご容赦下さい。

いったんヒマになりましたが、修理のご相談もまた増えてきました。ついこの前もうっかり洗濯機に入れて衣類と一緒に洗ってしまったとのことで風防の内側が真っ白に曇った状態のオメガをお預かりしました。スクランブル発進でその日のうちに作業を進めさせてもらいましたが、放置せずにわりとすぐお持ちいただいたおかげで無事オーバーホール終了しました。ケース内に水分が発生してしまった場合も放置せずになるべく早く対処すれば、意外とダメージも残りません。どちらさまも夏の古時計に関するトラブルには十分ご注意下さいませ。





今回のタイトル「夏にご用心」なので、当然桜田淳子でいこうかと思っていましたが、なんとなく気分でピンクレディーをチョイス。この曲も夏の名曲ですねぇ。。。






Horol International
Twitter
Facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

7/12/2014

Constellation vs Conquest

かつてのオメガとロンジンといえば、どちらもスイスの代表的な時計メーカーのひとつですが、いくつもの共通点があったように感じます。いずれも古くから量産体制を整え、世界各国へバンバン輸出していました。規模的にはオメガの方がちょっと大きかったかも知れませんが、どちらもムーヴメントを自社で開発し、製品のランクというか、グレード的にもかなり近い存在だったと思います。実際、現在の評価もわりと似ていると思います。

いずれにしても、ある時期まではある種のライバル関係にあったのではないでしょうか。どことなく似たようなポジションだったとでも言ったら良いのでしょうか、とにかく両社ともに意識し合っていたのは間違いなさそうです。独自の美学のようなものが強く感じられるところは他のメジャーブランドにも言える部分ですが、オメガとロンジンの二社についてはなにか因縁のようなものすら感じます。


現在はどちらもスウォッチ・グループに属していますが、オメガの方がちょっと上でロンジンの方がやや低いランクづけになってしまっているようです。なんとなくその状況に納得出来ないところもありますが、大昔から続く両社の熾烈な戦いの末、現在があるんじゃないかと思うとちょっとロンジンが可哀そうになってしまうのはワタクシだけでしょうか。


まぁ、とにかくそんなオメガとロンジンのライバル関係を象徴する時計がオメガの「コンステレーション」とロンジンの「コンクエスト」だと思います。


1952年に登場したコンステレーションは手巻きムーヴメントの時代からオメガがこだわり続けたクロノメーター仕様の高級機種として今日に至るまでオメガを代表するモデルとして存在し続けています。コンステレーションの登場以前には「センテナリー」というモデルがありましたが、そのスタイルを踏襲しつつ、さらに特徴あるスタイルに仕上げたのがコンステレーションでした。文字盤の中央が盛り上がっていて外周には存在感のある太めのクサビ型インデックスをデザインし、ミニッツトラックはインデックスの内側にプリントされています。その文字盤のデザインに合わせて針をやや短くデザインしている点が外観上の大きな特徴です。

最初期のものはいわゆるバンパー式のムーヴメント"Cal.354"を搭載したモデルでしたが、のちに全回転式の500番台のムーヴメントを搭載するようになります。その後も時代ごとにデザイン、ムーヴメントともにアップデートされていきますが、いずれも常に「コンステレーションらしさ」が感じられる点がポイントだったりします。数多く存在しているコンステレーションですが、その中でもこの画像のタイプは最も代表的なもののひとつではないでしょうか。唯一無二の存在感は登場から半世紀以上経った今でも十分過ぎるほどの個性を持ち、輝きを放っています。


一方、ロンジンが手がけたコンクエストは1954年に登場します。コンステレーションの登場から2年後ということになります。オメガがコンステレーションで打ち立てたコンセプトをまんま踏襲したスタイルなのは言わずもがなです。コン~というネーミングにはじまり、太めのインデックスや短めのドルフィン針、特徴ある形状のリュウズなど、デザイン的にも恐らくコンステレーションを強く意識していたであろうルックスです。

1950年代といえば、それまで主流だった手巻き式ムーヴメントの時代から完全に自動巻きの時代へと移行するタイミングです。すでに1940年代には自動巻きが登場してますが、本格的に普及するのはやはり1950年代だと言えます。ロンジンも技術力があり、非常に硬派な時計メーカーだったように感じますが、この時期から徐々にオメガとの差が出始めていたのではないかと思えて仕方がありません。


オールドのクロノグラフの世界でロンジンの評価が大変高いことはここで今さら言及するようなことではありませんが、そのロンジンも一般的に3針の自動巻きムーヴメントのジャンルではあまり評価されていません。

このコンクエストに搭載されているムーヴメント"Cal.19AS"などは決してチープな作りだったということはなく、
むしろ質実剛健な古くからのロンジンらしい作りがそのままだったりするのにあまりその良さが認知されていません。なぜでしょうか?

直自動巻きユニットの構造などを考えるとメンテナンス性の点ではオメガの方が優れていると認めざるを得ませんが、こも世界ではそういうことだけで判断出来ないところもありますし、本来であればこの辺りの自動巻きのロンジンももうちょっと人気が出ても良いような気がしますし、ワタクシ的にはロンジンびいきなところもあるので、なんとなくもうちょっと注目してあげて欲しいなんて思ってしまいます。

とはいえ、ロンジンもそののちに振動数の高いハイビート・ムーヴメントを積極的に手がけるようになり、ウルトラクロンなどの大ヒットする機種も登場しますが、ロービートの時計ばかり愛される風潮が強いせいか、その辺も現在のロンジンの自動巻きムーヴメントのジャンルでの不人気につながっているように感じます。やっぱり二匹めのドジョウだったロンジンはオメガに負けてしまったということなのでしょうか?まぁ何とも言えませんが、オメガとロンジン、それぞれのアイデンティティも時代とともに変化していったことが良く分かります。

それにしても、かつてライバル関係にあったであろうこのふたつの時計が今こうして仲良く並んでいる姿を見ると、どことなく微笑ましい気分になってきます。オメガのコンステレーションも素晴らしい腕時計だと思いますが、ロンジンのコンクエストだって間違いなく魅力的な時計だと思います。今年は登場してから、ちょうど60年のアニバーサリーイヤーなんですねぇ。このオリジナルコンクエストの方もいざ探すと意外と玉数が少ないので、貴重です。やっぱり、どちらも名品です。。。







Horol International
Twitter
facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

6/28/2014

Thank U

引き続き盛り上がっているFIFAワールドカップですが、日本代表チームはコロンビアに負けてしまい、一次リーグ敗退。残念ですけど、まぁこればっかりはしょーがない。みなさん帰国し、監督の退任だとか、新監督がどうなるのかとか、すでにそんな話題になっていますが、選手だけでなく、大勢の人が関わっているでしょうから、そんなに落ち込まないで皆さん全員にちょっと羽を伸ばしてもらいたいですねぇ。

それにしても早朝5時の試合開始に合わせて起きるのはちょっとキツかった。一旦寝るとちょっとやそっとじゃ目覚めないタイプなので、あえて布団では寝ずにソファで仮眠するノリで就寝しました。試合開始の5時キッカリにセットしたアラームで飛び起きて、すぐさまテレビのスイッチをオン!ボーっとしながら画面を見つめていましたが、前半にコロンビアに点を入れられた時点でヤバいと思い、一気に目が覚めました。前半の終了ギリギリで岡崎がゴールを決めた瞬間、「こりゃイケるぞ!」なんて思いました。けど、後半が進むにつれてそれまでの日本チームの勢いがなくなり、あっという間にポンポン点を入れられてしまい、完全に意気消沈。


もうちょっと勝ってくれることを想像していたので、がっかりはしましたが、ワタクシ的には一瞬でもあんなコーフンを味わえたので、それでオッケーです。なんだか4年前も同じようなことをここで書いたような気もしますが、とにかくお疲れさまって言いたい気分です。





日本代表チームへ感謝の気持ちを込めてこんな一曲。あらゆる出来事や物事に感謝する、そんなイメージの歌詞でしょうか。見えそうで見えない裸族フィーリングのアラニスの姿を見ていると何か罰ゲームでもやらされているのかも...なんて考えて、うっかり笑ってしまいそうになるビデオですが、とってもイイ歌です。90年代の名曲のひとつだと思います。






Horol International
Twitter
facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

6/22/2014

Finally

開催中のFIFAワールドカップもだいぶ盛り上がってきました。早起きして観るガッツはありませんでしたが、今朝のアルゼンチンとイランの一戦もダイジェストで観た印象では相当ハードな試合だったようですねぇ。結局メッシがゴールをキメて、さすがって感じです。

我が日本代表は残念ながら、ギリシャ戦で引き分けになってしまい、勝つことが出来ませんでした。完全に望みが絶たれたわけではないらしいので、日本代表チームには次のコロンビアとの試合もこれまで以上に全力で挑んで欲しいものです。今度の水曜日の午前5時からスタートとのことなので、がんばって早起きして応援したいものです。いい歳して中学生バリにいつまでも寝ていられるので、いまだに早起きするのがニガテですが、この日ばかりはシャキッと起きて観戦させてもらおうかと思います。

それはそうと、以前もここで少し話題にしましたが、小道具の提供で協力させてもらっているTBS日曜劇場「ルーズヴェルト・ゲーム」の最終回が今夜オンエアです。昨年放送していた「半沢直樹」に夢中になったクチなので、最初はいまひとつ馴染めなかったルーズヴェルト・ゲームでしたが、結局一話、二話と重ねるごとにグイグイ引き込まれ、結果的にまんまとドハマりして観ています。

世間的には刑事モノと医療モノのテレビドラマが人気なんだそうですが、ワタクシ的にはやっぱり現実味のある企業モノの方がよっぽど面白いと思います。まぁ、原作が良く出来ているんでしょうねぇ。ナンダカンダでドハマりしました。イツワ電気の憎たらしい社長役の立川談春の演技がサイコーです。たまには早く帰ってリアルタイムで観ようかなんて思ってますので、今夜は閉店したらさっさと帰らせてもらいます!






Horol International
Twitter
facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

6/19/2014

FIFA World Cup 2014

いやぁ、気づけば6月も後半ですねぇ。毎度のことながら、アッという間です。わりと静かに毎日過ごしていますが、それでも何かと忙しい毎日を過ごしています。梅雨入りしてからしばらくはずっと雨ばかりでしたが、ここのところわりと天気が良くて少し調子が狂ってしまいます。けどまぁ、雨が続くよりはこっちの方が断然イイもんです。

ところで、始まりましたねぇ、FIFAワールドカップ。日本代表が初戦のコートジボワール戦で負けてしまったのは残念でしたけど、これで終わりじゃありませんから、次に期待って感じでしょうか。試合が中継されたこの間の日曜日の朝は驚くほど道を走るクルマも少ないし、街を歩く人も少なかったように感じましたが、それくらい注目されていたってことでしょうねぇ。ウチの店にはテレビがないので、あの日はラジオで応援していました。

しかし、スペインが予選リーグ敗退決定ってどういうことでしょうか。オドロキです。まぁ、こういうことになったりするから、面白いのかも知れませんねぇ。ワタクシ的にはドイツとオランダに注目していますが、海外の強豪チームが今後どうなるのかも見ものです。


ワタクシのようなにわかファンが急に騒ぎ出すワールドカップ。今から明朝の日本代表のギリシャとの試合が楽しみですけど、やっぱりなんとしても今度は勝って欲しい。がんばれニッポン!




Horol International
Twitter
facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

6/06/2014

たどりついたらいつも雨ふり

関東地方でも本格的に梅雨入りしたそうです。昨日は降ったりやんだりって感じでたいしたことありませんでしたけど、今日は思いっきり降ってます。恵みの雨でもあるんですけど、やっぱりなんとなく嫌ですよねぇ、雨って。

実は、またやってしまいました。腰です、腰。昨日の朝、洗面所で歯を磨こうとした瞬間「ピキッ!」ときました。完全なギックリフィーリング。「またかよ!」って気分です。昨日は牛歩戦術並みの歩き方でどうにか店までやってきましたが、ホントに参りました。

前日の定休日には食あたりなのか、何なのか分かりませんが、胃腸の具合がやたらと悪く、吐き気やおまけに急激な発熱まで発生。まるで呪われています。

そっちの方の不調は昨日の朝にはだいぶ改善されたものの、その代わりに思いっきり腰をやってしまいました。ダサ過ぎですが、正直真っ直ぐ立つことが出来ません。とはいえ、一応ガッツで今日も店まで出てきて、いつも通りオープンしています。さすがにこんな天気なので、お客さまが大勢やってくることはないかとは思いますが、今日予定していた仕事をしっかりこなしたいと思います。

それにしても、梅雨入りと同時に腰をやってしまうとは...バチでも当たったのでしょうか?!我ながら、ただただ苦笑。そんな今日この頃です。。。










Horol International
Twitter
facebook
Instagram
Pinterst
tab
mixi page

5/31/2014

Blue Impulse


昨日の夕方は店の営業そっちのけでブルーインパルスの華麗な飛行を見てきました。昨日はこれから大幅なリニューアルが予定されている国立競技場のファイナルイベントが開かれましたが、そのクライマックスで展示飛行が行われるとのこと。渋谷辺りの上空も飛ぶらしく、せっかくの機会なのでそれを見物してきたってワケです。

前日にも予行飛行が行われたものの、その時はイマイチよく分かっていなかったため、上空から聞えてくる轟音しか聞けず、ほんの一瞬しかこの眼で観ることが出来ませんでした。ネット上で当日の飛行ルートなども公開されていて、しかもそれをよくよくチェックしてみると、なんと代官山のほぼ真上を通過するじゃありませんか!

そこで、これは観られるものなら観ないと損だと思った次第ですが、当然ながら店の営業があります。店内にお客さまがいるタイミングだったら、諦めるつもりでしたが、たまたま展示飛行が始まる17時30分頃には誰もいなかったので、急いで店を一時閉めてここぞとばかりにカメラ片手にダッシュして絶好のロケーションで観ることが出来ました。あらかじめ代官山のことなら大抵なんでも知っていると言われる情報通O氏にどの辺りで観ると一番良いかと訊いておいて正解でした。

普段店では時計の写真を撮る時に大体マクロレンズで撮影しています。ギリギリ標準レンズもあったので、それを使ってどうにか撮れましたけど、ホントは望遠レンズを使いたかった。不覚にも自宅に置いたままでした。なんか悔しい!けど、まぁそこそこうまいこと撮れたと思います。













もちろんブルーインパルスという存在は知っていましたし、テレビなんかで観た記憶もありますが、航空ショーっていうんでしょうか、こういう編隊飛行というものをこの眼で目撃したのは生まれて初めてでした。正直飛行機にはまったくといって良いほど興味がありませんでしたけど、実際に観ると結構な迫力でスゴかった。なんというか、昨日はいつもと違う東京の空に大コーフンでした。

5/29/2014

ROOSEVELT GAME

ポール師匠はいつの間にかひっそりと日本を去ったようですねぇ。近いうちにまた来日して欲しいものです。

しかし、
5月もそろそろ終わりですか。さすがにだいぶ暑くなってきましたねぇ。結構湿気もあって、もうすでに夏のような陽気なので、冷房をつけずにはいられない今日この頃。スカッと晴れて気持ちのイイ日は短いので、もうじき梅雨ってことでしょうか。イヤですねぇ。。。

さて、話題にするのをうっかり忘れていましたが、ただ今放送中のドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」の撮影にちょろっと当店も協力させてもらっていますので、ここで少々ネタにさせてもらいます。ワタクシ、昨年は「半沢直樹」にドハマりしたクチなので、今回のルーズヴェルト・ゲームも観ないワケにはいきませんでしたが、すっかり見事にハマっています。


正直、半沢直樹で出演していたキャストも多いので、初回の放送をチェックした時の印象では半沢直樹臭がキツいといったところがあり、少なくとも香川照之さんが演じている諸田社長の大和田常務感がハンパなくて、その辺がどうにも気になってしまいました。まぁ、同じ人がやっているので、その辺は仕方がないかと思いつつ、やっぱりなんといってもストーリーが面白いし、善悪がはっきり分かれる水戸黄門的な演出は分かりやすくて、つい自然と引き込まれます。

なんといっても、今回最もイイ味出しているのはイツワ電気の社長役の立川談春さんでしょうか。感じの悪いイヤな社長の役を見事に演じています。今から20年くらい前でしょうか、落語を観に行ったことがありましたが、こんな風にドラマでお目にかかるとは思っていませんでした。まぁ、普段からひとりで何役もこなす落語家の方なら、テレビドラマでのお芝居なんて決して難しいことじゃないのかも知れませんねぇ。

ちなみにウチの店で貸し出している時計ですが、白水銀行の支店長役の峰竜太さんが着用しているとの情報が入っていますが、その他はよく分かりません。。。いずれにしても、この先の展開が気になるので、今度の日曜日のオンエアが今から楽しみです。





Horol International
twitter
facebook
mixi page

5/22/2014

Oh! Paul

さすがにご存じの方も多いことでしょう。ニュースなんかでも話題になっているようにポール・マッカートニーの日本、および韓国で予定されていたコンサートはすべてキャンセルとなりました。

はっきりしたことは不明ですが、体調不良とのことで、今日になって都内の病院に入院しているとか、手術したなんて話も出てきています。なんてことでしょう。

こんなことになってしまうと、ますます去年秋の来日の際に行くべきだったなんてことを考えてしまいます。17日土曜日の公演が振替になると発表されて、さすがに不安もありましたが、まさかここまでの事態になるとは想像していませんでした。日曜日は開場の時間になっても入場出来ず、かなりギリギリになってからの発表だったため、至る所から大きなため息が聞こえてきそうでしたねぇ。国立競技場の公演は週末ということもあり、遠方から泊まりで観に来ていた人も多かったようなので、そういった方々のことを考えるとホントに気の毒です。


18日の日曜日は早めに閉店するとここでも書きましたが、15時くらいからチェックしていたツイッターで中止だということが判明したため、結局店から国立競技場へは向かいませんでした。当初、万一の際にはそのまま営業を続けるつもりでしたが、正直仕事する気分になれませんでしたし、元々早く閉店することをアナウンスしていましたので、結局閉店させていただきました。


急遽三社祭で盛り上がっている浅草へ向かい、一緒に観に行く予定だった友人と合流し、その他数名を呼び出し、ホッピー通りで一杯やることにしました。その流れでちょっとだけ宮入りを見物したり、さらに数軒ハシゴしたりして、最終的には結構な時間まで飲んでしまいました。


ライヴは楽しめませんでしたが、違う意味で有意義に過ごせました。とにかく、ポール師匠の健康あってのライヴですから、なんとしても元気になっていただいて再度来日して欲しいものです。もうこうなってくると、ガゼン観たくなってきました。絶対再度来日していただきます!





ビートルズのお気に入りの曲「オー!ダーリン」ですが、今は「オー!ポール」って気分です。とにかく、どうぞお大事に。。。






Horol International
twitter
facebook
mixi page

5/17/2014

Sir Paul McCartney

いきなりですが、明日5月18日(日曜日)は午後4時で閉店させていただきます。普段なら、日曜日のこんな時間にお店を閉めることはありませんが、明日だけは特別です。

直前になってからのお知らせで大変申し訳ありませんが、急遽国立競技場で行われるポール・マッカートニーのライヴへ行けることになったため、明日は早めに閉店させていただきます。

昨年の東京ドーム公演に行かなかったことを激しく後悔していたところに今回の再来日決定のニュース。会場は国立競技場。相当なキャパなので、余裕で行けるだろうと思っていましたが、チケットの一般発売の際に購入出来なくてほぼ諦めていました。ところが、直前になって幸運にも別の方法で急遽チケットが入手出来ました。

ちょっと前に来日したローリング・ストーンズのライヴも以前観に行ったことがあるからとか、チケット代が高いからとか、店を早く閉めなければならないから、などとしょーもない理由をつけて行きませんでしたが、正直行けば良かったと悔やんでいました。


ポール・マッカートニーがポピュラー音楽の世界で築いた功績についてはわざわざここで言うようなことじゃありませんが、言ってみればそれこそまさにレジェンド。もしくは世界の宝ではないでしょうか。コンポーザーとしての才能はジョン・レノンの比じゃありませんし、ワタクシ的にはポップな曲でのポールより、激しくシャウトしている曲での歌声が結構好きでして、音楽家として革命的だったことよりも、なにより単純にロックンローラーとして非常に素晴らしい声の持ち主で、そこが一番の魅力なんじゃないかとすら思っています。

謎のポーズでおどけるポール師匠のレアな革ジャン姿

これまで二度目の来日以降、何度か日本でコンサートをやっていますが、自分の中で「今さらジロー」・・・いや、「今さらポール」っていう気分がどこかにあり、毎回なんとなくその気になれませんでした。でも、やっぱりせっかくの機会だし、一生に一度くらいは行っておくべきなんじゃないかという思いもありましたし、さらに昨年の公演の評判がやたらと良かったせいもあり、ずっと思いっきり後悔していました。

なんといってもガラスの十代だった頃、夢中になった時期があったことは紛れもない事実ですし、生でポールの歌声を聴けるってことがめったにはないチャンスなのは間違いありませんからねぇ。今度ばかりは悔しい思いをしたくありませんでした。


通常よりもだいぶ早く閉店しなければならないことに関しては本意ではありませんが、今日ご来店下さってこのことをお話したあるお客さまには「週に二日休みがあるワケじゃないんだし、たまには全然イイんじゃない」と言っていただきました。店の運営とはまったく関係ないことなので、なんとなく後ろめたいような気分もありましたが、そんな風に言っていただいたおかげでちょっと気が楽になりました。とにかく、こんな理由で店を早仕舞いすることでご迷惑をおかけするかも知れませんが、たまのことなのでワタクシの我儘をどうかお許し下さい。

と、ここまでこのブログを書いて、なんと今日5月17日の公演がポールの体調不良で中止するとの情報が入ってきました!19日の月曜日に振り替えることになるそうですが、ちょっとマズイですねぇ。すっかりその気になってテンションが上がってきたところなのに明日もやらないとなったら、どうなるのでしょうか。ちょっと心配です。。。

いずれにしても、明日は16時で閉店させていただきます。そして、ポール師匠に会いに国立競技場へ行ってきます!






シャウトしているポールの歌声が抜群にイカしているビートルズの一曲。"Why Don't We Do It in the Road?"というフレーズがナイスです。あっという間に終わってしまうわりに結構な破壊力を持った曲ではないでしょうか。ジョン・レノンが歌いそうな曲なのですが、ポールが歌っているところが好きなんです。






Horol International
twitter
facebook
mixi page

5/16/2014

Naomi.....

ちょっと前にウチの店のサイトにアップしたセイコーのダイバーウォッチのセカンドモデルについて少々。冒険家植村直己氏が愛用していたことでお馴染みのモデルで、左右非対称のデザインや特徴あるインデックスの形をはじめ、ルックス的にもなかなか個性的ですが、独特なロック機構を持ったリュウズなど、海外のブランドが手がけていたものとは異なる方向性で作られていた個性的なダイバーモデルです。

当店では日頃国産の時計を積極的に取り扱うことはありませんが、たまたま入手の機会があり、その際直観的にグッときたとでも言ったら良いのでしょうか。とにかく、コンディションの良さにシビれてしまい、思わず即入手しました。



ガラスにも傷がつきやすく、結構キレイなものでも大抵はちょっと惜しい小傷があったりするものですが、これはホントに美品です。ずいぶん前はウチの店でもセイコーやシチズン、オリエント(たまにタカノ)といった国産の時計もそれなりに取り扱っていまして、その頃はこんな風にコンディション良好なものを取り扱ったことも何度かありましたが、今や10年どころじゃないくらい前の話です。いずれにしても普通なら意識的に集めるようなことのないこのセイコーとの出会いはなんというか、大げさに言うとある意味運命すら感じてしまいました。

伝説の冒険家が使っていたことが枕詞のようになっているこのセイコー・ダイバー。そういったストーリーがなくても実に魅力ある時計じゃないでしょうか。個人的には手動で巻き上げが出来ない構造のムーヴメントだけはちょっと好みではありませんが、ズシッとくるボリューム感のあるケースをはじめ、この存在感はたまりませんねぇ。正直決してリーズナブルとは言えませんが、この使用感の低さは目を見張るものがあります。ご興味のある方は是非店頭でチェックしてみて下さい。






Horol International
twitter
facebook
mixi page

5/10/2014

Waffle'S beulah

ここのところ天気も良くて、毎日気持ちイイですねぇ。とはいえ、昨日は突然ドシャ降りになったりして、ちょっとビックリしましたけど、やっぱりこの夏もゲリラ豪雨に翻弄されるのでしょうか。そんなことを考えているとどうも気が滅入ってきます。とにかくまぁ、この時期だけの清々しい空気を楽しみたいもんです。

ところで、たまには代官山のこと、特に近所のお店のことをちょっと話題にさせてもらおうかと思います。代官山という街はエリア的にはそれほど広くもなく、元々は主に住宅地だったところでして、ジャンル問わず個性的な良いお店がたくさんあるのですが、それがバラバラに点在しているところが特徴だったりします。主にヒルサイドテラスやちょっと前に出来た蔦谷のT-SITEがある旧山手通り周辺とウチの店がある八幡通りの周辺とで分かれているような感じで、さらにそこを中心にして渋谷や中目黒や恵比寿方面へ広がっているイメージでしょうか。

一度でもご来店下さったことがある方ならお分かりだと思いますが、当店の周辺は結構ゴチャゴチャしていて、それこそ普通の住宅が多いエリアです。「代官山」と呼ばれているだけあって、結構高低差もあり、坂道が多いのも特徴です。前述の旧山手通りが代官山の表なら、ウチの店の周りは裏といったところでしょうか。

当店の面した細い路地はどちらかというと「裏代官山」の中心のような位置でして、八幡通りから通称キャッスルストリートへとつながる抜け道の役割も果たしています。そんな当店の目と鼻の先にあるのがWaffle'S beulah (ワッフルズビウラ)というお店で、一軒家を改装した可愛らしい雰囲気で、その名の通りワッフルの専門店です。八幡通りを入ってウチの店へ来る場合はそのまま通り過ぎて階段を下って行ったところにあります。近所なので、オーナーさんとも仲良くさせてもらっています。

ウチの店が代官山にやってくるよりもずっと前から営業していて、この辺りではいわば老舗でして、有名人御用達だとか、雑誌やテレビで紹介されたりなんてこともあり、時には行列が出来たりして、なにかと人気のお店です。ある種この辺りを象徴するお店のひとつだと思っています。大人になってからはすっかり甘いもの好きになってしまったワタクシ。いつも横を通ると甘いイイ匂いがしてくるもんだから、出来ればチョイチョイ食べに行きたいくらいですけど、実は正直これまで数回しか食べたことありません。やっぱり、いい歳をした男が一人でふらっと入れるような雰囲気ではありません。。。

近所なので特別に出前もしてくれるって話なので、たまにはおやつに頼んでみようかと思いつつ、いまだに試していません。あ~、久々に食べてみたくなってきました。そんなWaffle'S beulahですけど、甘いものに目がないなんて方がいらしたら、ウチの店のついでに寄ってみてはいかがでしょうか。おススメです






Horol International
twitter
facebook
mixi page

5/05/2014

A Signature

今年も黄金週間がやってきました。基本ほぼ通常通り営業しているので、世間のみなさまのようなお休みはございません。中には11連休だなんて方もいるそうですが、自分だったらそんなに休みがあると何をして良いのか分からなくなってしまいそうです。

一年のうちで最も良い天気に恵まれるこの時期ですが、あいにく今日はパッとしないビミョーな天気でした。天気予報をチェックして雨が降りそうなことは分かっていたのですが、ちょっと曇っている程度だったので、今朝ワタクシはいつも通りバイクで出勤しました。ところが、あとわずかで店に到着しそうなところで、まさかの激しい雨。ちょうど首都高速の高架下にいたので、無理せずどこかテキトーな場所で雨宿りするべきでした。

あとちょっとで着くからとつい頑張ってしまいましたが、おかげでズブ濡れになってしまいました。そんな時に限って思いっきり降ったのはほんの一瞬で、雨はあっという間にやみました。着ていたお気に入りの革ジャンやジーンズもビシャビシャです。時々こんなこともあるので、店にはTシャツやらジーンズといったちょっとした着替えも置いています。とりあえずは困りませんでしたが、今日は開店前からいきなりテンションが下がりました。



そんな今日のワタクシですが、ここで昨日整備した時計について少々。一般的な習慣として時計のメンテナンスを行う際に作業した人が裏蓋にサインや日付などを書き込むことが多いものですが、裏蓋を開けてみたら、こんなサインを見つけました。以前作業をしたのは新井さんという方だったようです。なんともストレートだったもので、つい写真を撮ってしまいました。「新井さん、次はオレに任せてくれよ!」ってな気分でしょうか。。。

さて、すでに当店のサイトでは今月のお休みの予定についてアナウンスしていますが、明日5月6日(火曜日)は臨時休業させてさせていただきます。翌日の5月7日(水曜日)と合わせて二日連続でのお休みとなります。何かとご迷惑をおかけしますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。




忌野清志郎 - 激しい雨

今日は突然の大雨で思いがけずズブ濡れになってしまい、ふと頭に思い浮かんだのがこの曲。「激しい雨」つながりで、The Modsの「激しい雨が」の方も考えましたが、ワタクシ的にはやっぱりこっちでしょうか。しかし、この5月2日であれからもう5年。早いものですねぇ。。。





Horol International
twitter
facebook
mixi page

4/29/2014

A Friend From Asakusa

昨日は地元の同級生が訪ねてきてくれました。中学三年の時にクラスが同じだった小森君(仮名)から突然電話があり、持っている時計の修理のことで相談にのって欲しいから、19時過ぎには行くという話でした。その時、ワタクシの名前を「堀江」と思いっきり間違っていて、一回目は「きっと聞き間違えに違いない」と自分に言い聞かせてスルーしましたが、次もまた堀江なんて言うもんだから、我慢出来ずに鋭いツッコミを入れさせてもらいました。実は結構間違えられることが頻繁にあって普段はそれほど気にしないのですが、昔馴染みのクラスメートから違う名前で呼ばれるとさすがにちょっとムカッときます。まぁ、そんなに怒っちゃいませんが。。。

電話で話した通り19時過ぎにウチの店を訪ねてきました。久々に会うといってもちょうど2年くらい前に同窓会があって再会していましたので、正直そんなに久しぶりって気分でもありませんでした。同窓会では二十何年ぶりだったのにそれほどじっくり話したワケでもなく、軽くしゃべった程度でして、調子に乗って朝まで飲んでしまったワタクシとは対照的に小森君は二次会あたりで帰ってしまったので、結局それっきりでした。

「誰かから聞いたんでしょ?」と尋ねるとどうもそうじゃないとのこと。てっきり別の同級生からウチの店の話を聞いてやって来たのかと思いきや、フツーにネットで検索したんだと言うではありませんか!?前に買った古い機械式のクロノグラフのリュウズが取れてしまったそうで、修理してくれるところを探していたところ、ワタクシの名前や写真が出ている当店のページにたどり着いて電話したんだそうです。なんというか、クリビツテンギョーですねぇ。

肝心のそのクロノグラフは巻芯が折れていたワケではなかったので、その場で直してみることも出来ましたが、全体的なコンディションをチェックさせてもらうためにも一応預からせてもらいました。まぁ、そんなワケで時計の話はそこそこにお互いの仕事とか、家族のことなんかを結構長いこと話して帰っていきました。

最初は名前を間違えられて少しムッとしましたが、手土産まで持ってきてくれたし、手ブラでは来ないあたり、なかなかイイ奴です。まぁ、勝手なもんです。とにかく、江戸っ子御用達のお団子は有り難く頂戴しました。今度はベタに雷おこしか、舟和の芋ようかんでもお願いしましょうかねぇ。。。





Horol International
twitter
facebook
mixi page

4/24/2014

続・最後から二番目の恋

これまでも時々ネタにしていますが、当店では腕時計のリースも行っており、雑誌やテレビ、映画などの撮影のために時計を貸し出したりすることがあります。このブログでは特に取り上げたりしていませんが、実はチョイチョイそんな機会があったりします。

つい先日も視聴率が良かったとのことでネットでニュースになっていたテレビ東京のドラマ「三匹のおっさん」にも協力させていただいていました。うっかりタイミングを逃してしまい、結局一度もチェックしませんでしたが、なかなか面白かったらしく、途中からでも観ておくべきだったかも知れません。いやぁ、ちょっと失敗しました。

そんなワケで、この4月にスタートしたテレビドラマでもいくつか小道具として当店から腕時計を提供させていただいていまして、そのひとつがフジテレビ放送されている続・最後から二番目の恋」です。ちょうど先週の木曜日からオンエアが始まっていますが、今日になってやっぱりアナウンスしておこうかなんてことを考え、慌てて話題にしているところです。

以前放送された最後から二番目の恋」の続編ですが、前回に引き続いて今回の続編でもちょっとだけ協力させていただいています。劇中で主演の中井貴一さんが当店の古時計を着用しているようです。鎌倉市役所の観光推進課に勤務するという役どころなので、適度に地味な国産モノの腕時計をご用意させていただきました。

ワタクシ、古くは「ふぞろいの林檎たち」にドハマりしたクチですし、去年の今頃やっていた「あまちゃん」にはキョンキョンが出ていましたけど、1話も見逃しませんでしたからねぇ。こっちだってナンダカンダで興味津々です。初回の放送は録画してあるものの、まだ観ていませんので、これからちゃんと観てみたいところです。劇中に出てくる鎌倉の風景もナイスです。良かったら、みなさまもどうぞ。。。





Horol International
twitter
facebook
mixi page

4/20/2014

OPD

今ひとつパッとしない天候のせいでしょうか。結構静かな日曜日です。しかし、今日も寒いですねぇ。一度は片づけかけたのですが、昨日今日と足元に置いたヒーターのスイッチを入れずにはいられません。

ところで、本日ウチの店のサイトにロレックスを一本アップしたので、ここでもちょっとネタにしたいと思います。アンチロレックスってほどではありませんが、正直ロレックスに関してはさほど積極的ではない方です。けど、だからといって別にロレックスを嫌っているワケではありません。

やっぱりナンダカンダでとても良い時計だと思っています。特にデイトジャストとか、そういったスタンダードなモデルで、1960~1970年代にかけての1500番台のムーヴメントを搭載したものなんかは状態さえ良ければ、相当バッチリ活躍してくれますし、極端な使い方などせずにちゃんと整備していれば、ほとんどトラブル知らずですし、当然精度だって期待出来ます。

ですが、人気のあるスポーツ系は人気がある分だけ値段も高いワケです。単純にカッコいいのですが、昨今またまた評価が上がっており、かつてのリーマンショック前と同じような状況に戻ってしまいました。正直度を越した価格にはついていけていません。

玉数も多く、比較的入手しやすかったデイトジャストあたりもこの1年くらいでずいぶん相場が上昇しています。そんな中、意外と不人気気味といった印象なのがこの「オイスター・パーペチュアル・デイト」で、その中でもこれはベゼルのデザインが特徴的な"Ref.1501"というモデルです。昨今、時計のサイズ感を気にする方が多く、特にちょっと小ぶりなモノは敬遠される傾向が強いようですし、しかもこの辺りのモデルもツルツルベゼルの方が一般的にはウケが良かったりするみたいです。

でも、ワタクシ的にはよく「エンジンターンドベゼル」なんて呼ばれるこのベゼルのデザインにむしろグッときてしまいます。古くはバイセロイなんていうモデルやバブルバックなんかでも似たようなスタイルが採用されていて、そんなロレックスの伝統すら感じられる一番のポイントだったりするのですが、どうもあまりそこは注目されていないようです。

結構好きなモデルなので、たまに良品に出会うと仕入れたりしているワケですが、どうも世間の評価とのズレがちょっとあるような気がします。このサイズが「小さい」と感じるなら、もっと古い直径30ミリくらいのケースの腕時計はどれも「小さ過ぎる」って話になりますよねぇ。リベットブレスの状態もイイ感じですし、なんと1960年代当時のペーパーつき。普通に使えるイカすヴィンテージ・ロレックスっていうイメージでしょうか。





Horol International

twitter
facebook
mixi page

4/19/2014

Longines Royal Army "Greenlander"

なんだか今日は風も強くてちょっと寒いですねぇ。せっかく暖かくなってきたのにまた逆戻りって感じでテンション下がります。

そこそこ長いこと時計の商売を続けてきました。ワタクシ自身は単に仕事としてだけでなく、古時計の魅力を伝えるため、日夜啓蒙しているつもりでもあります。店のサイトに掲載する写真も時計の持ち味が伝わるように結構気をつかって撮っていて、一応撮影や編集の際には実物の雰囲気がしっかり表現されるようにいつも意識しています。

これまでも時々、思い立ってムーヴメントの動画をYouTubeへアップしたりしてきましたが、最近も動画がご覧いただけるように少し試したりしています。ちょっと前にアップしたロンジンのイギリス軍用モデルも以下のような大迫力で臨場感?のある動画が観られます。。。





なんというか、ムーヴメントの動画はともかく、時計の文字盤側を動画で見てもまったくといって良いほど面白くないことが分かりました。テンプが勢い良くギュンギュン動いている様子は見ていてそれなりに伝わる部分もあるかと思いますが、ゆっくり動いていくスモールセコンドの針を見たところで、沢尻エリカじゃなくても「別に・・・」って言っちゃいそうです。大体裏蓋を動画で見たってなんの変化もありませんし、いずれにしてもこれじゃ大して魅力は伝わりませんよねぇ。

動画で見せるなら、せめてセンターセコンドのタイプか、クロノグラフでしょうか。そんなことに気付いた今日この頃です。しかしまぁ、腕時計って小さいから難しいですねぇ。懲りずにこれからもいろいろトライしてみたいと思います。乞うご期待。。。





Horol International
twitter
facebook
mixi page

4/13/2014

Maintenance Report

ずいぶんと暖かくなりましたが、それでも朝晩は結構寒いので、基本バイク通勤で帰りが遅くなることも多いワタクシにとってはまだまだちょっとキツいですねぇ。もう少し暖かくなってくれると肉体的にも楽になって、ずいぶん気分良く過ごせるのですが。。。

さて、今回は先日オーバーホールのご依頼でお預かりした時計のことを少々ネタにさせていただきたいと思います。ご覧のオメガはシーマスターのクロノグラフで、ムーヴメントは初期のスピードマスターでもお馴染みの"Cal.321"を搭載したモデル。いわゆるコラムホイール式が採用された年代物らしい特徴を持ったクロノグラフのムーヴメントで、アワーレコーダーがついた三つ目のタイプの中ではバルジューの"Cal.72"やヴィーナスの"Cal.178"などと並んで何かと評価の高い代表的なモノのひとつです。


のちに登場するカム式よりもクラシックな風情があり、部品の点数が多かったりすることから、一般的にはピラーホイールのある昔ながらのクロノグラフの方に注目が集まるようなところもありますが、個人的にはその辺のこだわりはなく、カッコ良くて状態が良ければどちらでも良いんじゃないかなんて思っています。

それはともかく、今回メンテナンスのご依頼をいただいたこちらのシーマスター。どのような経緯で入手したものなのかとか、その辺りも含めてご持参下さった方にいろいろとお話をうかがうと元々はおじいさんが持っていたものだそうで、
しかもそのおじいさん自身がかつて新品で買ったものだというお話でした。



ガゼン興味津々でもう少し詳しくお話をうかがうと、1960年代ある大きな企業に勤めていらしたそのおじいさんは出張でアメリカへ行ったことがあったらしく、その時に入手したのだというお話でした。ムーヴメントのシリアルナンバーから1950年代後半の製造だと思われますが、1960年代前半頃に渡米して購入したのだとすれば、なんら違和感はなく、むしろ実に自然です。

そんなおじいさんの自慢だったこのオメガ。長い間、どこにしまってあるのかすら分からない状態だったそうですが、最近になってようやっと見つかったとのことで、ウチの店へオーバーホールをご依頼下さったというワケです。



相当長期間ほったらかしだったものと思われ、風防の激しい傷の他、ケースのサビも酷く、文字盤はなかなか年季の入った状態でお世辞にもキレイとは言えないコンディションでしたが、幸いにもムーヴメントは十分な状態が保たれていました。下手に何度もメンテナンスされていたり、さらに作業に問題があったりするとムーヴメント全体に細かな傷が増えたり、ヒゲゼンマイがおかしな状態になっていたりなんてこともありますが、このオメガはまったくそのようなことはありませんでした。

裏蓋の内側にサインがあったので、恐らくこれまで1~2度くらいはオーバーホールされていたんじゃないかと思います。一部サビなどもありましたが、状態そのものはかなり良好でした。いわゆるスナップバックケースですが、裏蓋にパッキンが入る防水タイプだったことが幸いしたのでしょうか。いずれにしても致命的なダメージはなく、今回の整備ですっかり蘇りました。



それにしても1960年代前半当時、海外へ行く日本人がどれだけいたのでしょうか。東京オリンピック開催前の高度経済成長期で活気に沸いていた時代だったかとは思いますが、まだまだ現在のような豊かさとは程遠い状況だったでしょうし、何より1ドル360円の時代ですから、とんでもない高額品だったことは言うまでもありません。そう考えるとこのオメガがこんな風に現在まで残っていたことがとても有り難く感じられます。まぁ、ワタクシのものではありませんが。。。

いずれにしても
見た目的にはそこそこヤレている印象ではありますが、見れば見るほどとても味のあるシーマスターのクロノグラフ。どういう歴史を持った時計なのかといった話を聞くとますます魅力的に見えてきます。今回ひと通りオーバーホールして絶好調になりましたが、風防も交換し、お返しの際はご覧のような新しい革ベルトを取り付けて見事に生まれ変わりました。ケースの傷みが結構すごかったので、汗や湿気には注意が必要ですが、是非これから大切にお使いいただきたいですねぇ。



オマケ 出ました!クロノグラフの顔。






Horol International
twitter
facebook
mixi page