ところで、イイ感じの古時計がますます集めづらくなってきているのを実感している今日この頃です。特定のブランドに限った話ではないのですが、オリジナル性、コンディション、雰囲気の良さといった重要なポイントをしっかり押さえたものがどんどん減ってきています。まぁ、そもそも減る一方の古時計の世界ですから、これはなにも今始まったことじゃないのですが、それにしてもフツーに良いものをずいぶんと見かけなくなってきていて、結構切実だったりします。
この画像のオメガは少し前に店頭で販売したもので、ご購入下さったお客さまにお願いして手首に着けた状態を撮影させてもらったのですが、こんなフツー過ぎるくらいフツーのオメガだって10年前と比べるとだいぶ少なくなってきている印象です。手巻き式で、いわゆる30mmキャリバーを搭載した1960年代前半くらいのもので、ステンレススチール製のケースは非防水のスナップバック。それなりに小傷だってありましたが、これはオリジナルシェイプがしっかり残っていました。肝心な文字盤だってうっすら経年変化を感じさせるような状態ではありましたが、実に自然な風合いでした。
さんざん物凄いアンティークウォッチを見てきたツウの人達から見たら、たいして魅力ないような時計かも知れませんが、このオメガのようなフツーの腕時計をもっとフツーに使ってもらいたいとつくづく思います。どれもが一点物の古時計の世界ではありふれたように見える時計だって実際はとても特別な一本ですからねぇ。珍しさや値段だけじゃありません。一見フツーなんだけど、雰囲気が良くてコンディションも良い。そんな時計をこれからも紹介していきたいものです。。。