10/29/2011

love at first sight

時計屋生活も気付けば丸18年が経ち、この10月でちょうど19年目に突入しました。何だかんだで結構長く続けてきましたが、思えばこれまでそれなりに数多くの時計を取り扱ってきました。古い時計を仕入れる際の「決め手」といえば、基本的にケースやリュウズなどの外装部分、文字盤と針、ムーヴメント、それぞれのコンディションを総合的に見て判断します。

例えば、文字盤の雰囲気が良くてもケースがダルダルのツルツルだったりしたら、NGと判断するかも知れませんが、もしその代わりにそれが相当安く入手出来るのであればだいぶ話が変わってきます。そんな風に全体的なバランスを見て、出来るだけ短時間に考えて結論を出さなければなりません。オリジナル性は重視しつつも、どこかで譲歩することも必要だったりします。これまでの経験で言えば、何十年も前のものに完璧は求められません。人間だって誰にでも欠点ぐらいあるもので、完全無欠な人はいません。必ず長所、短所があるもの。それとちょっと似ているかも知れませんねぇ。

仮にあるモデルの美品がたまたまタイミング良く見つかったとして、残念なことにリュウズがオリジナルのものではなかったとします。リュウズに特徴があり、そのオリジナル性が大事な時計だったとしても、もしその時計のリュウズ以外の部分の状態が抜群に良かったとしたら、それはOKかも知れません。そんな時はリュウズだけ入手出来る可能性があるのかどうかなんてことも考えてみます。そんな風に全体のバランスを総合して入手するべきか、そうではないのかを判断するワケです。

文字盤の状態なども「自然な経年変化による味」と捉えることが出来るのか、あるいは「単に汚いだけ」と捉えるのか、そのあたりはあまりに感覚的な部分なので、具体的にどうとは言えませんが、とにかくそういった点も踏まえて判断しなければなりません。いずれにしても外装、文字盤、ムーヴメントは三位一体。原則的にそのどれかに重大だと思われるマイナス要素があってはマズイのです。

先日仕入れでちょっと海外へ行ってきましたが、その際にひょっとしたらこれまでで初めてなんじゃないかという経験をしました。前述のように仕入れの際は複数の要素を総合して判断するのが普通なのにこの前はムーヴメントだけを見て時計を入手してしまいました。それがこの画像の時計。ホントにムーヴメントだけで決めました。実は他の部分は全然ダメなんです。でも、この画像のムーヴメントどうですか?キレイだと思いませんか?ブランドは"REVUE"です。角型で粒金仕上げになっているところもわりと珍しい方だし、少なくとも当店で過去に取り扱ったことがないものです。なにしろ、やたら美しい。このムーヴメントを見てワタクシは瞬間的にシビれてしまいました。まさに一目惚れ。

そんなこの時計。ケースも風防も文字盤も針もちゃんと付いていますが、とてもお見せ出来るようなシロモノではありません。正直かなり汚い!ケースがステンレススチール製だったせいか、たまたまムーヴメントそのものはご覧のように十分な状態を保っていました。とても売り物に出来るレベルではありませんが、直観的にこれを手に入れないワケにはいかないと思ってしまいした。

このムーヴメントは店頭でご覧いただけるようにとりあえずこのままの状態でどこかに飾っておこうかと思います。どんなに酷い文字盤なのか、興味のある方はお声をかけて下さい。きっと見たらビックリしますよ!




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10/11/2011

go on a buying trip

ずいぶん秋らしくなったのに結構暖かくて日差しの強い毎日が続いています。まさエブリデイ秋晴れ。ここのところイイ気分で過ごしていますが、思いのほか暑さがしんどいですねぇ。

さて、前回ここでお知らせしたように今月は二度ほど臨時休業させていただく予定があり、第一弾は先日の三連休でした。友人の結婚パーティに出席したのですが、久しぶりに新婦が両親への手紙を読むというあの「よくある」演出に思わずグッと来てしまいた。たまたま隣でビデオカメラを構えていたある友人が号泣している姿を見てつい笑ってしまいました。ワタクシはそこまでではありませんでしたが、「やっぱり結婚式っていいもんだなぁ」とあらためて感じました。しばらくそういった場に出席する機会がなかったので、余計に感動してしまいました。

臨時休業の話に戻りますが、第二弾は明日10月14日(金曜日)から17日(月曜日)となります。念のため、お伝えしておきますが、今回は結婚式に出席するとか法事があるとか、そういった理由ではありません。商品の仕入れのため、しばらく日本を離れます。いつも通りの弾丸スケジュールですが、今回もイイ感じの古時計との出会いを求めてちょっと行ってきます。

度々話題にしていますが、減っていく一方の古時計の世界。良品、美品を入手するべく日々それなりに努力はしていますが、どんどん難しくなってきています。少なくとも当店でメインに取り扱っているジャンルのものは比較的手頃な価格帯ではありますが、実際希少性で考えたら金額には換算出来ない価値を持っており、流通量でいえば一部の超高額なプレミアムモデル以上に入手困難だったりする場合がほとんどです。

そういった点ではまさに一期一会。使い古されたような言葉ですが、古時計の世界をうまく言い表しています。
毎回そうですが、わざわざ海外へ出かけても思い通りにズバ抜けて良いものばかり集められるとは限りませんし、正直失敗することだってあります。コンディションをチェックしていたとしてもムーヴメントの細部までは確認出来ませんし、場合によってはメンテナンスの際にだいぶ難儀するなんてこともたまにはあるんですよねぇ。まぁ、とにかくウチの店らしいイイ雰囲気の時計との良縁を求めて旅に出ます。何かとご迷惑をおかけしますが、あまり期待せずにご期待下さい。では。。。

10/07/2011

臨時休業のお知らせ

すっかり秋ですねぇ。天気が良いので、日中はだいぶ暖かくなりますが、夜になると結構寒くていつもバイク通勤のワタクシには早くもキツイ季節になりつつあります。

さて、当店のウェブサイト上ではすでにアナウンスしていますが、今月は都合により臨時休業が重なります。本当は休みたくないのですが、苦渋の決断を下しました。まず第一弾は明日10月8日(土曜日)、9日(日曜日)の二日間。私的な事情というか、家庭の事情というか、大人の事情というか・・・。まぁ、ワケあって休ませていただきます。

いつも三連休なんていうと世間は完全にレジャーモードに入ってしまい、我々のような商店は案外ヒマだったりするので、今回は思い切って休むことにしました。三連休の最終日10月10日(月曜日)は通常通り営業する予定です。なので、連休中にウチの店へ行ってみようかなんて考えていた方は申し訳ありませんが、来週月曜日にお願いします。。。






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10/06/2011

カリスマの死

今日のニュースでアップルの創業者のひとりで、少し前までの最高経営責任者だったスティーブ・ジョブズ氏がなくなったと報じられていた。ウェブ上のニュースだけでなく、twitterのタイムライン上で追悼のコメントを山のように見ました。どれほどの特別な存在だったのかということを初めて知りました。少なくともワタクシ的にはこれまでジョブズ氏の存在はそれほど興味の対象ではなく、あくまで一部のコアなマックのヘヴィユーザーにとってのカリスマなのだろうという程度に考えていました。しかし、決してそうではないことが今日になって分かりました。ワタクシは基本PC派ですし、iPhoneやiPodなんかも使ってはいますが、特にアップル製品への思い入れはなく、ジョブズ氏の存在を気にしたこともありませんでした。ただ、「きっと重い病気なんだろう。先は長くないのかもな。」くらいに思っていました。

しかし、今日やっとどれほど影響力のある人物だったのかということを知り、急に興味が湧いてきました。そして、ウェブ上のニュース記事の中で見つけた彼が残した言葉にやたらとグッときてしまいました。


「自分が近く死ぬだろうという意識が、人生における大きな選択を促す最も重要な要因となっている。外部のあらゆる見方、あらゆるプライド、あらゆる恐怖や困惑もしくは失敗など、ほとんどすべてのことが死の前では消え失せ、真に大切なものだけが残ることになる。やがて死ぬと考えることが、自分が何かを失うという考えにとらわれるのを避ける最善の方法だ。自分の心に従わない理由はない」


死ぬことを意識することによって様々なことがシンプル、かつクリアになるのでしょうか。何でも必ず終わりが訪れることを意識することで何でもすぐに答えが出るのかも知れません。現代の真のカリスマだったジョブズ氏にはどうやら学ぶべきことが多そうです。



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10/01/2011

3 more months

今日から10月です。今年も残すところあと3カ月となりました。つくづく時の流れの早さを感じる今日この頃です。9月中にもう1回くらいブログの更新をしたかったのですが、気付けばもう10月。毎度のことですが、思えば催事出展などもあったせいか、9月はモーレツに早かった気がします。

ところで、ここしばらくで修理品のご依頼なども少し増えてきました。おかげで入荷した商品のメンテナンスが結構後回しになっているような感じでしょうか。早くお披露目したいモノも結構あるんですが、ショーケースに並べられるのはしばらく先になってしまうかも知れません。近頃店頭での接客をはじめ、電話やメールでのやり取り、ウェブサイトの更新のための撮影やらなんやらといった一連の作業、修理関連の作業、さらに事務的な雑務など、すべての業務をひとりでこなすことの限界を感じています。忙しくないのに忙しい、そんな毎日を送っています。

いきなりですが、ここでドイツが生んだテクノミュージックのパイオニア"Kraftwerk"の一曲をどうぞ。一分一秒を競い合う自転車レースの時間に追われるイメージでしょうか。何年か前のアルバム「ツール・ド・フランス」の中から"Chrono"というあまりにそのまんまの雰囲気のタイトルです。







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