12/12/2010

Keith Loves Watches

ずいぶん寒くなってきましたが、それでも12月のわりにたいして寒くないような気がする今日この頃。師走になり、何かと慌ただしい毎日に追われ、エントリーする機会がありませんでしたが、久々のブログです。

いきなりですが、この写真の人物はご存知でしょうか?"Keith Sweat"というアメリカのR&Bシンガーです。かつて「ニュージャック・スウィング」と名付けられた独自のスタイルのダンスミュージックを世に広めたひとりで、1990年代には数々のヒットを飛ばし、プロデュース業などでも大活躍した人です。以前はワタクシもドハマりしてこの方のCDを一時は聴きまくったものです。とても個性的な声質のせいか、好き嫌いがはっきり分かれるところもあり、メェーメェー鳴く羊のようだなんて言われたりもしますが、その甘い歌声は唯一無二の存在です。前々から気になっていたのですが、そんなキースさんのアルバムジャケットには腕時計がはっきり写っているものが結構多くて、わざわざ目立つようにしているんじゃないかと思うほど。このキース・スウェットさんに限らず現代のR&Bとか、ヒップホップ系ミュージシャンは腕時計が好きな人が多いようです。

特にケースやブレスレットにダイヤモンドが散りばめられたゴージャスなタイプを着けている場合が最も多く、一昔前はそのほとんどがゴールドの"ROLEX"でした。世の東西を問わず、富を象徴する腕時計といえば、やはりロレックス。そして、ロレックスを身に着けることはまさに成功の証なのです。存在感あるデザインや王冠のマークなど、一目でそれと分かるルックスが重要なポイント。大抵は純粋なノーマル仕様ではなく、ケースやベゼルが派手にカスタマイズされたものを多く見かけたものです。当店で扱っているような年代物のアンティークとか、ヴィンテージなどと呼ぶような古い時計とはまったく異なるジャンルの時計ですが、ワタクシは以前からいわゆるブラックミュージックのアーティストと腕時計の関係性に注目していました。近年はラッパーの"JAY-Z"やネプチューンズの"Pharrell Williams"などがオーディマ・ピゲのロイヤル・オークなんかを好んで着けたりしていることから、ロレックスだけに集中していた傾向からアーティスト達の嗜好もこの何年かでずいぶん細分化が進んだようです。


この画像は1996年リリースの"Keith Sweat"という、そのまんまストレートに自らの名前をタイトルにしたアルバムのジャケット写真なのですが、これはまさしくロレックスっぽいですよねぇ。ダイヤもギラギラです。ちなみにこのアルバムがワタクシ的に一番のお気に入りで、未だによく聴いています。1990年代のR&Bを語る上で絶対に外せない、マストな一枚ではないでしょうか。




これは一番最新のアルバムジャケットですが、この写真でもかなり意識的に時計を見せているような感じです。これはもはやチラ見せどころじゃありません。「コレこの間買ったやつ。いいでしょ~!」ってな感じでしょうか。今年リリースされたらしいので、さすがにイマドキっぽい大きなケースですねぇ。この時計、どこのブランドなのでしょうか。現行物にはかなり疎いので、全然分かりません・・・。




そんなキースさん、2007年にはこんなクリスマスアルバムを出しているようですが、このジャケット写真でも袖口から時計がバッチリ見えています。それにしてもこの人、どれだけ時計好きなのでしょう。ただ好きなだけじゃなくて、相当な見せたがり屋です。今まで知りませんでしたが、今回ブログのネタにするため、ちょっと調べたりしているうちに発見したこの"A Christmas Of Love"といういアルバム。ちょうどクリスマスシーズンなので、近いうちに入手してウチの店でもこのCDをかけてみようかなぁなんて思っています。ワタクシ的に久々の「キース・スウェット」ブーム到来かも知れません。前述のお気に入りのアルバムから名曲"Twisted"をどうぞ。独特なシルキーヴォイスをお楽しみ下さい。






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11/21/2010

Prince's Watch

つい最近話題になった英国のウィリアム王子婚約のニュース、日本ではそこそこの取り上げられ方でしたが、現地ではもっと派手に報じられて、久々の明るい話題にイギリス国民は盛り上がっているそうです。一時は破局も伝えられたふたりの婚約を単純に祝福しているだけでなく、来年行われる結婚式に関連した経済効果もすでに期待されているらしく、そういった点でも注目の的になっているようです。

それにしても今回テレビで映像を観てびっくりしました。ウィリアム王子がちょっと見ない間にすっかり大人になってしまって、まるで何年かぶりに甥っ子に会った親戚のおじさんになったような気分です。

以前から交際していることが取り上げられていたケイト・ミドルトンさん、カノジョも実にお美しい方ですねぇ。すっかり幸せに浸っているのか、以前よりもキレイになったんじゃないかと思うほど。王子の父親であるチャールズ皇太子が婚約の際、母親の故ダイアナ元妃へ贈ったブルーサファイアの指輪を左の薬指に着けていたことに最も注目が集まっていました。ダイアナさんが残念なことになってしまいましたから、至極当然ではないでしょうか。しかし、そんな中で時計屋のワタクシが注目したのはウィリアム王子の腕時計です。

二人が腕を組んだ状態でケイトさんの指輪を映した映像を観ましたが、ちょうどウィリアム王子の着けている腕時計も映りました。王子の時計はオメガ。回転ベゼルのついたダイバーズモデル「シーマスター」です。その映像を観てワタクシは「そうか、ウィリアム王子はシーマスターかぁ~」と妙に納得するとともに好感が持てました。だって控えめじゃないですか。例えば、これがロレックス・デイデイトの10ポイントダイヤの金ムクなんかを着けていたとしたら、ものすごく嫌味っぽいですよねぇ。「王子、ヒップホップスターかよっ!」ってな感じでツッコミたくなってしまいます。もしオーディマ・ピゲのロイヤルオークなんかだったら、「王子、アンタちょい悪オヤジでも目指しているのかよっ!」って感じでしょうか。その点、オメガのシーマスターならチープ過ぎず、かといって高価過ぎない、適度な感じでちょうどいいじゃないですか。

個人的には王室に代々伝わる年代物の時計があって、例えばそれがロンジンだとか、スミス、JWベンソンなんかを王子が着けていたら、シビれちゃいますけどねぇ。あと、古いダンヒルのオリジナルウォッチなんかだったりしてもいいかも知れません。ポケットウォッチも忘れちゃいけません。珍しいリピーターなんかあってもおかしくありません。実際はどうか分かりませんが、きっとそんな時計のひとつやふたつ、いや10個や20個はありそうですよねぇ。恐らくチャールズ皇太子がそういう貴重な年代物をたくさん隠し持っているんじゃないでしょうか。そうに違いない。ワタクシの勝手な想像ですが・・・。

ところで、今回のこの婚約のニュース、正直に言うと一番気になったのは指輪でも時計でもありません。ホントはウィリアム王子が大人っぽいのを通り越してすっかりおっさん化していたところです。気になって仕方ありませんでした。でも、まぁとにかく、おめでたい話は大歓迎です。末長くお幸せに!



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11/02/2010

モバード家のブレゲ三兄弟

年代物の時計の価値を決定づける最も重要な要素といえば、オリジナル性を含めたコンディションでしょうか。しかしながら、ポピュラーなモデルであってもその時計の仕様そのものが数少ないタイプであれば、そこに付加価値がつく場合もあります。

例えば、非防水がほとんどという時代に防水ケースを採用したモデルは数も少なく、当然プラスアルファの価値がつきます。さらに黒文字盤なども元来数が少ない上にきれいな状態をキープしたものはさらに少ないため、良品は評価が上がるというわけです。実際、ステップドベゼルのスクリュウバックケースに黒文字盤なんていうと急に高値がついたりします。

そんな中、ブレゲ数字を用いたデザインの文字盤というものもかなり評価を集める仕様のひとつです。実際玉数もだいぶ少なくなりますし、なんと言っても独特の雰囲気があって、どことなく上品なイメージを漂わせています。パテック・フィリップなんかの場合、代表的な96でもベーシックなデザインの文字盤のものと比べるとやはりブレゲダイアルの方が評価が高くなるもの。もちろん、他のブランドでも同様です。

そんな我々を魅了してやまないブレゲ数字の文字盤ですが、実は現在当店にはモバードのものが3本も揃っています。大体1930~1940年代頃のもの。大変珍しいことだと思いますが、モバードのブレゲ兄弟が仲良く集まっているのです。たまたまなんでしょうけど、めったにないことなので、記念に写真を残しておこうと思い、集合写真を撮ってみました。

こうやって見るといずれも年代物特有の深みのようなものがビシビシ伝わってきます。いずれも可愛らしい小ぶりなケースにシンプルな手巻きムーヴメントを搭載しています。かなり珍しい二段になったステップドベゼルのケースのものはブルースチールの針も美しく、全体的に使用感が少ない点も魅力。フラットベゼルのツートーン文字盤はクロノメーター仕様。防水型の「アクヴァティック」はゴールドトップで少しゴージャスな雰囲気。しかもピンクゴールド。どれもオシャレです。

アンティークウォッチならではの魅力が詰まったこの三本。同じモヴァードでもそれぞれが実に個性的ではないでしょうか。シビレます。



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10/29/2010

Just Arrived!!!!!

ここ数日で急に寒くなってきましたねぇ。ついこの間まで冷房をつけていたのにもう温かいカプチーノがたまらない季節がやってきました。

さて、今回は新入荷商品についての話題を少々。もうすでに当店のウェブサイト上でご覧下さった方も多いかも知れませんが、ブローバの未使用品が入荷になっていますので、こちらでもちょっと紹介してみたいと思います。

New Arrival
N.O.S.
BULOVA
Day-Date Calendar
SS Waterproof Case w/SS Bracelet
Automatic Movement
Cal.1133.10 (ETA2879)
Circa 1970'S


We have Bulova wrist watches for sale that have never been worn. So, these watches are in New Old Stock condition!!!!!!!

完全な未使用状態のものを複数入手しました。今回ふたつのモデルが入荷していますが、どちらも1970年代当時の流行が色濃く出たデザインが特徴で、なかなかイカした雰囲気です。ケースやブレスレットのデザインはスペーシーなテイスト。こういった類の未使用品はいわば単なる昔の売れ残り品かも知れませんが、まったくの新品状態でファーストオーナーになることが出来るのは何にも替えがたい喜びではないでしょうか。古時計の世界ではコンディションが非常に重要であることは間違いありませんから、どんな時計であってもこのように製造されてから40年近く経った今、まったく手付かずで残っていたのは紛れもなく幸運だったとしか言いようがありません。ちなみにブローバといえば、ハミルトンなどと並んでアメリカを代表する時計メーカーのひとつですが、この年代になるとスイス製のムーヴメントを搭載するようになり、米国内ですべて製造することはなくなっています。

このブローバ、正直決して高級機種ではありませんが、かといって粗悪品でもありませんし、何より遠い過去の製品をまっさらな状態から使い始めることが出来るというのは実に魅力的です。70'Sスタイルのデザインや未使用であることはもちろんですが、ETAのムーヴメントを搭載している点もプラスではないかと思います。初期のハーフローターや片方向巻き上げの自動巻きの場合、どうしても巻き上げ効率が悪かったりしますが、この年代には性能の面ではほとんど完成されており、使用する上では現代のものとさほど変わりません。そう考えると機能性、メンテナンス性、いずれの面でも優れていると言えます。

まったくの未使用状態ですから、当然どこかで長期間眠っていた時計です。ムーヴメント内部のオイルはあちこち切れてしまっていますし、いくら理想的な状態とはいえ、このまま使うのには少々問題があります。今回まとめて複数入荷していますが、いくつかはすでに当店でオーバーホールの作業を行いました。まだ整備していないものに関してもすべてオーバーホールした上でデリバリーします。なので、未整備の場合については作業が完了するまでしばらく日数をいただきますが、お渡しの際は当店から6カ月間の保証書をご用意します。ただ今、この写真のように店頭のウィンドウにもディスプレイしています。

オーバーホールを行い、さらに6カ月間の保証をつけて驚きのロープライスを実現。詳細は当店のウェブサイトでご確認下さい。希少な未使用品を気軽に楽しんでもらいたいと思います。



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10/16/2010

単車歓迎

さすがにだいぶ涼しくなってきましたけど、それでもまだたいして肌寒い感じもしないし、本格的な秋とはちょっと程遠い今日この頃ですが、ダラダラ汗を流すこともなく、かといって寒くもない気候はお出かけにはもってこいのシーズンではないでしょうか。

街を歩くのにもちょうどいいのですが、今の時期はオートバイに乗る人達にとっては格別な季節でもあります。真夏はただひたすら暑く、一方冬はただひたすら寒い乗り物。それがバイク。ちょうど気持ちよく走れる季節はとても短く、それだけに貴重なのです。

ワタクシもそこそこバイクが好きで、普段から通勤にも使ったりしていますが、やっぱり気分よく走れるこの時期は特別なんです。店へ向かいながら、このままどこかへ走りに行ってしまおうかなんて思ったりすることもしばしば。

ところで、当店の前の道はかなり細い私道なので、車は入ってこられませんが、実はバイクなら大丈夫です。店の前はちょっとしたスペースがありますので、2~3台ならなんとか駐輪出来ますかねぇ。周囲に住宅があるので、あまりにも爆音を出すバイクはエンジンを切ってちょっと押してさえいただければOK。基本的にバイカー歓迎です。

この写真はちょっと前に修理のご依頼で時計をお預け下さったお客様が時計を引き取りにいらした際にお願いして撮影させていただいたもの。言わずと知れた「スーパーカブ」ですねぇ。失礼ながら、パッと見だとかなりのポンコツ感ですが、現役バリバリだそうです。さすがに「世界のホンダ」の底力を感じずにはいられません。1960年代の製造らしいのですが、40年以上経っていても大きな問題なくちゃんと使えてしまう。まるで年代物の時計と同じじゃないですか。

ズバ抜けた耐久性や燃費の良さのおかげで世界中で愛されているホンモノのスタンダード。なんとなくそういうものには惹かれてしまいます。古いとか、新しいとか、カッコいいとか、ダサいとか、高いとか、安いとか、そういう薄っぺらい価値観とは別の次元で存在しているとでも言うんでしょうかねぇ。こういう風に長く愛されるものにはどれも不思議な魅力が宿っているのは確かじゃないでしょうか。

ところで、このカブの持ち主の方ですが、もう一台年季の入ったハーレー・ダビッドソンも持っているそうで、確か驚きの1929年製だと言っていました。こっちのカブは下駄代わりみたいに使っているようですけど、今度は是非そのハーレーでお越しいただきたいもんです。ワタクシは大型の免許も持っているくせに排気量が大きくてカッコいいバイクじゃなくてスクーターに乗っている根性なしなので、普段から古いハーレーに乗っているなんて人は無条件でリスペクトしてしまいます。

まぁ、とにかくウチの店に来る人でバイクに乗る方は遠慮なく店の前までバイクで来て停めて下さって結構です。単車歓迎します!(そういや最近はあまり単車って言わないですねぇ、ひょっとして死語ですか?)



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10/10/2010

わたしのシゴト

誰でも毎日必ずやることって色々あると思いますけど、すぐパッと思いつくことだと「寝る」、「食べる」、「歯を磨く」とか、そういうことでしょうか。ウチの店でもそんな風に営業上いつも必ずやっていることがあります。

当店では営業時間外は店頭にほとんど商品が並んでいません。つまり、営業している時だけ店内のショーケースに時計を並べているわけです。ということはつまり開店する時に時計をきちんと並べて、閉店後には片づけているわけです。そして、翌日開店する時にはまたいちいち並べているのです。正直メンドクサイ作業ではありますが、防犯のために必ず行っています。

実はウチの店は以前盗難の被害に遭ったことがあるんです。1998年のことですが、当時は夜間でも商品のほとんどをショーケースの中に並べたままでした。まさかとは思いましたが、ある日早朝店内に侵入してきた本格的な窃盗団によって大事な商品の多くが根こそぎ盗まれてしまいました。その頃はロレックスのスポーツモデルやパテック・フィリップなんかもあったし、激シブのロンジンだとか、結構いいものもたくさんありました。その時の経験から夜間は絶対時計を片づけるようにしています。派手に割られたガラスの破片が無数に散らばった店内の様子は今でも鮮明に頭に思い浮かんできます。急に熱が出て体調は悪くなるし、その後は1か月以上も営業出来なかったし、そりゃもう散々でした。

「多分ウチの店は大丈夫だろう」なんて感じでタカをくくっていたおかげで、まさかの事態になってしまったわけですが、その時の体験から人生はいつ何が起きてもおかしくないのだということを学びました。そんな経緯もあって営業終了後には商品を金庫に入れて片づけることを徹底するようになりました。毎日並べたり、片づけたりするのも最初は手間取っていましたけど、今じゃどうってことありませんし、あの時のようにまた泥棒に入られて嫌な思いをすることと比べたら、毎日この程度のことをするくらい屁みたいなもんですからねぇ。もはや「いつでも来やがれ!」って感じでしょうか。

この写真はちょうど時計をしまっているところで、閉店する直前に訪ねてきた友人が「撮ってやるよ」なんて言いながら、たまたまカウンターに置いてあったデジカメで勝手に撮ったもの。ブログを始めてずいぶん経ちますけど、自分が写っている写真を載せたことは一度もなかったと思います。自分のブログなのに自分自身が登場することがないっていうのもなんとなく不自然というか、たまには自分が写っている写真を載せてみてもいいんじゃないかなぁなんて思いました。別に急に出たがりになったわけじゃありませんけど、ちょっとカッコつけてモノクロにしてみました。

まぁそんな感じで、毎日時計をきれいにディスプレイしたりするのもワタクシの仕事のひとつなんです。ちなみに開店時間ちょうどにご来店いただくとまだ商品が全然並んでいないこともあるので、要注意デス!



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10/02/2010

ゴロワーズを吸ったことがあるかい

この10月からタバコが大幅に値上がりした。大体一箱410円か440円のものが多いようです。「わかば」や「エコー」、「ゴールデンバット」など、今回値上がりしてもまだ200円台をキープしている銘柄に注目が集まっているなんていうニュースも見ました。きっと今頃は昨日から禁煙を始めたなんていう話題があちこちで出ているんじゃないでしょうか。

ワタクシ、以前はそこそこのスモーカーでしたが、もうとっくにやめています。一日に何箱も吸うほどじゃありませんでしたが、結構キツめのタバコが好きで長いことハイライトがお気に入りでした。当時はやめようなんてこれっぽっちも思っていませんでしたが、意外にもあっさりやめられました。思い出してみると一箱200円ぴったりだったのが220円になり、その後さらにもうちょっと値上がりしたタイミングでやめた記憶があります。

確か旧国鉄の負債をタバコ税で負担するというような話で、その値上げの理由を知ってモーレツに頭に来てやめようと思いました。喫煙者が自動的に債務返済させられるというあまりの不公平さに賛同出来なくて、それだったらいっそやめてしまおうと考えたのがきっかけで、いわばそれはささやかな抵抗だったわけで、今思えばワタクシの天の邪鬼なところがモロに出てしまいました。とにかく、あの時「政府は喫煙者を完全にナメている!」なんて思ったもんです。

あのタイミングで意外と簡単にやめられたものの、実はその後何度か復活してしまい、スパスパやるようになったこともありましたが、今じゃ食後にコーヒーと一緒に一服したいなんて思うこともまったくなくなりました。おかげで肺は健康そのものじゃないでしょうか。いずれにしても今回の値上げでタバコを絶つことを試みる人は少なくないでしょうねぇ。なんせ一昔前と比べても倍くらいの値段ですから、フツーの人ならちょっと考えてしまって当然です。とはいえ、欧米に比べたら全然安いですけどね。とにかく、さっさとやめておいて良かったなんて思っている今日この頃です。

そんな今や非喫煙者のワタクシですが、実はある曲を聴くとムショーにタバコを吸ってみたくなってしまうんです。それがこの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」というムッシュかまやつの曲。吉田拓郎が作ったことで有名な「我が良き友よ」のB面の曲がこれ。「我が良き友よ」が完全などフォークなのにカップリングのこっちは歌がまるでポエトリーリーディングのようだし、演奏も実にファンキーでグルーヴィー。(それもそのはず、演奏はあの"Tower Of Power"だそうです)1975年にリリースされていますが、そんな時代に作られた曲とは思えない雰囲気です。常に評価され続けている曲だっていうのもうなずけるし、かまやつひろしという人が何かとリスペクトされている理由はこの曲に凝縮されているような気さえします。

そんなこの曲の歌詞には「アンティークの時計」というフレーズが登場します。正確に言うとムッシュは「アンティック」と言っていますが、ひょっとすると古時計のことを日本で初めて"Antique"という単語を使って形容した人はかまやつひろしだったのかも知れません。実際はどうか分かりませんけど、思わずそんなことを考えてしまいました。



ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい
ほらジャン・ギャバンがシネマの中ですってるやつさ
よれよれのレインコートのエリを立てて
短くなる迄 奴はすうのさ
そうさ短くなる迄すわなけりゃダメだ
短くなるまですえばすうほど
君はサンジェルマン通りの近くを
歩いているだろう

ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい
ひと口すえば君はパリにひとっとび
シャンゼリーゼでマドモアゼルにとびのって
そうだよ エッフェル塔と背くらべ
ちょっとエトワールの方を向いてごらん
ナポレオンが手を振ってるぜ
マリーアントワネットも
シトロエンの馬車の上に立ち上って
ワインはイカガとまねいてる

君はたとえそれがすごく小さな事でも
何かにこったり狂ったりした事があるかい
たとえばそれがミック・ジャガーでも
アンティックの時計でも
どこかの安い バーボンのウィスキーでも
そうさなにかにこらなくてはダメだ
狂ったようにこればこるほど
君は一人の人間として
しあわせな道を歩いているだろう

君はある時何を見ても何をやっても
何事にもかんげきしなくなった自分に
気が付くだろう
そうさ君はムダに年をとりすぎたのさ
できる事なら一生
赤ん坊でいたかったと思うだろう
そうさすべてのものがめずらしく
何を見ても何をやってもうれしいのさ
そんなふうな赤ん坊を
君はうらやましく思うだろう




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