11/02/2010

モバード家のブレゲ三兄弟

年代物の時計の価値を決定づける最も重要な要素といえば、オリジナル性を含めたコンディションでしょうか。しかしながら、ポピュラーなモデルであってもその時計の仕様そのものが数少ないタイプであれば、そこに付加価値がつく場合もあります。

例えば、非防水がほとんどという時代に防水ケースを採用したモデルは数も少なく、当然プラスアルファの価値がつきます。さらに黒文字盤なども元来数が少ない上にきれいな状態をキープしたものはさらに少ないため、良品は評価が上がるというわけです。実際、ステップドベゼルのスクリュウバックケースに黒文字盤なんていうと急に高値がついたりします。

そんな中、ブレゲ数字を用いたデザインの文字盤というものもかなり評価を集める仕様のひとつです。実際玉数もだいぶ少なくなりますし、なんと言っても独特の雰囲気があって、どことなく上品なイメージを漂わせています。パテック・フィリップなんかの場合、代表的な96でもベーシックなデザインの文字盤のものと比べるとやはりブレゲダイアルの方が評価が高くなるもの。もちろん、他のブランドでも同様です。

そんな我々を魅了してやまないブレゲ数字の文字盤ですが、実は現在当店にはモバードのものが3本も揃っています。大体1930~1940年代頃のもの。大変珍しいことだと思いますが、モバードのブレゲ兄弟が仲良く集まっているのです。たまたまなんでしょうけど、めったにないことなので、記念に写真を残しておこうと思い、集合写真を撮ってみました。

こうやって見るといずれも年代物特有の深みのようなものがビシビシ伝わってきます。いずれも可愛らしい小ぶりなケースにシンプルな手巻きムーヴメントを搭載しています。かなり珍しい二段になったステップドベゼルのケースのものはブルースチールの針も美しく、全体的に使用感が少ない点も魅力。フラットベゼルのツートーン文字盤はクロノメーター仕様。防水型の「アクヴァティック」はゴールドトップで少しゴージャスな雰囲気。しかもピンクゴールド。どれもオシャレです。

アンティークウォッチならではの魅力が詰まったこの三本。同じモヴァードでもそれぞれが実に個性的ではないでしょうか。シビレます。



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