8/30/2010

HMV渋谷の閉店にふと思う

HMV渋谷が閉店した。渋谷の大型CDショップとしてはタワーレコードと並ぶ存在でしたが、長引く不況と音楽ビジネスがネット配信へシフトしてしまったことが今回の撤退に大きく影響していると言われています。でも、それだけが理由ではないような気がしてなりません。

音楽は耳で聴いて、頭の中で楽しむものですが、その音を届けるためにはレコードやCDのように形のあるものである必要はないかも知れません。インターネットの持つ力を考えたら、音楽を聴くための手段が通販やネット配信へと変わってきたことも当然の流れだと思います。しかし、この先全部それだけになってしまうのは寂し過ぎやしませんか。

レコードやCDの場合、単なるメディアとして以外の役割もあるんじゃないかと思います。実際、ジャケットのデザインそのものに魅力がある場合だって少なくありません。名盤と呼ばれるレコードにはカッコいいデザインのジャケットがつきものです。「ジャケ買い」なんて言葉がありますが、音はいっさい聴かずにジャケットのデザインだけで選んで、買ったCDやレコードを部屋に飾ってみたくなったりして、そういうことはいずれなくなってしまうのでしょうか。だとするとやっぱり悲しいですよねぇ。ジャケット写真にはミュージシャンの思いやメッセージが込められているところだってありますし、やっぱり大事だと思います。

ワタクシにとって音楽は絶対に身近になくてはならないもので、自分の人生の中で一番の財産なんじゃないかと思うくらいです。まぁ、世の中にはそれほど音楽に思い入れがない人だって大勢いるのも分かりますが、音楽を聴くというお手軽な娯楽はもはや多くの人にとってたいして重要なものではなくなってしまっているのかも知れません。

当店で扱っているような古時計の世界も似たようなところがあるような気がしますが、ただ時間が分かれば良いのであれば、携帯電話があるわけです。実際腕時計なんか着けないって人も多いですよねぇ。けど、やっぱり年代物の腕時計にはなんとも言えない魅力があるのは確かで、でもその良さを知らない人々にとってはどうでも良い存在なわけで・・・。いずれにしても音楽(あるいは腕時計)なんて必要ないっていうような人が増えてしまったってことなんでしょうか。なんだかビミョーな話です。

もし、安くて便利なものだけが残ればいいなんていう世の中になってしまったら、この国は本当につまらなくなってしまうと思います。とにかく、今回のこのニュース、複雑な気分になりました。


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