7/24/2010

エルビス好みのベンチュラ

ハミルトン・ベンチュラといえば、1950年代後半に登場した世界初のエレクトリックウォッチとして有名ですが、なんといってもこの時計の魅力はデザインの斬新さですよねぇ。

この時計をデザインしたリチャード・アービブという人、当時アメリカで自動車やボートのデザインを手がけていた人物だそうですが、本来なら丸い腕時計をアシンメトリーで、しかも三角形という凡人にはとても思いつかないスタイルで作ってしまいました。

常識を覆すようなこのルックス、単に奇をてらっただけのように見えなくもありませんが、半世紀経った今でも古臭く見えることはないし、むしろ十分革新的なデザインだと思います。それに14金無垢ってところにもシビれます。


そんな腕時計の歴史を語る上で外せない重要なモデルのひとつであるベンチュラといえば、キング・オブ・ロックンロール「エルヴィス・プレスリー」ですねぇ。それまで存在しなかった新しい音楽を作ったエルヴィスが見たこともないエキセントリックなデザインで、まったく新しい仕組みのムーヴメントを搭載した腕時計に興味を持ったのは当然の流れだったんじゃないかと勝手に想像しています。

どれくらいの期間愛用していたかとか、そういうマニアックな情報はいっさい知りませんが、エルヴィスの映画「ブルーハワイ」でベンチュラを着けた場面があるそうです。

それ以外にもここに載せたような写真が数多く残されていて、そんな経緯からベンチュラという時計はエルヴィスのファンや50'Sのアメリカンなライフスタイルを好む人達から絶大な支持を得ているわけです。

さらにエルヴィスだけでなく、ストレイキャッツ時代のブライアン・セッツァーなんかもベンチュラを愛用していた時期があったみたいで、ロカビリアン達も好んでベンチュラを身に着けるようになったようです。確かにリーゼントにベンチュラってなんとなく合いますよねぇ。

日本ではワタクシも好きなクレイジーケンバンドの「東洋一のサウンドマシーン」として知られる横山剣さんがいつも着けていて、曲の歌詞にも登場させたりしていることから、一部でベンチュラはひと昔前よりはだいぶ知名度を上げているような印象を受けます。本来ならマニアックさゆえに埋もれてしまいそうな時計なのですが、そんなわけで現行の復刻モデルは意外と人気があるんです。

そんなハミルトン・ベンチュラ。かねてからワタクシもいつか個人的に状態のいい、1950年代のオリジナルものが一本欲しいなぁなんてことを考えていましたが、いつの間にかすっかりそんなこと忘れていました。たまにアメリカで見かけてもコンディションがイマイチだったり、モーレツな金額だったりなんてことばかりで、結局機会を逃してしまいました。

でも、最近なぜか急にベンチュラへの興味が湧き上がってきました。そういや、以前復刻版のクォーツのやつを持っていたこともありましたっけ。やっぱりオリジナルは難しそうなので、とりあえずクォーツでいいから手に入れたいなぁなんて思う今日この頃です。







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7/17/2010

夏なんです

「気象庁は17日午前、九州北部、四国、中国、近畿、東海、北陸、関東甲信で梅雨明けしたとみられる」と発表した。つまり、嫌な梅雨は終わり、今日から夏になったってことですねぇ。



そんな今日、ムショーに聴いてみたい気分になったのがはっぴいえんどのこの曲。まさに今日から夏なんですから、「夏なんです」を聴きたくなったわけです。いつ頃のものか分かりませんけど、こっちのライヴ演奏の映像も超貴重。松本隆がドラムを叩いているところが観られます。そんなに前のものではなさそうですけど、かなりイイ感じです。しかし、今日も実に暑い。ギンギンギラギラの夏なんです。


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7/13/2010

雨ニハマケル

FIFAワールドカップはスペインが勝利を収め、勝敗を的中してきたドイツの水族館にいる占いタコが注目を浴び、日本の代表選手のうちの何人かは移籍の話なんかもチラホラ出てきたりしています。この一カ月間、連日夢中になっていたワールドカップが終わってしまい、すっかりいつもの退屈な毎日に戻ってしまった気分です。おまけに参議院議員選挙も終わり、なんとなく世の中全体が落ち着きを取り戻しつつあるかのような今日この頃。

毎日雨が降ったりやんだりで、梅雨らしく嫌な感じの天気が続いていますねぇ。カラッと晴れて気持ちのいい日もありましたが、やっぱりまだ梅雨。完璧にジメジメ、ムシムシしています。そんなここ最近のワタクシはなぜこの時期は古い時計を気をつけて使わなければならないのかとか、なぜなるべく使わないようにした方が良いのかなどというようなことを徹底的に説明する機会が多く、ホントに何人もの方に同じような話を何度もしています。

どんなことを話しているのかざっくり整理してみると大体以下のような感じになります。


・古い時計は防水性能を持ったものがほとんどない上、仮に防水型のモデルであっても現在はその性能は期待出来ない場合が少なくないということ。

・実はロレックスのような完全防水の時計であってもケース内部にあるわずかな空気が結露を起こし、それがサビに発展する場合も結構あるということ。

・中途半端な気密性が保たれたモノほど内部に発生した水分が外へ抜けないため、文字盤や針、ムーヴメントにまで影響が出てしまう場合もあるということ。

・直接水がかからないようにするのはもちろん重要なのですが、気温や湿度の変化が湿気によるトラブルを誘発する場合もあるということ。

・日本の特に東京のような大都市の蒸し暑さは実は想像以上の過酷さなので、梅雨時から残暑の厳しい時期までの間は万一に備え、古時計はなるべく使うのを控えた方が間違いないということ。


もっといろいろ話したりしていますが、おおよそ前述の通りです。普段なら何の問題も起こらないような時計も今のような蒸し暑い季節なら、すぐに大きな問題に発展しまう可能性があるのです。猛烈な気温と湿度の外から一歩室内に入るとエアコンが効いていて、さらにまた外へ出ると今度はまた激しい蒸し暑さへ逆戻りするといった繰り返しが徐々に悪い影響を与え、結果的にサビなどのダメージにつながったりするわけです。

ムーヴメントのトラブルも気になりますが、実はケースの腐食なんかも結構心配です。特にステンレススチールは「サビない」と思われていることも多いようですが、あくまで「サビにくい」なので、汗や汚れが元になってサビにつながったりなんてこともあるのです。ベルトの取り付け部分や裏蓋の合わさった箇所などが激しく錆びたりしやすいので、汗を残さないようにまめに拭いて清潔にしておくことも有効です。

お気に入りの時計を着けずに生活するのはどことなく物足りなさを感じるかも知れません。しかし、危険が潜んでいるこの季節、古いものなら天候によって使うのはちょっと控えた方が良いのは言うまでもありません。やっぱり夏場の雨や湿気には負けます。大事に長く使っていくことを考えたら、ほどほどに休ませてあげるべきなんです。


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