7/30/2011

Warning!!!

梅雨が明け、本格的な夏を迎えましたが、思いのほか暑くない毎日が続いています。去年の夏はものすごい暑さだったことが忘れられませんが、今年はセミも案外静かだし、「夏!」って感じが物足りない気さえします。ただムシムシするくらいなら、いっそ思いっきり暑くなってくれてもいいんですが、節電も必要ですし、ちょうど良いのかも知れませんねぇ。

そういや、昨年は時計の汗や湿気によるトラブルでご相談いただく機会も多かったことが思い出されます。リュウズ周りがサビ付いて巻き上げが出来なくなってしまったり、そんな修理関係のご相談が結構ありました。防水型だからといって決してその性能が信用出来ないのがアンティーク・ヴィンテージウォッチの世界。モノによってはさほど心配する必要がなかったりなんて場合もありますが、それでもやっぱり古ければ古いほど危ないもんです。ですから、直接濡らしたりしなくてもトラブルに発展するなんてこともフツーに起こり得るのです。

この画像の時計はベゼルを外してある状態なので変な雰囲気ですが、ロレックス・シードウェラーです。"Ref.16660"というモデルで、この機種では1,220メートル防水を実現しました。今となっては結構レアものの部類に入りますが、ガラスの表面にヒビが入っていました。お客様からお預かりしたものですが、どうやら結構激しくぶつけてしまったようです。このモデルはそれまでのプラスチック製の風防からサファイアクリスタルへ移行した最初の頃のモデルです。現在は多くの高級腕時計に採用されているサファイアガラス。強度があり、傷が付きにくいことが特徴ですが、かなり強い衝撃が一点に集中して加わった際には欠けたり、割れたりしてしまいます。

ロレックスっていうとどうも「頑丈な時計」というイメージが持たれているようで、特にシードウェラーのようなダイバーズウォッチとなると相当ガンガン使っても平気なんじゃないかと思われがちですが、そこはやっぱり機械式時計なので、それなりに繊細な部分もあるのです。いくら防水性能がきっちり保たれていたとしても乱暴に扱っていいわけありません。

このシードウェラーもよく見ると亀裂どころか、端が見事に割れていました。これじゃそのまま使うのはマズイですよねぇ。どうやったて湿気なんかの影響が出ます。こうなると当然交換するしかありませんので、結局メーカー行きになりました。何かと水がらみのトラブルが心配なこの季節。こういった比較的新しい80'Sモデルならまだしも、もっと古い時計はやっぱり注意が必要です。なんなら使うのはやめておいた方が賢明です。とはいえ、まったく使わずに仕舞いっぱなしになるのもどうかと思いますが、少なくとも天気が下り坂だったり、湿度が高いと感じるような日にはご使用は控えた方が良いのではないでしょうか。

実はココだけの話ですが、ワタクシ最近プライベートではほとんど時計を着けていません。せいぜい整備を終えた時計をテストする時くらいなもんで、自分でも時計屋のくせになんだかなぁ~って思いますが、やっぱりこの季節はビミョーなんです。どちらさまも汗や水気にご注意下さい!




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