久々のエントリーです。すっかり放置グセがついてしまいました。正直書きたいネタがありませんでした。とはいえ、たまには何か書こうと思い、パソコンに向かっています。それにしても相変わらずヒマなんだか、忙しいんだか分からないような毎日を送っています。あっという間にゴールデンウィークも終わり、いつも通り地味に過ごしている今日この頃。最近は気候が良いせいか、わりと毎日イイ気分です。だんだん暖かくなってくるとなんとなく気分も上向きになり、今は外出するのも楽しい季節だったりしますが、一方で古い時計を使うのには不向きな季節が近づいてきています。使う頻度が少なくなる夏場の時期にメンテナンスに出しておくなんておっしゃる方も少なくないようです。いずれにしても機械式時計を使っていく上で整備はマスト。古けりゃ古いほどなおさら重要でございます。
この画像の時計、言わずと知れたロレックスのサブマリーナですねぇ。デイト表示がなく、クロノメーター仕様ではないムーヴメントを搭載したいわゆる"Ref.5513"ってやつです。文字盤はイイ感じに少し焼けていて、ほど良いヴィンテージ感です。裏蓋を開けてみるとムーヴメントの汚れが結構ひどかった。ガビガビのベタベタって感じです。自動巻きの場合、ゼンマイの巻き上げを行うためのローターが付いていますが、ローターの中心の軸に摩耗が激しく進んでいたり、ガタついていたりするとローターがムーヴメントや裏蓋に接触して傷つけてしまいます。大抵の場合、妙な音がするようになるので、「こりゃおかしい」と気付くものですが、音だけでなく、ゼンマイの巻き上げも悪くなるはずなので、そういったところからも異変に気づくはずです。ところが、この画像のサブマリーナを持ち込まれた方はローター芯が外れてかかっているのにそのまま気にせず使い続けていたようです。前述のように異音が出ていたはずなのですが、結局ご覧のようにローターが擦れて削れ出た細かなカスが油分を含んで全体に広がってしまい、さらにローターの中心は驚くほど穴が広がってしまい、修正出来るレベルではなくなっていました。
拡大するとこんなに汚い!念入りに洗浄し、オーバーホールすることですっかり蘇りましたが、何年も整備を怠った上で使い続けてしまった結果、結局ローター一式を新しく交換することになりました。もっと早く修理の相談に来ていただけたら、そこまでの作業にはならなかったかも知れません。おかげで費用は高くついてしまったと思いますが、まだ部品が入手出来るのでむしろ良かったかも知れません。当然パーツがないものは別作しなければなりませんし、場合によってはそれも困難になることだってあるはずです。これから先も古い時計をちゃんと使える状態で維持していくためにメンテナンスの重要性は言うまでもありませんが、同時に様々なリスクが多かれ少なかれ伴うことを忘れてはいけません。いずれにしてもどこかで機能性は少し譲歩しながら、使える状態を維持しなければならないかも知れません。そういった意味でも大切に扱うことやそれなりのペースで整備をすることは欠かせません。やっぱりよく使う時計はきちんと定期的にやっておきましょう~。
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