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5/05/2017

黄金週間2017

今年もゴールデンウィークがやってきました。毎年この季節は本当に気候が良くて暑すぎず、寒すぎずの天候に恵まれることが多いので、出かけるにはサイコーですよねぇ。

ゴールデンウィークといえば、ウチの店はわりと静かなことが多いので、ここ数年は定休日の他にもう一日だけお休みさせていただいています。そんなワケで昨日、一昨日の二日間はちょっとだけ足を延ばして家族で温泉に浸かりに行ってきました。普段の疲れを癒すつもりだったのに渋滞や人混みのおかげでむしろ疲れて帰ってくるハメになりましたが、それでもたまにはいつもの生活を離れてみるのは悪くないもんです。

二日間ほど休んで今日からまたフツーに営業しているのですが、天気もいいし、代官山の近所ではイベントなんかもやっていたりするので、どうにもこうにも仕事モードにならない。はっきり言って昼間から一杯やりたい気分です。やりかけの作業を進めるべきなのかも知れませんが、なんとなく思い立ってほったらかしのブログなんぞ書いてみようかと思い、久々にキーボードを叩いているところです。

なにか修理関連の良さげなネタはないかとPCに保存しているこれまでデジカメで撮影した画像を捜索していたところ、こんな画像を見つけました。激しくひん曲がった注射器型のブルースチール針は夜光部分も剥がれ落ちていて、とてもこのまま使えるような状態ではありません。持ち主の方が腕に着けていたら、突然風防が外れて弾け飛んだ瞬間に針を引っかけてしまいこんな状態になってしまったらしく、当店に相談されたのでした。

うまいこと曲げなおして夜光を乗せ直して元の状態に組めば、フツーに使えるようになるはずですが、これだけ威勢よく曲がっていると多少の痕跡が残ってしまうだろうし、なにより運が悪いと折れる可能性だってゼロではありません。確かそんなリスクがあることを説明して納得してもらった上でお預かりして作業を進めたような気がします。

慎重に、かつ思い切って正常な状態を目指して曲げていくと思いのほかすんなり出来たことを思い出しますが、正直こういう作業はなかなかの緊張感です。上手くいったからいいようなものの、万一のことを考えるとゾッとしてきます。昔の時計で使われていた針は針そのものの厚みがあり、わりとしっかり強度があるところも特徴だったりしますが、それでも夜光が乗っているタイプの針は細い部分もあり、折れたりする可能性も高くなります。おまけにサビが出ていたりすると結構危ないのですが、この時の針はサビによる傷みもほとんどなかったのが良かったのだと思います。

あとは文字盤の夜光部分の色を参考にして針の夜光を入れ直して組み立てるだけなのですが、そもそもなぜ針が曲がってしまったのかを考えてみると風防が外れたことが直接的な原因だったワケです。本来は外れるようなことがあってはいけませんが、プラスチック製の風防が取り付けられている古時計の場合、サイズがビミョーに合っていないわずかに小さいものが取り付けられていたりすることもあります。

さらに樹脂系素材の特性として気温などの変化によって伸縮することも関係してきます。暖かい季節にはわずかに膨張しているおかげでビシッとしている風防が秋から冬にかけて寒い時期を迎えると今度は逆にわずかに風防自体が縮まってしまい、結果的に外れてしまったりすることもあり得るのです。気になって調べてみたろこと、このギャレットをお預かりしたのも11月だったようです。やっぱり...ですねぇ。寒くなり始めた途端、風防が外れるパターンは決して珍しくありません。前述のようにサイズが合っていなかった風防や長年経過しているせいで元々の状態よりも僅かに小さくなってしまった風防は寒さとともにゆるみが出てきて、簡単に外れてしまうようこともあるワケです。

そういう場合、大抵は指で風防をつかんだ時に風防がクルクル回転するようになるので、そういった症状が出ている場合は早めに交換した方がベターです。恐らくこのギャレットもそのような前兆があったはずで、その時点で気づいてすぐに使うのを控えていれば、このような作業をする必要もなかったかと思います。暖かい季節には問題なくても寒さとともに風防が回せるようになっていることが発覚したら、素直に新しいものと交換しましょう。

さて、そろそろ途中だった作業を再開させなければなりません。まだまだゴールデンウィークは続きますが、当店はいつも通り営業しておりますので、都内でブラブラしているなんて方は是非お立ち寄り下さい!








Horol International

10/11/2015

19942015

またしても放置してしまいました。。。9月は一度も投稿していなかったようで、気づけば季節はすっかり秋。過ごしやすくなってくれるのは有り難いのですが、ここから一気に寒くなりそうで、それはそれでちょっと嫌ですねぇ。

ついこの前シルバーウィークなんてものがありましたが、この週末も月曜日が体育の日で3連休らしく、世間は完全にレジャーモード。こんな連休は大抵わりと静かに過ごすことになるのですが、なんとなく思い立ってブログを更新してみようかと思い、PCに向かっているってワケです。


あっという間に過ぎ去った9月に入ってから夏場に一時期減った修理のご相談もまた増えつつある状況で、いつも通りヒマなようでなにかと忙しい日々を送っていますが、先日この画像の腕時計をお預かりしました。ロンジンのシンプルなセンターセコンドで、ケースはイエローゴールドの非防水仕様。ウチの店ではわりと昔からよく取り扱ってきている腕時計の王道のようなスタイルです。

なんとなく見覚えのある雰囲気でしたが、それもそのハズで1994年に当店で販売したものでした。その時にお渡しした保証書まで大事に保管されており、一緒にご持参いただきました。それなりに長い間営業を続けてきてよく感じるのはこれまで相当な数の古時計を販売してきたのに定期的なメンテナンスを継続してご依頼いただく方は意外と少なくて、それらの時計は今頃どうしているのだろうかとふと考えてしまいます。

ウチの店でなかったとしてもどこかの修理屋さんでしっかりメンテナンスを重ねて大事に扱われていれば良いのですが、実際は不調になったのをきっかけにそのまま使わなくなり、タンスのこやし状態になっているようなパターンも少なくないのではないでしょうか。なんとなくそんな気がしてなりません。

そんな中、およそ20年前に買って下さった方が当時とあまり変わらないキレイな状態のまま大切にされていて、また再びオーバーホールのご依頼でご来店下さったことに少々驚きつつも、ただただ有り難い限りです。よくよく話をうかがうとこれまで実際にはそれほど使用していなかったらしく、ご購入依頼初めての整備になるとのことでした。

元々傷がつきやすいゴールドケースのわりに小傷もなく、シェイプがしっかり残っているのがビシビシ伝わってくることから、販売当時のコンディションが抜群だったことがはっきり分かります。


かなりの年数が経過しているため、内部の状態等が少々心配でしたが、作業に入ってみるとオイルは完全に切れていて、さすがにスッカスカの状態だったものの、激しい汚れやサビ、傷などはなく、ムーヴメント自体のコンディションはまるで新品同様。ほぼ完璧でした。おかげで基本的な作業のみでスムースに仕上がったのは言うまでもありません。

こういう時計は丁寧に扱えば、これから先もまだまだ使えます。是非この状態をキープさせるイメージで大切に愛用していただきたいものですねぇ。。。


Chet Baker - Live Belgium 1964




一時期雨が続きましたが、そんな中ハマってよく聴いていたのがチェット・ベイカー。トランペットだけでなく、独特の甘い歌声もたまりませんねぇ。ギンギンのハードロックが店内に流れたりすることもよくある当店ですが、気分でこんな音に包まれながら静かに過ごしたりする時もあります。秋の夜長にぴったりです。。。





8/10/2015

真夏の目からウロコ

またしてもブログから遠ざかってしまいました。前回更新したのが5月末だったので、2ヶ月以上もほったらかしになっていたことになります。日々優先させなければならないことがそれなりにある上、正直このブログを更新する意欲が完全になくなっていました。書くべきネタがないわけではないのですが、どうにもこうにも気が向かなくて気づいたらこのありさまです。。。


そんなワケで、サボっていたくせに話題にしてみようかと思っていたことについて少々。。。時計の修理などの作業をする際には大抵机の上に敷いた専用のマットの上で行うのですが、そのマットの表面がだいぶ汚れて傷も目立つようになってきたので、ちょっと前に新しいものを新調してみたんです。

材料屋さんへ行った時に探していた部品などと一緒に買ってきたのがこちら。今まで使っていたものはかれこれ10年近くは使っていたのではないでしょうか。とにかくまぁ、やたらと汚らしくなってしまったのがなんとなく嫌で、ちょっと気分をスカッと変えたくなったんです。

以前から使っていたマットも淡いグリーンだったので、一見同じような雰囲気なのですが、実際は色が少し濃くなって質感もだいぶ変わりました。時計修理関連の工具類の世界ではおなじみ世界のベルジョン製で、価格は五千円ほどでした。正直「なんでこんなものがこんな値段するんだ?」ってな感じでちょっと高いなぁと思ったのですが、気分を変えたいって気持ちの方が強かったので、迷わず購入しました。


早速これまでのマットから新しいものに替えて作業を始めてみるとこれがまさに「目からウロコ」でした。色が変わっただけではなく、素材そのものが完全に別物になっていて、表面は柔らかくしっとりしている感じで、マットに小さなネジなどを落としてみると部品がほとんど跳ねないことに驚きました。今まで使っていたマットだとちょっと高いところから小さな部品を落としただけでも多少は跳ね上がっていたのですが、それが全然ないんです。

ピンセットの先をまめに整えて、慎重に作業していたとしても時には掴んだ部品を落としたり、飛ばしたりすることもあるワケで、そんな時には机の上のマットが重要な役割を果たします。いやぁ、ホント買って良かった。なんでも知らない間に改良を重ねてアップデートされているもんなんだなぁ...とミョーに感心した今日この頃です。

さて、当店のウェブサイト上ではすでにアナウンスしていますが、明日8月11日(火曜日)から16日(日曜日)までお休みさせていただきます。期間中は店舗でのすべての業務はもちろん、お電話やEメールでのお問い合わせにもお応え出来ません。メールで頂戴したお問い合わせ等については通常営業を再開する8月17日(月曜日)以降順にご返事差し上げます。何かとご迷惑をおかけしますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。

Brian Wilson - Love And Mercy




ところで、最後にこんな曲はいかがでしょうか。夏だからってワケではありませんが、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンのファースト・ソロアルバムの中の名曲がこちら。この曲を聴くといつも言葉では説明出来ない、楽しいような悲しいような...胸が締め付けられるような独特な気分にさせられます。心地よい潮風のような美しい旋律とハーモニーが素晴らしいとしか言いようがありません。この世に存在する最も美しいメロディのひとつかも知れません。そんな風に思っています。



公開中のこの映画も是非観てみたいですねぇ。ワタクシのお気に入り俳優のひとりジョン・キューザックが出演しているからってこともありますが、なにより波乱万丈の人生を歩んできた天才ブライアン・ウィルソンの実話が基になっているところに興味津々です。最近あまり映画を観ていなかったのですが、近々時間を作って行ってこようかと思っています。

さて、前述の通り明日からしばらくお休みさせていただきます。修理の作業が少し遅れ気味だったりするので、何日も休むのは本意ではありませんが、少しダラダラしようかと思います。17日の月曜日から営業再開しますので、どうぞよろしくお願いします!





11/30/2014

The End Of November

早い!早すぎるのにもホドがある!今日で11月も終わりだということにふと気づいて、閉店後の今慌てて何か書こうとPCに向かっているところです。思えば、今月はブログを一度も更新しませんでした。いろいろ書きたいネタはあるものの、またしても放置。容赦なく時間は過ぎ去って行くってワケです。

しょっちゅう書いているような気がしますが、毎日そこそこ忙しくてサイトに新入荷商品を掲載するのだってまともに出来ていません。決して遊んでいるワケじゃないのですが、やろうと思っていることが思い通りに出来ません。まったく困ったものです。



そういや、とっくにハロウィンも終わって世間じゃもうすでにクリスマスモードですねぇ。代官山アドレスの広場もきれいなイルミネーションで飾られていましたし、今年は中目黒の目黒川沿いも桜の木に無数のLEDで派手に飾っているそうで、すでに名所になっているとか。ウチの店もちょっとはクリスマス気分を演出しましょうかねぇ。忘れなければ今週あたり、いつもの小さなツリーを出して店内に飾ろうかと思います。

ところで、前回このブログで修理品の依頼が増えつつあるというようなことを書きましたが、実際そんな雰囲気になってきています。今お預かりしても年内にお返し出来るかどうかはかなりビミョーな感じです。恐らく年越しになるパターンが多くなりそうです。修理のご相談をいただく時にはそんなこともご説明してからお受けしていますが、中にはひとりで何本かまとめて持ち込む方もいらっしゃいますし、そんなこんなで結果的に意外と忙しい毎日を過ごしています。

修理のご依頼でお預かりした時計は順番に作業を進めるのですが、店頭に並べる予定の商品のメンテナンスだとか、ご注文いただいてからオーバーホールの作業を行う場合なんかもあるので、合間合間でそういった作業も行います。出来るだけ段取り良くすべてスムースに行くように心がけていますが、実際はなかなかそうも行きません。好んでひとりで店をやっているものの、正直「猫の手も借りたい」という言葉の持つ本当の意味がよ~く分かるようになった今日この頃です。しかしまぁ、明日から師走ですか。今年もいよいよ大詰めですねぇ。転ばないように突っ走ります。




フレディ・マーキュリーが亡くなったのが11月だったということを思い出して、数あるクィーンの曲の中からなんとなく今の気分でこれをチョイス。メンバー全員の女装もビックリですけど、間奏のあたりの意味不明な演出に度肝を抜かれたのが忘れられません。久々に観ましたけど、やっぱりキテレツです。。。




10/19/2014

秋の夜長の分解掃除

すっかり日が暮れるのが早くなりました。普段はたいして忙しくない当店ですが、土曜日や日曜日は平日と比べると修理関連のご相談など、ナンダカンダで来客が多かったりします。ちょうど気候も良い上、今日も晴天に恵まれたせいか、日中はわりとお客様が続きましたが、薄暗くなってきてからはやけに静かな代官山です。そんなワケでじっと机に向かってます。

暑さで汗や湿気を気にする必要のない季節に入ったおかげで、気兼ねなく古時計を着けることが出来るという点ではちょうどこれからがシーズンって感じかも知れません。そのせいか、近頃また修理のご依頼が増えてきています。

そんなこんなで、年末に向かって修理関係はなんとなく少しずつ忙しくなりそうな気配を感じる今日この頃ですが、実際ご依頼いただいた時計が徐々に溜まり始めています。オーバーホールについては順番に作業を進めますが、それなりの期間お預かりすることになりますので、あらかじめご了解下さい。




こんな秋の夜長はベタにビートルズが聴きたくなりました。モノクロの映像が時代を感じさせますが、曲そのものは全然色褪せません。この当時のビートルズは完全なモッズスタイル。ちょうど50年経った今見てもカッコいいですねぇ。

それにしてもリンゴは左手首に腕時計を着けているようですが、ドラムの演奏の際は外した方が絶対イイですよねぇ。フツーにスネアを叩いている様子を見ると「時計は外してポケットにでも入れておいてよ~」なんて思ってしまいます。「耐震機構が備わっていればまだマシだけど・・・」なんて、イチイチそういうところを気にしてしまうあたり、ワタクシやっぱり時計屋なんでしょうねぇ。。。






8/12/2014

夏にご用心

気がつけば、ワールドカップもとっくに終わってしまい、ブログの更新も丸々一か月放置してしまいました。ちょっと前はすごくやる気になっていたのですが、すぐこれです。ダメですねぇ。まぁ、ひとりで何かと忙しいので、勘弁して下さい。

しかし、梅雨明けしてだいぶ経ちますけど、ナンダカンダで毎日暑いですねぇ。昨日の晩は少し涼しかったので、よく眠れたような気がしますけど、ほぼ毎晩ぐっしょり汗をかいて夜中に何度も目が覚める感じで、朝起きるとグッタリしています。夏も好きなんですけど、こう暑いと冬が恋しくなります。
勝手なもんです。。。

ところで、フジテレビでやっている月9ドラマ「HERO」はチェックしていますか?ウチの店からチョロっと時計を貸出ししているので、こんな感じで店のロゴが番組のエンディングで流れてきます。ちなみにキムタクが着用しているワケではなく、別の俳優さんが着けて登場しているようです。

この番組、以前放送されていた時期をウィキペディアで調べてみると2001年の1月~3月だったようなので、もう13年も前になるんですねぇ。その頃だと代官山に移転してくるちょっと前なので、台東区内で店をやっていた頃です。またしても時間の経過の早さをシミジミ感じてしまいます。2001年に放送された時には主役のキムタクがオメガのスピードマスター125を着けていたことから、急に大人気になってしまい、モーレツな値段になりましたけど、なんだか懐かしいですねぇ。レッドウィングのブーツが品薄になったり、レザーのダウンジャケットを着た人がやたらと町中に現れたり・・・なんてスゴかったですねぇ。

オメガのスピードマスターのシリーズはワタクシ自身も嫌いじゃないので、当時は意識して多く取り扱っていましたが、あの頃は急に入手しづらくなってしまい、正直ちょっとヒイてしまったことを思い出します。それでも、ボックスや説明書付きの美品なんかも販売しましたが、相当な金額だったと思います。そういえば、大阪からわざわざ新幹線に乗って買いに来て下さった方がいたような気がします。スピードマスター125は限定モデルだったので、今でもそれなりの評価で入手しづらいモデルだったりはしますが、あの当時の人気っぷりはホントにどうかしていたんじゃないかと思います。

今回の「HERO」をチェックしてみると、どうやらフツーのサファイアガラスのロレックスを着けているようですけど、以前と同じように大騒ぎになるのでしょうか?!とにかく、なにかと話題のこのドラマ。チェックしてみてはいかがでしょうか。

さて、ここで夏季休業についてのお知らせです。当店のサイトのトップページではすでにアナウンスしていますが、明日8月13日(水)から18日(火)まで夏休みを頂戴致します。休業中は店舗での業務はもちろん、メールの返信等も出来ません。当初、17日(日)までのつもりでしたが、ワケあって18日(月)までとなりました。19日(火)に営業を再開して、翌日の20日(水)はすぐ定休日になってしまうので、少々変則的な感じになりますが、何卒ご容赦下さい。

いったんヒマになりましたが、修理のご相談もまた増えてきました。ついこの前もうっかり洗濯機に入れて衣類と一緒に洗ってしまったとのことで風防の内側が真っ白に曇った状態のオメガをお預かりしました。スクランブル発進でその日のうちに作業を進めさせてもらいましたが、放置せずにわりとすぐお持ちいただいたおかげで無事オーバーホール終了しました。ケース内に水分が発生してしまった場合も放置せずになるべく早く対処すれば、意外とダメージも残りません。どちらさまも夏の古時計に関するトラブルには十分ご注意下さいませ。





今回のタイトル「夏にご用心」なので、当然桜田淳子でいこうかと思っていましたが、なんとなく気分でピンクレディーをチョイス。この曲も夏の名曲ですねぇ。。。






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5/05/2014

A Signature

今年も黄金週間がやってきました。基本ほぼ通常通り営業しているので、世間のみなさまのようなお休みはございません。中には11連休だなんて方もいるそうですが、自分だったらそんなに休みがあると何をして良いのか分からなくなってしまいそうです。

一年のうちで最も良い天気に恵まれるこの時期ですが、あいにく今日はパッとしないビミョーな天気でした。天気予報をチェックして雨が降りそうなことは分かっていたのですが、ちょっと曇っている程度だったので、今朝ワタクシはいつも通りバイクで出勤しました。ところが、あとわずかで店に到着しそうなところで、まさかの激しい雨。ちょうど首都高速の高架下にいたので、無理せずどこかテキトーな場所で雨宿りするべきでした。

あとちょっとで着くからとつい頑張ってしまいましたが、おかげでズブ濡れになってしまいました。そんな時に限って思いっきり降ったのはほんの一瞬で、雨はあっという間にやみました。着ていたお気に入りの革ジャンやジーンズもビシャビシャです。時々こんなこともあるので、店にはTシャツやらジーンズといったちょっとした着替えも置いています。とりあえずは困りませんでしたが、今日は開店前からいきなりテンションが下がりました。



そんな今日のワタクシですが、ここで昨日整備した時計について少々。一般的な習慣として時計のメンテナンスを行う際に作業した人が裏蓋にサインや日付などを書き込むことが多いものですが、裏蓋を開けてみたら、こんなサインを見つけました。以前作業をしたのは新井さんという方だったようです。なんともストレートだったもので、つい写真を撮ってしまいました。「新井さん、次はオレに任せてくれよ!」ってな気分でしょうか。。。

さて、すでに当店のサイトでは今月のお休みの予定についてアナウンスしていますが、明日5月6日(火曜日)は臨時休業させてさせていただきます。翌日の5月7日(水曜日)と合わせて二日連続でのお休みとなります。何かとご迷惑をおかけしますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。




忌野清志郎 - 激しい雨

今日は突然の大雨で思いがけずズブ濡れになってしまい、ふと頭に思い浮かんだのがこの曲。「激しい雨」つながりで、The Modsの「激しい雨が」の方も考えましたが、ワタクシ的にはやっぱりこっちでしょうか。しかし、この5月2日であれからもう5年。早いものですねぇ。。。





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4/29/2014

A Friend From Asakusa

昨日は地元の同級生が訪ねてきてくれました。中学三年の時にクラスが同じだった小森君(仮名)から突然電話があり、持っている時計の修理のことで相談にのって欲しいから、19時過ぎには行くという話でした。その時、ワタクシの名前を「堀江」と思いっきり間違っていて、一回目は「きっと聞き間違えに違いない」と自分に言い聞かせてスルーしましたが、次もまた堀江なんて言うもんだから、我慢出来ずに鋭いツッコミを入れさせてもらいました。実は結構間違えられることが頻繁にあって普段はそれほど気にしないのですが、昔馴染みのクラスメートから違う名前で呼ばれるとさすがにちょっとムカッときます。まぁ、そんなに怒っちゃいませんが。。。

電話で話した通り19時過ぎにウチの店を訪ねてきました。久々に会うといってもちょうど2年くらい前に同窓会があって再会していましたので、正直そんなに久しぶりって気分でもありませんでした。同窓会では二十何年ぶりだったのにそれほどじっくり話したワケでもなく、軽くしゃべった程度でして、調子に乗って朝まで飲んでしまったワタクシとは対照的に小森君は二次会あたりで帰ってしまったので、結局それっきりでした。

「誰かから聞いたんでしょ?」と尋ねるとどうもそうじゃないとのこと。てっきり別の同級生からウチの店の話を聞いてやって来たのかと思いきや、フツーにネットで検索したんだと言うではありませんか!?前に買った古い機械式のクロノグラフのリュウズが取れてしまったそうで、修理してくれるところを探していたところ、ワタクシの名前や写真が出ている当店のページにたどり着いて電話したんだそうです。なんというか、クリビツテンギョーですねぇ。

肝心のそのクロノグラフは巻芯が折れていたワケではなかったので、その場で直してみることも出来ましたが、全体的なコンディションをチェックさせてもらうためにも一応預からせてもらいました。まぁ、そんなワケで時計の話はそこそこにお互いの仕事とか、家族のことなんかを結構長いこと話して帰っていきました。

最初は名前を間違えられて少しムッとしましたが、手土産まで持ってきてくれたし、手ブラでは来ないあたり、なかなかイイ奴です。まぁ、勝手なもんです。とにかく、江戸っ子御用達のお団子は有り難く頂戴しました。今度はベタに雷おこしか、舟和の芋ようかんでもお願いしましょうかねぇ。。。





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4/19/2014

Longines Royal Army "Greenlander"

なんだか今日は風も強くてちょっと寒いですねぇ。せっかく暖かくなってきたのにまた逆戻りって感じでテンション下がります。

そこそこ長いこと時計の商売を続けてきました。ワタクシ自身は単に仕事としてだけでなく、古時計の魅力を伝えるため、日夜啓蒙しているつもりでもあります。店のサイトに掲載する写真も時計の持ち味が伝わるように結構気をつかって撮っていて、一応撮影や編集の際には実物の雰囲気がしっかり表現されるようにいつも意識しています。

これまでも時々、思い立ってムーヴメントの動画をYouTubeへアップしたりしてきましたが、最近も動画がご覧いただけるように少し試したりしています。ちょっと前にアップしたロンジンのイギリス軍用モデルも以下のような大迫力で臨場感?のある動画が観られます。。。





なんというか、ムーヴメントの動画はともかく、時計の文字盤側を動画で見てもまったくといって良いほど面白くないことが分かりました。テンプが勢い良くギュンギュン動いている様子は見ていてそれなりに伝わる部分もあるかと思いますが、ゆっくり動いていくスモールセコンドの針を見たところで、沢尻エリカじゃなくても「別に・・・」って言っちゃいそうです。大体裏蓋を動画で見たってなんの変化もありませんし、いずれにしてもこれじゃ大して魅力は伝わりませんよねぇ。

動画で見せるなら、せめてセンターセコンドのタイプか、クロノグラフでしょうか。そんなことに気付いた今日この頃です。しかしまぁ、腕時計って小さいから難しいですねぇ。懲りずにこれからもいろいろトライしてみたいと思います。乞うご期待。。。





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4/13/2014

Maintenance Report

ずいぶんと暖かくなりましたが、それでも朝晩は結構寒いので、基本バイク通勤で帰りが遅くなることも多いワタクシにとってはまだまだちょっとキツいですねぇ。もう少し暖かくなってくれると肉体的にも楽になって、ずいぶん気分良く過ごせるのですが。。。

さて、今回は先日オーバーホールのご依頼でお預かりした時計のことを少々ネタにさせていただきたいと思います。ご覧のオメガはシーマスターのクロノグラフで、ムーヴメントは初期のスピードマスターでもお馴染みの"Cal.321"を搭載したモデル。いわゆるコラムホイール式が採用された年代物らしい特徴を持ったクロノグラフのムーヴメントで、アワーレコーダーがついた三つ目のタイプの中ではバルジューの"Cal.72"やヴィーナスの"Cal.178"などと並んで何かと評価の高い代表的なモノのひとつです。


のちに登場するカム式よりもクラシックな風情があり、部品の点数が多かったりすることから、一般的にはピラーホイールのある昔ながらのクロノグラフの方に注目が集まるようなところもありますが、個人的にはその辺のこだわりはなく、カッコ良くて状態が良ければどちらでも良いんじゃないかなんて思っています。

それはともかく、今回メンテナンスのご依頼をいただいたこちらのシーマスター。どのような経緯で入手したものなのかとか、その辺りも含めてご持参下さった方にいろいろとお話をうかがうと元々はおじいさんが持っていたものだそうで、
しかもそのおじいさん自身がかつて新品で買ったものだというお話でした。



ガゼン興味津々でもう少し詳しくお話をうかがうと、1960年代ある大きな企業に勤めていらしたそのおじいさんは出張でアメリカへ行ったことがあったらしく、その時に入手したのだというお話でした。ムーヴメントのシリアルナンバーから1950年代後半の製造だと思われますが、1960年代前半頃に渡米して購入したのだとすれば、なんら違和感はなく、むしろ実に自然です。

そんなおじいさんの自慢だったこのオメガ。長い間、どこにしまってあるのかすら分からない状態だったそうですが、最近になってようやっと見つかったとのことで、ウチの店へオーバーホールをご依頼下さったというワケです。



相当長期間ほったらかしだったものと思われ、風防の激しい傷の他、ケースのサビも酷く、文字盤はなかなか年季の入った状態でお世辞にもキレイとは言えないコンディションでしたが、幸いにもムーヴメントは十分な状態が保たれていました。下手に何度もメンテナンスされていたり、さらに作業に問題があったりするとムーヴメント全体に細かな傷が増えたり、ヒゲゼンマイがおかしな状態になっていたりなんてこともありますが、このオメガはまったくそのようなことはありませんでした。

裏蓋の内側にサインがあったので、恐らくこれまで1~2度くらいはオーバーホールされていたんじゃないかと思います。一部サビなどもありましたが、状態そのものはかなり良好でした。いわゆるスナップバックケースですが、裏蓋にパッキンが入る防水タイプだったことが幸いしたのでしょうか。いずれにしても致命的なダメージはなく、今回の整備ですっかり蘇りました。



それにしても1960年代前半当時、海外へ行く日本人がどれだけいたのでしょうか。東京オリンピック開催前の高度経済成長期で活気に沸いていた時代だったかとは思いますが、まだまだ現在のような豊かさとは程遠い状況だったでしょうし、何より1ドル360円の時代ですから、とんでもない高額品だったことは言うまでもありません。そう考えるとこのオメガがこんな風に現在まで残っていたことがとても有り難く感じられます。まぁ、ワタクシのものではありませんが。。。

いずれにしても
見た目的にはそこそこヤレている印象ではありますが、見れば見るほどとても味のあるシーマスターのクロノグラフ。どういう歴史を持った時計なのかといった話を聞くとますます魅力的に見えてきます。今回ひと通りオーバーホールして絶好調になりましたが、風防も交換し、お返しの際はご覧のような新しい革ベルトを取り付けて見事に生まれ変わりました。ケースの傷みが結構すごかったので、汗や湿気には注意が必要ですが、是非これから大切にお使いいただきたいですねぇ。



オマケ 出ました!クロノグラフの顔。






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3/10/2014

Just Arrived!!!

3月になりましたが、まだまだ寒いですねぇ。いつもわりと商品とかお店のことと関係ないことばかりネタにしているような気もするので、たまには商品の写真を載せてみようかと思います。どうぞお付き合い下さい。

どうですか?このゼニス。つい先ほどウチの店のサイトに情報をアップしたものですが、ワタクシ的に「やっぱりイイなぁ~」なんて思うのがこういう時計なんです。フツー過ぎるほどフツーかも知れませんが、見れば見るほど結構存在感があります。

オメガの30mm系なんかも同じようなタイプに該当するかも知れませんけど、やはりナンダカンダで手巻きでスモールセコンドという最もベーシックな仕様にどうしてもグッときてしまうのです。理由はいくつもあるのですが、なんといってもデザインはもちろん、ムーヴメントもシンプルだという点に尽きるような気がします。


シンプルなだけでなく、同時に年代物ならではの特徴をしっかり持っている点もたまりませんねぇ。このゼニスでいえば、外周に向かって少しカーブしている文字盤は視覚的に立体的に見えますし、クサビ型のインデックスとともに奥行きの感じられる作りになっています。

すっきりとしたスチール製のケースですが、防水型のいわゆるスクリュウバックになっていて、しかも軍用時計のように二重ケースになっていたりする点も重要なポイントです。昨今は古時計の世界でも大ぶりなケースがなにかと喜ばれる傾向が強いようですが、ワタクシ的には時計のサイズなんていうものは結構どうでも良い部分でして、小さくても個性的で存在感があるところこそが年代物の腕時計の魅力だと考えているくらいなので、実はこのゼニスはむしろ大きいとすら感じます。いずれにしても、一見フツーでも実は凝った点がいくつもあるってワケです。

ムーヴメントに目を向けると懐中時計の時代から脈々と続くスイス時計の王道を行くフィーリングが味わえます。
日頃は見えない部分ではありますが、粒金仕上げになっているこのようなクラシックな仕上げもある一定の年代にまで遡らないと存在していませんので、この時計の魅力を作っている大きな要素のひとつだと思います。こうやってオーバーホール中の写真をあらためて見るとほぼ非の打ちどころのない、限りなく完璧に近いコンディションであることがビシビシ伝わってきます。

そして、最後に最も重要なのはこの時計がこの世にひとつしかないってことです。これはこのゼニスに限った話ではありませんが、こんな風に十分なコンディションをしっかり保ったモノがゴロゴロ出てくるワケではないのだから、そんなことを考えるとホントに有り難い気分になってきます。まさにロマン・・・ですねぇ~。





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2/24/2013

ピンチ!

最近店頭である時計を買い取らせていただいたのですが、その時計に少々問題があり、久々にヒヤヒヤする羽目になってしまいました。

その時計、実はケースが開きませんでした。時計を入手する際には基本的には外観だけでなく、内部のムーヴメントもコンディションを見てある程度正確に判断すべくチェックするものなのですが、その時計は面白いくらいウンともスンともいわない状態でした。

いわゆるスクリュウバックの防水型ケース。フツーは一番簡単なハンドオープナーで開閉出来ることがほとんどなのですが、その時計は驚くほど頑固で、まるで裏蓋が開けられるのを拒んでいるかのような状態でした。この写真に写っているハンドルがついたオープナーやさらにもう少し大型のタイプなども使ってハァハァ言いながら、何度もトライしてみましたが、まったく開く気配すらしません。これまでにも経験していますが、一筋縄ではいかないパターンだとすぐ判断し、そのことを説明させてもらいました。通常ムーヴメントもチェックした上で最終的に買取金額をお知らせするところなのにそれが出来そうにないので、その分金額を低くさせていただくことを提案したところ折り合いがついたので、結局内部の状態は確認せずに譲っていただくことになりました。

このまま裏蓋がまったく開かないとか、ケースやその他の部分を破損させてしまうとか、そういったトラブル発生のリスクが正直心配です。一抹の不安もありましたが、最悪でも針やリュウズや内部のムーヴメントなど、パーツ自体は何らかの形で利用することも可能ですから、とりあえずそれで良しと考えたワケです。

こういった場合、まずケースをCRC5-56に浸してみるところから始めます。ワタクシが知っている最も効果的な方法がこのやり方なのですが、1日経ってトライしてみると最初とまったく変わらない状態で、やっぱりウンともスンとも状態でした。さらにもう1日、南蛮漬けのように浸けこんでみて翌日試してみるとやっぱりダメ。その翌日もダメ。結局、ワタクシの身体が変な筋肉痛になっただけでした。

きっと裏蓋に汗なんかも染み込んで激しく錆びているに違いありません。パッキンもガビガビになっているはず。もうこうなると奥の手を使うしかありません。最終手段、ガスバーナー登場です。炙りサーモンのにぎりを作る時にも使えますが、当店ではこういうスクランブル発進の時たまに使う、まさにリーサルウェポン。ガチガチに固まった頑固者の裏蓋をバーナーの熱で和らげるワケです。

大抵この方法で開けられるはずなのですが、その代わり激しい高熱を加えることでムーヴメントだけでなく、大事な文字盤や針にも何らかのダメージが出てしまう恐れもあり、結構なリスクを伴います。裏蓋は開いたけど、文字盤がドロドロになってしまっては元も子もありません。出来ればやらずに済ませたかったのですが、もうこうなると他の手段は選べません。イチかバチか、もはやギャンブルのようなもんです。

祈るように青い炎をケースバックに向けて熱すること数回。一気にはやらず、少しずつ熱を加えてみましたが、祈りが通じたのかなんとか文字盤への影響もなく、無事裏蓋が開いてくれました。今回はうまくいきましたが、今後もすんなり出来るとは限りません。なるべくならこんなことをせずに使っていきたいものです。聞けばこの時計、20年ほど前に入手してから一度もオーバーホールもしたことがなかったそうです。これまでに一度でも整備していれば、その時に裏蓋も開けますから、これほどの状態にはならずに済んだかも知れません。何となく調子良く動いているように見えてもこんな問題が発生することもあるのです。やっぱり、古時計には定期的なメンテナンスが欠かせませんねぇ。そんなことを再確認した今日この頃です。。。




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5/18/2012

Oh!! Dirty Movement

久々のエントリーです。すっかり放置グセがついてしまいました。正直書きたいネタがありませんでした。とはいえ、たまには何か書こうと思い、パソコンに向かっています。それにしても相変わらずヒマなんだか、忙しいんだか分からないような毎日を送っています。あっという間にゴールデンウィークも終わり、いつも通り地味に過ごしている今日この頃。最近は気候が良いせいか、わりと毎日イイ気分です。だんだん暖かくなってくるとなんとなく気分も上向きになり、今は外出するのも楽しい季節だったりしますが、一方で古い時計を使うのには不向きな季節が近づいてきています。使う頻度が少なくなる夏場の時期にメンテナンスに出しておくなんておっしゃる方も少なくないようです。いずれにしても機械式時計を使っていく上で整備はマスト。古けりゃ古いほどなおさら重要でございます。

この画像の時計、言わずと知れたロレックスのサブマリーナですねぇ。デイト表示がなく、クロノメーター仕様ではないムーヴメントを搭載したいわゆる"Ref.5513"ってやつです。文字盤はイイ感じに少し焼けていて、ほど良いヴィンテージ感です。裏蓋を開けてみるとムーヴメントの汚れが結構ひどかった。ガビガビのベタベタって感じです。自動巻きの場合、ゼンマイの巻き上げを行うためのローターが付いていますが、ローターの中心の軸に摩耗が激しく進んでいたり、ガタついていたりするとローターがムーヴメントや裏蓋に接触して傷つけてしまいます。大抵の場合、妙な音がするようになるので、「こりゃおかしい」と気付くものですが、音だけでなく、ゼンマイの巻き上げも悪くなるはずなので、そういったところからも異変に気づくはずです。ところが、この画像のサブマリーナを持ち込まれた方はローター芯が外れてかかっているのにそのまま気にせず使い続けていたようです。前述のように異音が出ていたはずなのですが、結局ご覧のようにローターが擦れて削れ出た細かなカスが油分を含んで全体に広がってしまい、さらにローターの中心は驚くほど穴が広がってしまい、修正出来るレベルではなくなっていました。

拡大するとこんなに汚い!念入りに洗浄し、オーバーホールすることですっかり蘇りましたが、何年も整備を怠った上で使い続けてしまった結果、結局ローター一式を新しく交換することになりました。もっと早く修理の相談に来ていただけたら、そこまでの作業にはならなかったかも知れません。おかげで費用は高くついてしまったと思いますが、まだ部品が入手出来るのでむしろ良かったかも知れません。当然パーツがないものは別作しなければなりませんし、場合によってはそれも困難になることだってあるはずです。これから先も古い時計をちゃんと使える状態で維持していくためにメンテナンスの重要性は言うまでもありませんが、同時に様々なリスクが多かれ少なかれ伴うことを忘れてはいけません。いずれにしてもどこかで機能性は少し譲歩しながら、使える状態を維持しなければならないかも知れません。そういった意味でも大切に扱うことやそれなりのペースで整備をすることは欠かせません。やっぱりよく使う時計はきちんと定期的にやっておきましょう~。





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3/31/2012

グリュエンにうっとり

いつだったか修理のご依頼で預かった時計があまりにも素晴らしかったので、ここでちょっとネタにしたいと思います。このグリュエンの時計、腕時計ではなくてご覧のようなタイプ。文字盤のデザインがオシャレですねぇ。よくトラベルウォッチなんて言われたりしますが、まぁ一種の懐中時計のようなモデルです。モバードのエルメトなんかと同じジャンルになるかと思います。普通のケースにあたる部分をさらに覆う開閉式のケースがあるので、ムーヴメントや文字盤へのダメージを通常よりいっそう抑えることが出来るワケですねぇ。使う時だけデスクやテーブルの上、枕元なんかに置いたりして、その他の時はケースを閉じて持ち運ぶ。そんな使い方だったんでしょう。

腕時計に慣れてしまうとどうにも不便なんじゃないかと思いますが、当時にしてみればこれはこれで全然アリだったと思われ、大きな置時計は邪魔だし、好きじゃないなんて人だっていたでしょうから、こういう時計も結構な需要があったんではないでしょうか。

そんなこの時計、なんせやたらと状態が良かったんです。恐らくほとんど使われていないんじゃないかと思われるコンディションでした。修理のご相談にいらしたお客様によるとだいぶ前にニューヨークで購入したとのことでしたが、その時も多分特別整備されていなかったんじゃないかと思うほどの状態でした。ある程度メンテナンスを重ねてくるとムーヴメント自体、例えばネジの頭だとか、ブリッジなどにほんのわずかでも傷が付いたりするもので、いわばそれがある程度フツーだったりします。ところが、これはそれがほぼない。作りや仕様などから判断すると1930年代頃の製造ではないかと思われるので、当時から大事に保管されていたことが想像出来ます。分厚く、ガシッとした地板や受けなど、この年代の機械特有の作り込みに思わずうっとりさせられました。

グリュエンといえば、古くからスイスでの製造を行っていたブランドで、他のアメリカのメーカーとは異なる方向性だったことが特徴でした。このムーヴメントもクラシックなスイス時計らしい特徴がはっきり感じられる作りで、おまけにこの上ない美品でした。長期間ほったらかしだったことが原因による不具合でしたが、状態そのものは良かったので、オーバーホールすることで劇的に調子良くなりました。テンプ周りはいわゆるバイメタルテンプでブレゲヒゲというアンティークウォッチの王道を行くスタイル。恐ろしいほど美しいブルーの渦巻きに思わず吸い込まれそうになりました。。。

腕時計と比べるとやっぱりちょっと地味だし、あまり注目されていないジャンルだと思いますけど、その代わりこんな感じの超美品で雰囲気たっぷりのものが多少入手しやすいかも知れません。テンプ受けのこんな模様にもちょっとシビれてしまいます。ここだけは少しアメリカンな味付けにしたんでしょうかねぇ。とにかく、ホントにいい時計でした。。。






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2/24/2012

ブーツをぬいで朝食を

ちょっと前の話ですが、愛用のブーツを修理に出しました。ソールがだいぶ減ってきていて雨の日はツルツル滑るし、なにより見た目がカッコ悪い。そんなわけで直すことにしたのですが、ソールを張り替えるだけでも結構いろいろな選択肢があり、オリジナルのソールにするのか、あるいはそれに近い非純正のものにするのか、はたまたまったく異なる仕様に変更するのか、などなど。ワタクシの場合、特にこだわりはないので、オリジナルじゃなくてもイイですし、なんなら普通とは違う感じにしたいと思い、今回はあえてビブラムソールへ変更しました。

預ける際に表面のクリーニングをするのかどうかを訊かれたのですが、ブーツなんかを修理に出す人の中には汚れや傷もそのままにしておいて欲しいと希望する方がいるそうで、ちょっとビックリでした。けど、腕時計だって外装のポリッシュをするのか、しないのかは持ち主によって考え方が違いますから、当然といえば当然かも知れませんねぇ。とにかく、ワタクシの場合は「全然オッケーなんで、キレイにしてやって下さい!」なんて言って預けてきました。

ソールの張り替え作業が終わって引き取りに行った時、表面も艶々していてすっかりキレイになり、イイ感じだったので、思わず写真を撮ってみました。時々靴底が減りまくっているのに頑張って履いている人を見かけますけど、やっぱりあれはちょっとカッコ悪いですよねぇ。ただ汚いだけの革ベルトが付いた腕時計をいつまでも使っている人をふと思い出してしまいます。せっかくの時計もベルトの寿命が限界を超えた状態だったりするとみすぼらしく見えちゃいますよねぇ。やっぱり、テキトーなタイミングで交換するべきです。そういった意味では革ベルトの交換だってメンテナンスのひとつだと言えるかも知れません。

そうそう、先日ワタクシがブーツのメンテナンスを依頼したのは"UNION WORKS"というお店。渋谷の桜丘にあるので、ウチの店からも近くてバイクに乗れば3分くらいの場所だし、なによりあちこちでその評判を聞いていたので、以前から次に靴の修理を出す時はお願いしてみようと思っていたってワケです。いざ行ってみて店員の方といろいろ話してみたら、なんとウチの店のことを知っているだなんて言うじゃありませんか。たいした店じゃありませんが、そんなところで偶然にも当店を知っているなんて人に出会ったりすると決して悪い気はしませんし、時計と靴、身に着けるもので、メンテナンスが必要だったりするところはなんとなく共通点を感じずにはいられません。

修理だけでなく、トリッカーズなどの英国靴の販売も行っていて、ハマるとヤバそうな臭いがプンプンしています。今まで興味を持たないように心がけていた靴の世界にちょっと足を踏み入れてしまいそうな気もします。そんなユニオンワークスさん、ご存知の方も多いかも知れませんが、おススメです。




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9/19/2011

営業再開シテマス!

外付けハードディスクの容量や値段がなんとなく気になる今日この頃。いやぁ~、まだまだ暑いですねぇ。まさに残暑厳しい毎日。また台風が近づいているそうで、気になります。大きな被害が出なければ良いのですが。。。

ところで、銀座松屋の催事が終了し、いつも通りの営業を再開して何日か経ちました。搬出を終えて自分の店に帰ってくるといつも不思議な気分になります。「ウチの店ってこんなに狭かったっけ?」なんて思うワケです。そりゃそうかも知れません。デパートの売り場の広さったらハンパじゃありませんからねぇ。それはそうと毎度のことですが、今回も長いようで短い一週間でした。いろいろな時計が一度に見られるので、そういった点では我々出展業者にとっても絶好の機会です。仲間の出展業者の方との情報交換というか、そこで聞く話や見るモノは何かと勉強になったりするものなのです。

そんな今回の催事出展でワタクシが得た最大の収穫はこの画像に写っているコレですかねぇ。文字盤のようなものがありますが、これは時計ではありません。時計の整備をする際に使用する工具のひとつです。アンクルという重要な部品に取り付けられている石のセッティングをするための道具で、普通に入手しようとすると10万円コースの高額な工具なのですが、たまたま出展中の仲間に安く譲ってもらえることになりました。頻繁に使うような必須の道具ではないかも知れませんが、いざという時にあったら便利そうな道具のひとつとして以前からいつか手に入れてみたいと思っていました。言わずと知れたスイスの一流工具メーカーのベルジョン製。現行のカタログに掲載されている写真と比べるとだいぶ仕様が異なるようですが、基本はまったく一緒のようですし、全然フツーに使えそうです。数日前、早速これを使った方が良さそうな機会が訪れましたが、まだイマイチ使い方を理解していないので、結局使いませんでした。何のために手に入れたんだと思いつつ、いずれまた別の機会にちゃんと使ってやります。。。

会場にお越しになった方はお分かりだと思いますが、今回の催事の同時開催のイベントは「秋のワインフェア」でした。日頃ワインとはそれほど縁のないワタクシですが、せっかくなので最終日にはわりと手頃な値段のスパークリングワインを買ってみました。古時計の世界とは全然違うかも知れませんが、ワインの世界も上を見ればキリがない世界。素人には理解し難いビックリ価格のワインやシャンパンも少なくありません。ですが、高額なものだけが良いものとは限りませんよねぇ。時計だってそうです。手に入れたスパークリングワインは今度休みの日にでも飲んでみたいと思います。それにしても、今回の催事も当店にとってはいろいろと考えさせられる一週間でした。なんというか、課題のようなものが浮かび上がってきました感じです。その課題をクリア出来るように今後もワタクシなりにガンバリマス。



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7/30/2011

Warning!!!

梅雨が明け、本格的な夏を迎えましたが、思いのほか暑くない毎日が続いています。去年の夏はものすごい暑さだったことが忘れられませんが、今年はセミも案外静かだし、「夏!」って感じが物足りない気さえします。ただムシムシするくらいなら、いっそ思いっきり暑くなってくれてもいいんですが、節電も必要ですし、ちょうど良いのかも知れませんねぇ。

そういや、昨年は時計の汗や湿気によるトラブルでご相談いただく機会も多かったことが思い出されます。リュウズ周りがサビ付いて巻き上げが出来なくなってしまったり、そんな修理関係のご相談が結構ありました。防水型だからといって決してその性能が信用出来ないのがアンティーク・ヴィンテージウォッチの世界。モノによってはさほど心配する必要がなかったりなんて場合もありますが、それでもやっぱり古ければ古いほど危ないもんです。ですから、直接濡らしたりしなくてもトラブルに発展するなんてこともフツーに起こり得るのです。

この画像の時計はベゼルを外してある状態なので変な雰囲気ですが、ロレックス・シードウェラーです。"Ref.16660"というモデルで、この機種では1,220メートル防水を実現しました。今となっては結構レアものの部類に入りますが、ガラスの表面にヒビが入っていました。お客様からお預かりしたものですが、どうやら結構激しくぶつけてしまったようです。このモデルはそれまでのプラスチック製の風防からサファイアクリスタルへ移行した最初の頃のモデルです。現在は多くの高級腕時計に採用されているサファイアガラス。強度があり、傷が付きにくいことが特徴ですが、かなり強い衝撃が一点に集中して加わった際には欠けたり、割れたりしてしまいます。

ロレックスっていうとどうも「頑丈な時計」というイメージが持たれているようで、特にシードウェラーのようなダイバーズウォッチとなると相当ガンガン使っても平気なんじゃないかと思われがちですが、そこはやっぱり機械式時計なので、それなりに繊細な部分もあるのです。いくら防水性能がきっちり保たれていたとしても乱暴に扱っていいわけありません。

このシードウェラーもよく見ると亀裂どころか、端が見事に割れていました。これじゃそのまま使うのはマズイですよねぇ。どうやったて湿気なんかの影響が出ます。こうなると当然交換するしかありませんので、結局メーカー行きになりました。何かと水がらみのトラブルが心配なこの季節。こういった比較的新しい80'Sモデルならまだしも、もっと古い時計はやっぱり注意が必要です。なんなら使うのはやめておいた方が賢明です。とはいえ、まったく使わずに仕舞いっぱなしになるのもどうかと思いますが、少なくとも天気が下り坂だったり、湿度が高いと感じるような日にはご使用は控えた方が良いのではないでしょうか。

実はココだけの話ですが、ワタクシ最近プライベートではほとんど時計を着けていません。せいぜい整備を終えた時計をテストする時くらいなもんで、自分でも時計屋のくせになんだかなぁ~って思いますが、やっぱりこの季節はビミョーなんです。どちらさまも汗や水気にご注意下さい!




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9/18/2010

Message In A Watch

久々のブログです。モーレツに暑かった今年の夏もいい加減そろそろ終わりですかねぇ。まだまだ残暑厳しい毎日ですが、だんだん秋の気配を感じるようになってきました。夜になるとちょっとだけ涼しげな風が吹き、どこからか鈴虫が鳴いているのが聞えてくるようになりました。そんな今日この頃、珍しく時計屋らしく時計のネタを少々。

年代物の機械式時計の中でバツグンの知名度を誇るオメガですが、言わずと知れた30ミリキャリバーは何かと評価も高く、実際コンディションが良ければ安定した精度も期待出来ます。バリエーションも豊富で、流通量もそこそこなので、手頃な価格で入手出来る場合も少なくありません。一部の軍用時計、その他ランチェロやレイルマスターなどのレアモデルは別格ですが、そうでなければそれほど高額になることはないので、一定の人気があります。そんなわけで、当店でもこれまでかなりの本数を取り扱ってきています。

先日オーバーホールの依頼でオメガの軍用時計をお預かりしました。いわゆる30mm系のムーヴメント"Cal.30T2"を搭載した英国陸軍用で、文字盤には大きなスモールセコンドがレイアウトされたあのモデルです。この機種も以前は相場的に結構リーズナブルなものが多かったのですが、やはりそこは軍用なわけで、今や美品を入手するのは簡単ではなくなってきています。今回お預かりしたものは持ち込まれた段階ではまったく動かない状態で、相当長い期間ほったらかしにしたままだったとのことでした。ケースにもサビが出ていましたが、ムーヴメントをある程度分解してみると内部にもサビが出ている箇所が結構ありました。当然オイルは残っていないし、完全に汚れた状態。これじゃ全然動かなくても仕方ないよねぇっていう感じでした。

ゼンマイの入る香箱を外して地板を見るとそこには何者かが残した謎のメッセージが刻まれているじゃありませんかっ!恐らくかつて整備をした誰かがサインをしたのでしょう。最初何かの暗号かと思ってしまいましたが、よくよく見てみると"1-11-74"と刻まれています。きっと1974年1月11日ってことでしょう。あとはイニシャルか何かですかねぇ。以前も裏蓋の内側に書かれたサインについてブログのネタにしたことがありましたけど、ムーヴメントそのものに直接日付なんかを残すっていうパターンはなかなか興味深かったので、思わず写真を撮ってしまいました。

でも、ムーヴメント自体にわざわざ傷を付けるのはどうなんでしょう。整備した日付なんかが分かるようにするのなら、全バラしないと見えないような場所にするべきではないでしょうし、やっぱりワタクシ的にはいかがなものかと思ってしまうのです。とはいえ、これがこの時作業したその人のスタイルだったんでしょうねぇ。とにかく、良い悪いは別としてこれってちょっと珍しいと思いました。

ところで、このオメガ、当初はまったく動きませんでしたが、オーバーホールの際に新しいゼンマイと交換し、多少の加工調整を行い、すっかり生まれ変わったかのように調子良く動いてくれるようになりました。およそ60年も前に作られた時計で、完全に動かなくなっていたとしてもこんな風に結構ちゃんと使えるようになるもんです。そんなところも含め、過ぎ去った長い月日を感じさせてくれるところが古時計の一番の魅力じゃないでしょうか。



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7/13/2010

雨ニハマケル

FIFAワールドカップはスペインが勝利を収め、勝敗を的中してきたドイツの水族館にいる占いタコが注目を浴び、日本の代表選手のうちの何人かは移籍の話なんかもチラホラ出てきたりしています。この一カ月間、連日夢中になっていたワールドカップが終わってしまい、すっかりいつもの退屈な毎日に戻ってしまった気分です。おまけに参議院議員選挙も終わり、なんとなく世の中全体が落ち着きを取り戻しつつあるかのような今日この頃。

毎日雨が降ったりやんだりで、梅雨らしく嫌な感じの天気が続いていますねぇ。カラッと晴れて気持ちのいい日もありましたが、やっぱりまだ梅雨。完璧にジメジメ、ムシムシしています。そんなここ最近のワタクシはなぜこの時期は古い時計を気をつけて使わなければならないのかとか、なぜなるべく使わないようにした方が良いのかなどというようなことを徹底的に説明する機会が多く、ホントに何人もの方に同じような話を何度もしています。

どんなことを話しているのかざっくり整理してみると大体以下のような感じになります。


・古い時計は防水性能を持ったものがほとんどない上、仮に防水型のモデルであっても現在はその性能は期待出来ない場合が少なくないということ。

・実はロレックスのような完全防水の時計であってもケース内部にあるわずかな空気が結露を起こし、それがサビに発展する場合も結構あるということ。

・中途半端な気密性が保たれたモノほど内部に発生した水分が外へ抜けないため、文字盤や針、ムーヴメントにまで影響が出てしまう場合もあるということ。

・直接水がかからないようにするのはもちろん重要なのですが、気温や湿度の変化が湿気によるトラブルを誘発する場合もあるということ。

・日本の特に東京のような大都市の蒸し暑さは実は想像以上の過酷さなので、梅雨時から残暑の厳しい時期までの間は万一に備え、古時計はなるべく使うのを控えた方が間違いないということ。


もっといろいろ話したりしていますが、おおよそ前述の通りです。普段なら何の問題も起こらないような時計も今のような蒸し暑い季節なら、すぐに大きな問題に発展しまう可能性があるのです。猛烈な気温と湿度の外から一歩室内に入るとエアコンが効いていて、さらにまた外へ出ると今度はまた激しい蒸し暑さへ逆戻りするといった繰り返しが徐々に悪い影響を与え、結果的にサビなどのダメージにつながったりするわけです。

ムーヴメントのトラブルも気になりますが、実はケースの腐食なんかも結構心配です。特にステンレススチールは「サビない」と思われていることも多いようですが、あくまで「サビにくい」なので、汗や汚れが元になってサビにつながったりなんてこともあるのです。ベルトの取り付け部分や裏蓋の合わさった箇所などが激しく錆びたりしやすいので、汗を残さないようにまめに拭いて清潔にしておくことも有効です。

お気に入りの時計を着けずに生活するのはどことなく物足りなさを感じるかも知れません。しかし、危険が潜んでいるこの季節、古いものなら天候によって使うのはちょっと控えた方が良いのは言うまでもありません。やっぱり夏場の雨や湿気には負けます。大事に長く使っていくことを考えたら、ほどほどに休ませてあげるべきなんです。


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