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10/17/2014

A Omega With Great Patina

すっかり秋ですねぇ。ここのところ実にいい気候なのですが、もう朝晩は寒くて基本バイク通勤のワタクシにはだんだんしんどい季節になってきました。日中は日差しさえあれば結構暖かいので、今ぐらいの時期にバイクでツーリングなんて気持ち良さそうです。

ところで、昨日ウチの店のサイトに一本のオメガをアップしたのですが、それはご覧いただきましたでしょうか?正直お世辞にもキレイとは言えない文字盤で「汚っねぇ文字盤だな!」なんて思う方もいるでしょうけど、よくよく見るとなかなか味のある風合いがあることに気づきます。日に焼けて変色した文字盤には細かい点々も出ているので、そこを気にしてみると気になってしまいますが、十字のラインが入ったスタイルに特徴のあるラグのデザイン。なかなかの雰囲気です。

単にボロい時計だと思えばそんな風に見えますが、ひとつひとつコンディションが異なる年代物ならではの一点物的な面を考えるとこれはこれで実に味があって、ヤレた感じが堪らなく思えてきます。このオメガ、ムーヴメントの状態だってかなり良い上に結構由緒正しいワンオーナーもので大事に使われてきたものだったりします。

ただの古い時計だと思うか、それとも特別な一本だと思うのか・・・それは人によって様々です。抜群のコンディションのものが一番良いに決まっていますが、一方でどこか経年変化を感じされるフィーリングも大事だと思います。どちらかというとワタクシ自身はほど良くヤレた年代物らしい雰囲気を醸し出したものの方が好みです。ふとあらためてそんなことを考える今日この頃です。。。




10/07/2014

Ordinary Wrist Watch

昨日は台風18号が直撃したため、いつもよりだいぶ遅れて14時の開店となりました。前日からかなりの雨でしたが、台風の速度が速かったせいか、あっという間に台風一過となりました。台風が空気をキレイにしてくれたような感じで、今日もスカッと晴れてくれて実にイイ気分です。

ところで、イイ感じの古時計がますます集めづらくなってきているのを実感している今日この頃です。特定のブランドに限った話ではないのですが、オリジナル性、コンディション、雰囲気の良さといった重要なポイントをしっかり押さえたものがどんどん減ってきています。まぁ、そもそも減る一方の古時計の世界ですから、これはなにも今始まったことじゃないのですが、それにしてもフツーに良いものをずいぶんと見かけなくなってきていて、結構切実だったりします。



この画像のオメガは少し前に店頭で販売したもので、ご購入下さったお客さまにお願いして手首に着けた状態を撮影させてもらったのですが、こんなフツー過ぎるくらいフツーのオメガだって10年前と比べるとだいぶ少なくなってきている印象です。手巻き式で、いわゆる30mmキャリバーを搭載した1960年代前半くらいのもので、ステンレススチール製のケースは非防水のスナップバック。それなりに小傷だってありましたが、これはオリジナルシェイプがしっかり残っていました。肝心な文字盤だってうっすら経年変化を感じさせるような状態ではありましたが、実に自然な風合いでした。

さんざん物凄いアンティークウォッチを見てきたツウの人達から見たら、たいして魅力ないような時計かも知れませんが、このオメガのようなフツーの腕時計をもっとフツーに使ってもらいたいとつくづく思います。どれもが一点物の古時計の世界ではありふれたように見える時計だって実際はとても特別な一本ですからねぇ。珍しさや値段だけじゃありません。一見フツーなんだけど、雰囲気が良くてコンディションも良い。そんな時計をこれからも紹介していきたいものです。。。







7/12/2014

Constellation vs Conquest

かつてのオメガとロンジンといえば、どちらもスイスの代表的な時計メーカーのひとつですが、いくつもの共通点があったように感じます。いずれも古くから量産体制を整え、世界各国へバンバン輸出していました。規模的にはオメガの方がちょっと大きかったかも知れませんが、どちらもムーヴメントを自社で開発し、製品のランクというか、グレード的にもかなり近い存在だったと思います。実際、現在の評価もわりと似ていると思います。

いずれにしても、ある時期まではある種のライバル関係にあったのではないでしょうか。どことなく似たようなポジションだったとでも言ったら良いのでしょうか、とにかく両社ともに意識し合っていたのは間違いなさそうです。独自の美学のようなものが強く感じられるところは他のメジャーブランドにも言える部分ですが、オメガとロンジンの二社についてはなにか因縁のようなものすら感じます。


現在はどちらもスウォッチ・グループに属していますが、オメガの方がちょっと上でロンジンの方がやや低いランクづけになってしまっているようです。なんとなくその状況に納得出来ないところもありますが、大昔から続く両社の熾烈な戦いの末、現在があるんじゃないかと思うとちょっとロンジンが可哀そうになってしまうのはワタクシだけでしょうか。


まぁ、とにかくそんなオメガとロンジンのライバル関係を象徴する時計がオメガの「コンステレーション」とロンジンの「コンクエスト」だと思います。


1952年に登場したコンステレーションは手巻きムーヴメントの時代からオメガがこだわり続けたクロノメーター仕様の高級機種として今日に至るまでオメガを代表するモデルとして存在し続けています。コンステレーションの登場以前には「センテナリー」というモデルがありましたが、そのスタイルを踏襲しつつ、さらに特徴あるスタイルに仕上げたのがコンステレーションでした。文字盤の中央が盛り上がっていて外周には存在感のある太めのクサビ型インデックスをデザインし、ミニッツトラックはインデックスの内側にプリントされています。その文字盤のデザインに合わせて針をやや短くデザインしている点が外観上の大きな特徴です。

最初期のものはいわゆるバンパー式のムーヴメント"Cal.354"を搭載したモデルでしたが、のちに全回転式の500番台のムーヴメントを搭載するようになります。その後も時代ごとにデザイン、ムーヴメントともにアップデートされていきますが、いずれも常に「コンステレーションらしさ」が感じられる点がポイントだったりします。数多く存在しているコンステレーションですが、その中でもこの画像のタイプは最も代表的なもののひとつではないでしょうか。唯一無二の存在感は登場から半世紀以上経った今でも十分過ぎるほどの個性を持ち、輝きを放っています。


一方、ロンジンが手がけたコンクエストは1954年に登場します。コンステレーションの登場から2年後ということになります。オメガがコンステレーションで打ち立てたコンセプトをまんま踏襲したスタイルなのは言わずもがなです。コン~というネーミングにはじまり、太めのインデックスや短めのドルフィン針、特徴ある形状のリュウズなど、デザイン的にも恐らくコンステレーションを強く意識していたであろうルックスです。

1950年代といえば、それまで主流だった手巻き式ムーヴメントの時代から完全に自動巻きの時代へと移行するタイミングです。すでに1940年代には自動巻きが登場してますが、本格的に普及するのはやはり1950年代だと言えます。ロンジンも技術力があり、非常に硬派な時計メーカーだったように感じますが、この時期から徐々にオメガとの差が出始めていたのではないかと思えて仕方がありません。


オールドのクロノグラフの世界でロンジンの評価が大変高いことはここで今さら言及するようなことではありませんが、そのロンジンも一般的に3針の自動巻きムーヴメントのジャンルではあまり評価されていません。

このコンクエストに搭載されているムーヴメント"Cal.19AS"などは決してチープな作りだったということはなく、
むしろ質実剛健な古くからのロンジンらしい作りがそのままだったりするのにあまりその良さが認知されていません。なぜでしょうか?

正
直自動巻きユニットの構造などを考えるとメンテナンス性の点ではオメガの方が優れていると認めざるを得ませんが、こも世界ではそういうことだけで判断出来ないところもありますし、本来であればこの辺りの自動巻きのロンジンももうちょっと人気が出ても良いような気がしますし、ワタクシ的にはロンジンびいきなところもあるので、なんとなくもうちょっと注目してあげて欲しいなんて思ってしまいます。

とはいえ、ロンジンもそののちに振動数の高いハイビート・ムーヴメントを積極的に手がけるようになり、ウルトラクロンなどの大ヒットする機種も登場しますが、ロービートの時計ばかり愛される風潮が強いせいか、その辺も現在のロンジンの自動巻きムーヴメントのジャンルでの不人気につながっているように感じます。やっぱり二匹めのドジョウだったロンジンはオメガに負けてしまったということなのでしょうか?まぁ何とも言えませんが、オメガとロンジン、それぞれのアイデンティティも時代とともに変化していったことが良く分かります。

それにしても、かつてライバル関係にあったであろうこのふたつの時計が今こうして仲良く並んでいる姿を見ると、どことなく微笑ましい気分になってきます。オメガのコンステレーションも素晴らしい腕時計だと思いますが、ロンジンのコンクエストだって間違いなく魅力的な時計だと思います。今年は登場してから、ちょうど60年のアニバーサリーイヤーなんですねぇ。このオリジナルコンクエストの方もいざ探すと意外と玉数が少ないので、貴重です。やっぱり、どちらも名品です。。。







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5/16/2014

Naomi.....

ちょっと前にウチの店のサイトにアップしたセイコーのダイバーウォッチのセカンドモデルについて少々。冒険家植村直己氏が愛用していたことでお馴染みのモデルで、左右非対称のデザインや特徴あるインデックスの形をはじめ、ルックス的にもなかなか個性的ですが、独特なロック機構を持ったリュウズなど、海外のブランドが手がけていたものとは異なる方向性で作られていた個性的なダイバーモデルです。

当店では日頃国産の時計を積極的に取り扱うことはありませんが、たまたま入手の機会があり、その際直観的にグッときたとでも言ったら良いのでしょうか。とにかく、コンディションの良さにシビれてしまい、思わず即入手しました。



ガラスにも傷がつきやすく、結構キレイなものでも大抵はちょっと惜しい小傷があったりするものですが、これはホントに美品です。ずいぶん前はウチの店でもセイコーやシチズン、オリエント(たまにタカノ)といった国産の時計もそれなりに取り扱っていまして、その頃はこんな風にコンディション良好なものを取り扱ったことも何度かありましたが、今や10年どころじゃないくらい前の話です。いずれにしても普通なら意識的に集めるようなことのないこのセイコーとの出会いはなんというか、大げさに言うとある意味運命すら感じてしまいました。

伝説の冒険家が使っていたことが枕詞のようになっているこのセイコー・ダイバー。そういったストーリーがなくても実に魅力ある時計じゃないでしょうか。個人的には手動で巻き上げが出来ない構造のムーヴメントだけはちょっと好みではありませんが、ズシッとくるボリューム感のあるケースをはじめ、この存在感はたまりませんねぇ。正直決してリーズナブルとは言えませんが、この使用感の低さは目を見張るものがあります。ご興味のある方は是非店頭でチェックしてみて下さい。






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5/05/2014

A Signature

今年も黄金週間がやってきました。基本ほぼ通常通り営業しているので、世間のみなさまのようなお休みはございません。中には11連休だなんて方もいるそうですが、自分だったらそんなに休みがあると何をして良いのか分からなくなってしまいそうです。

一年のうちで最も良い天気に恵まれるこの時期ですが、あいにく今日はパッとしないビミョーな天気でした。天気予報をチェックして雨が降りそうなことは分かっていたのですが、ちょっと曇っている程度だったので、今朝ワタクシはいつも通りバイクで出勤しました。ところが、あとわずかで店に到着しそうなところで、まさかの激しい雨。ちょうど首都高速の高架下にいたので、無理せずどこかテキトーな場所で雨宿りするべきでした。

あとちょっとで着くからとつい頑張ってしまいましたが、おかげでズブ濡れになってしまいました。そんな時に限って思いっきり降ったのはほんの一瞬で、雨はあっという間にやみました。着ていたお気に入りの革ジャンやジーンズもビシャビシャです。時々こんなこともあるので、店にはTシャツやらジーンズといったちょっとした着替えも置いています。とりあえずは困りませんでしたが、今日は開店前からいきなりテンションが下がりました。



そんな今日のワタクシですが、ここで昨日整備した時計について少々。一般的な習慣として時計のメンテナンスを行う際に作業した人が裏蓋にサインや日付などを書き込むことが多いものですが、裏蓋を開けてみたら、こんなサインを見つけました。以前作業をしたのは新井さんという方だったようです。なんともストレートだったもので、つい写真を撮ってしまいました。「新井さん、次はオレに任せてくれよ!」ってな気分でしょうか。。。

さて、すでに当店のサイトでは今月のお休みの予定についてアナウンスしていますが、明日5月6日(火曜日)は臨時休業させてさせていただきます。翌日の5月7日(水曜日)と合わせて二日連続でのお休みとなります。何かとご迷惑をおかけしますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。




忌野清志郎 - 激しい雨

今日は突然の大雨で思いがけずズブ濡れになってしまい、ふと頭に思い浮かんだのがこの曲。「激しい雨」つながりで、The Modsの「激しい雨が」の方も考えましたが、ワタクシ的にはやっぱりこっちでしょうか。しかし、この5月2日であれからもう5年。早いものですねぇ。。。





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4/20/2014

OPD

今ひとつパッとしない天候のせいでしょうか。結構静かな日曜日です。しかし、今日も寒いですねぇ。一度は片づけかけたのですが、昨日今日と足元に置いたヒーターのスイッチを入れずにはいられません。

ところで、本日ウチの店のサイトにロレックスを一本アップしたので、ここでもちょっとネタにしたいと思います。アンチロレックスってほどではありませんが、正直ロレックスに関してはさほど積極的ではない方です。けど、だからといって別にロレックスを嫌っているワケではありません。

やっぱりナンダカンダでとても良い時計だと思っています。特にデイトジャストとか、そういったスタンダードなモデルで、1960~1970年代にかけての1500番台のムーヴメントを搭載したものなんかは状態さえ良ければ、相当バッチリ活躍してくれますし、極端な使い方などせずにちゃんと整備していれば、ほとんどトラブル知らずですし、当然精度だって期待出来ます。

ですが、人気のあるスポーツ系は人気がある分だけ値段も高いワケです。単純にカッコいいのですが、昨今またまた評価が上がっており、かつてのリーマンショック前と同じような状況に戻ってしまいました。正直度を越した価格にはついていけていません。

玉数も多く、比較的入手しやすかったデイトジャストあたりもこの1年くらいでずいぶん相場が上昇しています。そんな中、意外と不人気気味といった印象なのがこの「オイスター・パーペチュアル・デイト」で、その中でもこれはベゼルのデザインが特徴的な"Ref.1501"というモデルです。昨今、時計のサイズ感を気にする方が多く、特にちょっと小ぶりなモノは敬遠される傾向が強いようですし、しかもこの辺りのモデルもツルツルベゼルの方が一般的にはウケが良かったりするみたいです。

でも、ワタクシ的にはよく「エンジンターンドベゼル」なんて呼ばれるこのベゼルのデザインにむしろグッときてしまいます。古くはバイセロイなんていうモデルやバブルバックなんかでも似たようなスタイルが採用されていて、そんなロレックスの伝統すら感じられる一番のポイントだったりするのですが、どうもあまりそこは注目されていないようです。

結構好きなモデルなので、たまに良品に出会うと仕入れたりしているワケですが、どうも世間の評価とのズレがちょっとあるような気がします。このサイズが「小さい」と感じるなら、もっと古い直径30ミリくらいのケースの腕時計はどれも「小さ過ぎる」って話になりますよねぇ。リベットブレスの状態もイイ感じですし、なんと1960年代当時のペーパーつき。普通に使えるイカすヴィンテージ・ロレックスっていうイメージでしょうか。





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4/19/2014

Longines Royal Army "Greenlander"

なんだか今日は風も強くてちょっと寒いですねぇ。せっかく暖かくなってきたのにまた逆戻りって感じでテンション下がります。

そこそこ長いこと時計の商売を続けてきました。ワタクシ自身は単に仕事としてだけでなく、古時計の魅力を伝えるため、日夜啓蒙しているつもりでもあります。店のサイトに掲載する写真も時計の持ち味が伝わるように結構気をつかって撮っていて、一応撮影や編集の際には実物の雰囲気がしっかり表現されるようにいつも意識しています。

これまでも時々、思い立ってムーヴメントの動画をYouTubeへアップしたりしてきましたが、最近も動画がご覧いただけるように少し試したりしています。ちょっと前にアップしたロンジンのイギリス軍用モデルも以下のような大迫力で臨場感?のある動画が観られます。。。





なんというか、ムーヴメントの動画はともかく、時計の文字盤側を動画で見てもまったくといって良いほど面白くないことが分かりました。テンプが勢い良くギュンギュン動いている様子は見ていてそれなりに伝わる部分もあるかと思いますが、ゆっくり動いていくスモールセコンドの針を見たところで、沢尻エリカじゃなくても「別に・・・」って言っちゃいそうです。大体裏蓋を動画で見たってなんの変化もありませんし、いずれにしてもこれじゃ大して魅力は伝わりませんよねぇ。

動画で見せるなら、せめてセンターセコンドのタイプか、クロノグラフでしょうか。そんなことに気付いた今日この頃です。しかしまぁ、腕時計って小さいから難しいですねぇ。懲りずにこれからもいろいろトライしてみたいと思います。乞うご期待。。。





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4/13/2014

Maintenance Report

ずいぶんと暖かくなりましたが、それでも朝晩は結構寒いので、基本バイク通勤で帰りが遅くなることも多いワタクシにとってはまだまだちょっとキツいですねぇ。もう少し暖かくなってくれると肉体的にも楽になって、ずいぶん気分良く過ごせるのですが。。。

さて、今回は先日オーバーホールのご依頼でお預かりした時計のことを少々ネタにさせていただきたいと思います。ご覧のオメガはシーマスターのクロノグラフで、ムーヴメントは初期のスピードマスターでもお馴染みの"Cal.321"を搭載したモデル。いわゆるコラムホイール式が採用された年代物らしい特徴を持ったクロノグラフのムーヴメントで、アワーレコーダーがついた三つ目のタイプの中ではバルジューの"Cal.72"やヴィーナスの"Cal.178"などと並んで何かと評価の高い代表的なモノのひとつです。


のちに登場するカム式よりもクラシックな風情があり、部品の点数が多かったりすることから、一般的にはピラーホイールのある昔ながらのクロノグラフの方に注目が集まるようなところもありますが、個人的にはその辺のこだわりはなく、カッコ良くて状態が良ければどちらでも良いんじゃないかなんて思っています。

それはともかく、今回メンテナンスのご依頼をいただいたこちらのシーマスター。どのような経緯で入手したものなのかとか、その辺りも含めてご持参下さった方にいろいろとお話をうかがうと元々はおじいさんが持っていたものだそうで、
しかもそのおじいさん自身がかつて新品で買ったものだというお話でした。



ガゼン興味津々でもう少し詳しくお話をうかがうと、1960年代ある大きな企業に勤めていらしたそのおじいさんは出張でアメリカへ行ったことがあったらしく、その時に入手したのだというお話でした。ムーヴメントのシリアルナンバーから1950年代後半の製造だと思われますが、1960年代前半頃に渡米して購入したのだとすれば、なんら違和感はなく、むしろ実に自然です。

そんなおじいさんの自慢だったこのオメガ。長い間、どこにしまってあるのかすら分からない状態だったそうですが、最近になってようやっと見つかったとのことで、ウチの店へオーバーホールをご依頼下さったというワケです。



相当長期間ほったらかしだったものと思われ、風防の激しい傷の他、ケースのサビも酷く、文字盤はなかなか年季の入った状態でお世辞にもキレイとは言えないコンディションでしたが、幸いにもムーヴメントは十分な状態が保たれていました。下手に何度もメンテナンスされていたり、さらに作業に問題があったりするとムーヴメント全体に細かな傷が増えたり、ヒゲゼンマイがおかしな状態になっていたりなんてこともありますが、このオメガはまったくそのようなことはありませんでした。

裏蓋の内側にサインがあったので、恐らくこれまで1~2度くらいはオーバーホールされていたんじゃないかと思います。一部サビなどもありましたが、状態そのものはかなり良好でした。いわゆるスナップバックケースですが、裏蓋にパッキンが入る防水タイプだったことが幸いしたのでしょうか。いずれにしても致命的なダメージはなく、今回の整備ですっかり蘇りました。



それにしても1960年代前半当時、海外へ行く日本人がどれだけいたのでしょうか。東京オリンピック開催前の高度経済成長期で活気に沸いていた時代だったかとは思いますが、まだまだ現在のような豊かさとは程遠い状況だったでしょうし、何より1ドル360円の時代ですから、とんでもない高額品だったことは言うまでもありません。そう考えるとこのオメガがこんな風に現在まで残っていたことがとても有り難く感じられます。まぁ、ワタクシのものではありませんが。。。

いずれにしても
見た目的にはそこそこヤレている印象ではありますが、見れば見るほどとても味のあるシーマスターのクロノグラフ。どういう歴史を持った時計なのかといった話を聞くとますます魅力的に見えてきます。今回ひと通りオーバーホールして絶好調になりましたが、風防も交換し、お返しの際はご覧のような新しい革ベルトを取り付けて見事に生まれ変わりました。ケースの傷みが結構すごかったので、汗や湿気には注意が必要ですが、是非これから大切にお使いいただきたいですねぇ。



オマケ 出ました!クロノグラフの顔。






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3/23/2014

時代を見つめてきた時計

だんだんと春らしくなってきましたが、まだまだですねぇ。桜が咲くのが待ち遠しい今日この頃です。さて、今回は少し前にウチの店のサイトにアップしたインターナショナルの角型時計について少々書いてみたいと思います。

ご覧の通り、決して美品とは言えないコンディションなのですが、こちらは当店では久々に入荷した"Cal.87"搭載モデルです。Facebook上にアップしたアルバムにはちょっとだけコメントを加えておきましたが、こちらは海外で入手したものではなく、店頭で一般のお客様からお譲りいただいたものです。このインターを持ち込まれた60歳代のご婦人「山田さん(仮名)」とお話してこの時計がどういった素性のモノなのか、いろいろとうかがってみるとなかなか興味深いエピソードが聞けました。


そもそもこの時計はそのご婦人の持ち物ではなく、亡くなったお父さんが所有していたものだそうで、山田さんによると物心がついた頃にはこの時計を着けているお父さんの姿がしっかり記憶に残っているとのこと。つまり、我々のような古時計を扱う店でこの10~20年の間に購入したようなモノではないということが分かります。この時計が製造されたのは1930年代後半ですが、その頃の日本は決して裕福とは言えない時代で、戦争による混乱状態もあったはずですから、そんな時代にこのような腕時計を所有していた人がこの日本にいたとは信じがたいくらいです。

新品で入手したのか、あるいは誰か別の人が持っていたものを譲り受けたモノなのか、そういった細かい部分については知る由もありませんが、いずれにしても大昔に日本へやって来た時計だということに間違いはなさそうです。1940年前後の当時、インターナショナルの時計が正式に日本へ輸入されていたのでしょうか?恐らくそんなことはなかったかと思います。正直その辺りはよく分かりませんが、山田さんのお父さんがどのようなお仕事をなさっていたのかというお話をうかがうとなんとなく納得出来ました。ご興味のある方にはその辺りのストーリーをお話しさせていただきます。

あえてここではその先の詳しい説明はしませんが、ずいぶんと昔にはるばる日本にやって来たこの時計がより貴重なモノに思えてきます。腕時計は決して場所を取るモノではありませんし、なによりご家族の思い出の品なのですから、売却などせずに大事に持っていらした方が良いのではないかとご提案しましたが、ただ持っていても仕方がないとのことで、結局お譲りいただくことになりました。

文字盤はご覧の通りで、かなりヤレていますし、リュウズもオリジナルではありませんでしたが、ムーヴメントの状態をチェックすると決して悪くありませんでした。文字盤も結構傷んでいる上に機械もサビだらけだったり、下手クソな整備を重ねてきてガタガタだったら、さすがにどうにもなりません。当初から文字盤をレストアすることを視野に入れていましたが、ひとまずそのままの状態で仕上げました。オーバーホールの際に少しマシなリュウズと交換し、ベルトはバネ棒式ではなかったので、別注製作したリザードのベルトを取り付けて店頭に並べています。

正直ひと目見てキレイとは言い難いコンディションです。しかしながら、当時こういった高級品を持っていた人は日本には何人もいなかったでしょうし、この日本で長い年月を経て現代まで生き残ってきたことにものすごく有り難みを感じます。なんというか、それこそロマンを感じずにはいられません。このインターナショナルの角型時計が持つ歴史やストーリーに共感していただけたら幸いです。。。





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3/10/2014

Just Arrived!!!

3月になりましたが、まだまだ寒いですねぇ。いつもわりと商品とかお店のことと関係ないことばかりネタにしているような気もするので、たまには商品の写真を載せてみようかと思います。どうぞお付き合い下さい。

どうですか?このゼニス。つい先ほどウチの店のサイトに情報をアップしたものですが、ワタクシ的に「やっぱりイイなぁ~」なんて思うのがこういう時計なんです。フツー過ぎるほどフツーかも知れませんが、見れば見るほど結構存在感があります。

オメガの30mm系なんかも同じようなタイプに該当するかも知れませんけど、やはりナンダカンダで手巻きでスモールセコンドという最もベーシックな仕様にどうしてもグッときてしまうのです。理由はいくつもあるのですが、なんといってもデザインはもちろん、ムーヴメントもシンプルだという点に尽きるような気がします。


シンプルなだけでなく、同時に年代物ならではの特徴をしっかり持っている点もたまりませんねぇ。このゼニスでいえば、外周に向かって少しカーブしている文字盤は視覚的に立体的に見えますし、クサビ型のインデックスとともに奥行きの感じられる作りになっています。

すっきりとしたスチール製のケースですが、防水型のいわゆるスクリュウバックになっていて、しかも軍用時計のように二重ケースになっていたりする点も重要なポイントです。昨今は古時計の世界でも大ぶりなケースがなにかと喜ばれる傾向が強いようですが、ワタクシ的には時計のサイズなんていうものは結構どうでも良い部分でして、小さくても個性的で存在感があるところこそが年代物の腕時計の魅力だと考えているくらいなので、実はこのゼニスはむしろ大きいとすら感じます。いずれにしても、一見フツーでも実は凝った点がいくつもあるってワケです。

ムーヴメントに目を向けると懐中時計の時代から脈々と続くスイス時計の王道を行くフィーリングが味わえます。
日頃は見えない部分ではありますが、粒金仕上げになっているこのようなクラシックな仕上げもある一定の年代にまで遡らないと存在していませんので、この時計の魅力を作っている大きな要素のひとつだと思います。こうやってオーバーホール中の写真をあらためて見るとほぼ非の打ちどころのない、限りなく完璧に近いコンディションであることがビシビシ伝わってきます。

そして、最後に最も重要なのはこの時計がこの世にひとつしかないってことです。これはこのゼニスに限った話ではありませんが、こんな風に十分なコンディションをしっかり保ったモノがゴロゴロ出てくるワケではないのだから、そんなことを考えるとホントに有り難い気分になってきます。まさにロマン・・・ですねぇ~。





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10/31/2013

Walk on the Wild Side

早いもので、今日で10月も終わりです。ホントにいつも同じようなことばかり書いていますが、今月もあっという間でした。ヒマなようで、実は何かと忙しい毎日を過ごしていると時間の経過はただただ光の速さのようにすら感じます。

ところで、ちょっと前にウチの店のサイトにアップしたブローバの角型時計はご覧いただきましたでしょうか。いわゆる「角金」ってやつです。ケースはメッキだし、特別珍しいものではありませんが、あえて話題にしたいと思います。

一般的にはまったく有り難く思われないジャンルの時計ですが、あまり値段に反映されないっていうだけでこういうモデルも実際はこの世にひとつしかないモノホンのアンティークウォッチであることに変わりありません。ある意味では100万円、200万円する高額なモデルとまったく一緒なのです。特に角型の時計はケースがデリケートなので、汗や湿気、埃などの影響を受けやすく、状態の良好なものが極端に限られます。なので、オリジナル性が保たれたものは今や結構貴重だと言えます。

アメリカの製品はなんでも大雑把だとか、そもそも作りが悪いなど、良いイメージを持っていない人も多いかも知れません。料理は大味だとか、衣料品なんかも縫製が悪いとか、人はみんなテキトーだとか、そんな印象もなくはありません。実際ワタクシもちょっとそんな風に捉えています。しかしながら、時計製造についてはその辺がちょっと違います。

その昔、アメリカでは大陸のスケールの大きさゆえに鉄道の発展が国の発展にとっても大変重要でしたが、その影には米国生まれの時計メーカーの力も大きかったと言われています。ポケットウォッチの世界ではおなじみの鉄道時計。アメリカの時計産業の発展と鉄道の歴史は切っても切れないものだったワケです。大きな発展を遂げた鉄道と時計の世界。アメリカならではの歴史的背景があり、スイスとは異なる方法論で成長しました。

合理的に量産し、さらにメンテナンスしやすい作りになっている点だけでなく、見た目的にムーヴメントの仕上げもさほど凝っていないせいもあってか、今日の古時計の市場では評価に繋がっていないようですが、一方でとても工夫されている部分もあります。この画像のモデルをはじめ、古いブローバは石数を増やし、受石(蓋石)を設けることでオイルがより長く良い状態を保てるように考えられています。

これはアメリカの時計メーカーでは最も評価されているハミルトンでも見られないブローバならではの特徴で、本来であればそこはもっと注目されても良いのではないかと思います。前述のように角型ケースは外部からの様々な影響を受けやすく、オイルが劣化したりしやすいというマイナス面もありますが、それを補うために工夫されているワケです。15石程度のベーシックなものでも十分なのですが、他社との差別化を図るためにこのような仕様のムーヴメントを多く手がけていたのではないででしょうか。どちらかというと普及品かも知れませんが、そんなモデルでもこういった仕様にしていたところに当時のブローバの心意気を感じます。

のちにスイスはもちろん、日本製の時計でも石数の多さで高級品であることをアピールするようになったりしますが、手巻き式にもかかわらず、まったく意味のない歯車に何個もルビーを埋め込んだ
30石なんてモデルなんかも登場します。正直馬鹿げているとしか思えませんが、それもかつての流行だったと思えば、それはそれで面白いと思えるものの、やはり利益を生むことだけが優先されるようになった結果なのだという気がしてなりません。

いずれにしても、こういうブローバなんかはそれほど高額じゃありませんので、あまり気にせずガンガン使うのもアリなんじゃないか、などと考えたりもします。もちろん完全な非防水なので、直接水に濡らさないように注意すべきですが、あえてワイルドに使うのも悪くないかも知れませんねぇ。汗や湿気、強い衝撃に注意さえすれば、全然フツーに使えますから、こういうタイプの時計こそもっと気軽に使って欲しいものです。ふと、そんなことを思う10月最後の今日です。




そういえば、ルー・リードが亡くなったそうですねぇ。アメリカのロックミュージシャンの中では独特の存在でした。1980年代に日本のミュージシャンも出演するフェスが神宮球場で開催されて、その模様がテレビで放送されましたが、当時その映像を観たワタクシにはこの人の良さはまったく理解出来ませんでした。"The Velvet Underground"での活躍も忘れてはいけませんが、やっぱりこの曲でしょうか。「ワイルド・サイドを歩け」っていう邦題もイカしてます。囁くような歌声、詩の世界観。ヒップホップなんかでサンプリングされたりしているのも頷ける不思議なグルーヴ感のある曲です。



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10/06/2013

Sweet Watch Illinois

あっという間に9月も終わり、10月になってしまいました。半沢直樹もあまちゃんも終わってしまいましたが、どちらもドハマりしていたワタクシはすっかりさびしい毎日を過ごしています。さて、今年もあと3か月。毎年のことですが、時間の経過の速さについていけません。ここ数年やたらと風邪をひくようになってしまい、しょっちゅう具合が悪くなっていますが、正直そんな自分の免疫力の低下に辟易しています。どっちつかずの気候が続くこの時期は注意しないとすぐやらかすことになりそうなので、気を引き締めたいと思います。

ところで、前回ここでネタにした「マッピン&ウェッブ」の時計を店頭でご覧になる方が何人かいらしたのですが、ふと「これと似たような雰囲気の角型のイリノイがあったような。。。」と思い出しました。そこで、当店のバックヤードにある巨大金庫の中を一日がかりで捜索してみるとやっぱり見つかりました。それがこのレクタングル。大体1920年代後半のものです。

この"ILLINOIS"という時計メーカー。全然聞き覚えがないなんて方もいるかも知れませんが、由緒あるアメリカのメーカーでして、鉄道時計の世界では超メジャーな名品も多数あるので、懐中時計がお好きな方々にとってはお馴染みだったりします。そんなこの「イリノイ」というブランドですが、腕時計の数はそれほど多くありません。というのも腕時計がポピュラーになってきて、ある意味で全盛期を迎える1940年代にはとっくに消滅してしまっています。

いわば星くず系時計メーカーなのですが、ワタクシの記憶が正しければ、あのハミルトンに吸収され、確か1933年にはブランド名も完全になくなってしまったはずです。ハミルトンがのちにベンチュラなどに搭載されることになる「エレクトリック500」といった革新的なムーヴメントの開発まで行うようになり、米国で最大の時計ブランドとしての地位を確立した背景にはイリノイと合併したことで高い技術力を得ることが出来たという経緯がそもそも大きく関係しているなんてことも言われたりします。まぁ、その辺りの詳しい部分は実際にはよく分かりませんけど、とっくの昔になくなっているなんていうブランドほど魅力があるような気がします。いずれにしても実にロマンチックじゃないでしょうか。ちなみに前出の「星くず系時計メーカー」とはすでに存在していないメーカーを夜空に輝く名もない無数の星に例え、ワタクシが勝手にそう命名しました。


この写真のイリノイはホワイトゴールド張りのケースにラウンド型の手巻きムーヴメントを搭載したモノでして、外観上の最大の特徴は通常6時の位置にレイアウトされるスモールセコンドが9時の位置にあることでしょうか。これはポケットウォッチの時代からの名残だったりします。別に機能上どうってことはありませんが、デザイン的に他ではあまり見ない仕様なので、ちょっと魅力的じゃないでしょうか。内部に目を向けると結構きれいな仕上げが施されていて、見た目もなかなかのもんです。このムーヴメントはブリッジ全体がストライプ仕上げになっているので、ちょっとスイス製っぽい雰囲気ではありますが、どことなく趣が異なります。他にも驚くほど複雑な模様が描かれているムーヴメントもあって、イリノイの時計は中身もユニークなのです。

もうずいぶんと前になりますが、当店ではこのイリノイを積極的に取り扱っていた時期がありました。とても興味深い時計なのですが、知名度、人気はあまりありません。現存数が少ないことや大変個性的なところに注目して、一時期は結構な数を収集していました。ところが、結局のところ世間的に人気がありませんので、それほど売れませんでした。でも、入手しづらいし、まともなコンディションのモノはどんどんなくなっていきますから、
販売するのはもったいないと思うようになり、それに「どうせ売れないだろうし。。。」とその後はそれらの一部を保存することにしました。そして、そのひとつがこの角型だったりするワケです。

一般的な評価からはちょっと外れるけど、魅力的なイイ感じの古時計を紹介したいとは思いつつ、誰にも分かってもらえないようなモノばかり並べていても商売になりません。元々売れ線の時計ばかり扱う店ではありませんが、適度に人気あるモデルも扱いつつ、ちょっとマイナーでもシブい良品も並んでいる。そんなバランスを取りつつ、当店なりの絶妙なサジ加減でイイ雰囲気の時計を集めるように心がけているつもりです。とはいえ、なかなか難しいもんですねぇ。多少でもニーズがあるようなら、またイリノイの時計を仕入れてみようかなんて思ったりする今日この頃ですが、なんせ結構古いモノなので、オリジナル性はあまり期待出来ないかも知れませんねぇ。今後はちょっと意識してみるかも知れません。。。





イリノイといえば、もちろんアメリカの州のひとつですよねぇ。そして、イリノイ州といえば、最大の都市シカゴ。以前はシカゴへも仕入れの旅で行ったりしたものです。最後にシカゴにちなんだ曲をおひとついかがでしょうか。伝説のミュージシャン、ロバート・ジョンソンがオリジナル。映画「ブルースブラザーズ」の後半のコンサートのシーンから"Sweet Home Chicago"をどうぞ。ミュージカル的手法で音楽と笑いが完璧に融合した名作だと思います。ダン・エイクロイド扮するエルウッドの動きがたまりませんねぇ。「ゴールデン洋画劇場」でせんだみつおと小野ヤスシの吹き替え版を観たのが最初ですが、いまだにワタクシ的オールタイムベストムービーのひとつです。。。




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9/21/2013

Old Old Rectangular Watch

9月も後半に差しかかり、最近ずいぶん涼しくなってきましたねぇ。日中は日差しもキツく、結構な暑さですが、日が暮れると爽やかな風が吹くようになってきました。おかげで最寄駅から自宅までの道のりもちょっとだけ気分良く歩けるようになりました。まさに秋の足音が聞こえてきそうな今日この頃です。

少し前に当店のウェブサイトに掲載したこちらの時計。"Mappin & Webb"が手がけた角型時計で、ケースはヒンジ式の925シルバー。実にクラシックな佇まいです。この「マッピン&ウェッブ」は食器や銀製品、宝飾品なんかを扱うブランドで、英国王室御用達として知られていています。西洋アンティークの世界では「基本中の基本」的な存在ではないかと思いますが、古くから腕時計の取り扱いも積極的に行ってたようで、一部このようなオリジナルのショップウォッチが存在しています。

1920年代のものですが、この角形時計はわりと特徴のある形をしていて、当時のアメリカの時計メーカーでも似た雰囲気のものを見かけるデザインです。アメリカものだとこのような銀色のケースでも大抵ホワイトゴールド張りだったりして、いわゆるシルバー製はあまり見かけません。文字盤に数字がプリントされるデザインは共通した特徴ですが、アメリカのブランドのものだと数字はもっと太くて存在感のある書体が用いられることが多く、やはりヨーロッパ的な繊細なフィーリングを感じます。

ホールマークから推測すると1926年製のようです。文字盤は経年変化でそれなりにダメージが出ていますが、今から90年近くも前のものだということを考えると十分なコンディションだと思います。よく言われるように100年経たないと正式にはアンティークとは呼べませんが、これなら「どアンティーク」って雰囲気ではないでしょうか。

元々繊細で弱い構造のレクタンギュラーケースですが、ムーヴメントはこれといってダメージを受けておらず、パキっとしていて、もちろん調子も良好。革ベルトはお世辞にもキレイとは言い難いものがついていますが、なんとなく昔から残っていたものがそのままついている可能性を感じたもので、あえて交換せずに入手したままの状態で店頭に並べています。バネ棒で取り付けるタイプではありませんし、現状のものは短くカットしてあるようなので、そのまま使える方は限られるかも知れません。ご希望に応じてカスタムメイドのストラップを制作しても良いのではないかと思っています。

それにしても、この右側の写真のようなサーカスの悪徳団長みたいな恰好をした人たちが着けていたんじゃないか・・・なんて想像を膨らませたりするととても不思議な気分になってきます。店頭でお客さまと話す時なんかにも
よく言うことですが、こんな風に古い時計がまあまあしっかりした状態で残っていて、しかも現在でもまだまだ使えるってことは冗談でもなんでもなく、ホントに奇跡みたいなものなんです。製造された年代が古ければ古いほど、当然その奇跡感は増しますから、あらためて考えてみるとロマンを感じずにはいられません。そんな今日この頃です。。。




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8/01/2013

いいものもある。わるいものもある。

今日から8月。7月中に1~2回はブログも更新しようと思っていましたが、いつも通り放置プレイ状態です。ちょこちょこチェックしてくれている方もいらっしゃるようなのに毎度毎度この有り様です。とにかく、久々に思い立って更新デス!

いきなりですが、やっぱり昔のロンジンってイイすねぇ。何がイイって簡単には説明しづらいんですが、なんというかオーラみたいなものがビシビシ伝わってきます。

やっぱり、1930~1940年代頃のものがたまりません。ちょっと前にウチの店のサイトに情報をアップしたばかりの手巻きモデルの画像がこちら。これなんかも状態だって全然悪くないし、実に魅力的です。

クロノグラフばかりやたらとヒくほど評価が高くて、一方でこういうシンプルなモデルは価格的にはそんなに高額でもないワケで、なんというか正直我々にもよく分からない状況です。ステップドベゼルの大ぶりなケースだったりするとこれまた極端な価格になったりするのにわりとポピュラーなデザインだったりすると入手しやすいワケです。サイズがデカければ、高額になる。デカきゃイイってことなのでしょうか?そんなはずないですよねぇ。今さらですが、古い時計の価値って何なのでしょうか?あらためて最近よく分からなくなってきています。

誰が何と言おうとこの写真のようなムーヴメントを積んだフツーの手巻きのロンジンはイイですよ。モノとしての完成度や本質的な良さを持っているのにもかかわらず、まだまだ手に入れやすいモノが多い。時計の価値を決めるのはいろいろな要素がありますが、サイズだとかデザインだけで値打ちが決まってしまうのはどうにも味気ないような気もします。まぁ、古時計の世界もある種のトレンドのようなものもありますが、ナンダカンダ言ってもウチの店なりに魅力を感じる時計をご紹介していくだけです。。。

さてさてなんというか、ここのところゲリラ豪雨も多かったですし、暑いのか、涼しいのか、どっちなんだよ!って感じのちょっとヘンな天候が続いているような状況でしたが、やっぱり暑い。完全に夏ですねぇ。今月はお休みを頂戴する予定もありますので、それまで気を引き締めて行こうかと思います。休業予定についてはあらためてご案内します。何卒よろしくデス!








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2/24/2013

ピンチ!

最近店頭である時計を買い取らせていただいたのですが、その時計に少々問題があり、久々にヒヤヒヤする羽目になってしまいました。

その時計、実はケースが開きませんでした。時計を入手する際には基本的には外観だけでなく、内部のムーヴメントもコンディションを見てある程度正確に判断すべくチェックするものなのですが、その時計は面白いくらいウンともスンともいわない状態でした。

いわゆるスクリュウバックの防水型ケース。フツーは一番簡単なハンドオープナーで開閉出来ることがほとんどなのですが、その時計は驚くほど頑固で、まるで裏蓋が開けられるのを拒んでいるかのような状態でした。この写真に写っているハンドルがついたオープナーやさらにもう少し大型のタイプなども使ってハァハァ言いながら、何度もトライしてみましたが、まったく開く気配すらしません。これまでにも経験していますが、一筋縄ではいかないパターンだとすぐ判断し、そのことを説明させてもらいました。通常ムーヴメントもチェックした上で最終的に買取金額をお知らせするところなのにそれが出来そうにないので、その分金額を低くさせていただくことを提案したところ折り合いがついたので、結局内部の状態は確認せずに譲っていただくことになりました。

このまま裏蓋がまったく開かないとか、ケースやその他の部分を破損させてしまうとか、そういったトラブル発生のリスクが正直心配です。一抹の不安もありましたが、最悪でも針やリュウズや内部のムーヴメントなど、パーツ自体は何らかの形で利用することも可能ですから、とりあえずそれで良しと考えたワケです。

こういった場合、まずケースをCRC5-56に浸してみるところから始めます。ワタクシが知っている最も効果的な方法がこのやり方なのですが、1日経ってトライしてみると最初とまったく変わらない状態で、やっぱりウンともスンとも状態でした。さらにもう1日、南蛮漬けのように浸けこんでみて翌日試してみるとやっぱりダメ。その翌日もダメ。結局、ワタクシの身体が変な筋肉痛になっただけでした。

きっと裏蓋に汗なんかも染み込んで激しく錆びているに違いありません。パッキンもガビガビになっているはず。もうこうなると奥の手を使うしかありません。最終手段、ガスバーナー登場です。炙りサーモンのにぎりを作る時にも使えますが、当店ではこういうスクランブル発進の時たまに使う、まさにリーサルウェポン。ガチガチに固まった頑固者の裏蓋をバーナーの熱で和らげるワケです。

大抵この方法で開けられるはずなのですが、その代わり激しい高熱を加えることでムーヴメントだけでなく、大事な文字盤や針にも何らかのダメージが出てしまう恐れもあり、結構なリスクを伴います。裏蓋は開いたけど、文字盤がドロドロになってしまっては元も子もありません。出来ればやらずに済ませたかったのですが、もうこうなると他の手段は選べません。イチかバチか、もはやギャンブルのようなもんです。

祈るように青い炎をケースバックに向けて熱すること数回。一気にはやらず、少しずつ熱を加えてみましたが、祈りが通じたのかなんとか文字盤への影響もなく、無事裏蓋が開いてくれました。今回はうまくいきましたが、今後もすんなり出来るとは限りません。なるべくならこんなことをせずに使っていきたいものです。聞けばこの時計、20年ほど前に入手してから一度もオーバーホールもしたことがなかったそうです。これまでに一度でも整備していれば、その時に裏蓋も開けますから、これほどの状態にはならずに済んだかも知れません。何となく調子良く動いているように見えてもこんな問題が発生することもあるのです。やっぱり、古時計には定期的なメンテナンスが欠かせませんねぇ。そんなことを再確認した今日この頃です。。。




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3/04/2012

BRM

以前このブログで外装はモーレツに酷かったものの、ムーヴメントがやたらと美しかったので、思わず衝動的に入手してしまった角型時計のことを話題にしましたが、それと同タイプの機械を使った時計をちょっと前に入手しています。すでにウチの店のウェブサイト上でもご紹介しているので、ご覧になった方もいるかとは思いますが、あらためてネタにしたいと思います。

あのレヴューを入手した少し後、ロータリーの角型時計を手に入れる機会があったのですが、そのムーヴメントを見てビックリ。ワタクシが一目惚れしたあの機械だったのです。角型ムーヴメントにしては幅があり、その分普通の丸型の時計に近いような輪列だったりするのですが、同じように粒金仕上げなところも一緒でしたし、あらためて個人的には完全にドストライクであることを再確認しました。

レヴューの方は角穴車が鏡面仕上げになっていましたが、このロータリーの方にはマークなんかが刻まれています。その他テンプ受けなど、細かい部分は仕様に違いがあるものの、ワタクシのハートを鷲掴みにしてシビれさせたアンティークテイストはそのまんまでした。いわゆるデニソンケースはお約束の9金。ケースの傷がやや目立ちましたが、文字盤はわりとキレイだし、なにしろこのムーヴメントがイイ。というワケで早速手に入れることにしました。一見すると文字盤はフツーのプリントの全数字で面白味がないかも知れませんが、どことなくアメリカンウォッチとはまるで異なる風情です。やはりかつて英国市場で圧倒的な支持を誇ったロータリーだからなのでしょうか。

とにかく、この機械のレア度を考えてみるとある意味パテック・フィリップの"Cal.9-90"あたりの美品を探す方がむしろ簡単かも知れませんねぇ。そんなこの時計から滲み出てくるアンティークならではの香り。ハンパじゃございません。マキシマスなんていうペットネームも実にニクイ。まさに"Beautiful Rectangular Movement"な一本。いわばBRMじゃありませんか。そんなこのロータリー、実にオシャレです。





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2/24/2012

ブーツをぬいで朝食を

ちょっと前の話ですが、愛用のブーツを修理に出しました。ソールがだいぶ減ってきていて雨の日はツルツル滑るし、なにより見た目がカッコ悪い。そんなわけで直すことにしたのですが、ソールを張り替えるだけでも結構いろいろな選択肢があり、オリジナルのソールにするのか、あるいはそれに近い非純正のものにするのか、はたまたまったく異なる仕様に変更するのか、などなど。ワタクシの場合、特にこだわりはないので、オリジナルじゃなくてもイイですし、なんなら普通とは違う感じにしたいと思い、今回はあえてビブラムソールへ変更しました。

預ける際に表面のクリーニングをするのかどうかを訊かれたのですが、ブーツなんかを修理に出す人の中には汚れや傷もそのままにしておいて欲しいと希望する方がいるそうで、ちょっとビックリでした。けど、腕時計だって外装のポリッシュをするのか、しないのかは持ち主によって考え方が違いますから、当然といえば当然かも知れませんねぇ。とにかく、ワタクシの場合は「全然オッケーなんで、キレイにしてやって下さい!」なんて言って預けてきました。

ソールの張り替え作業が終わって引き取りに行った時、表面も艶々していてすっかりキレイになり、イイ感じだったので、思わず写真を撮ってみました。時々靴底が減りまくっているのに頑張って履いている人を見かけますけど、やっぱりあれはちょっとカッコ悪いですよねぇ。ただ汚いだけの革ベルトが付いた腕時計をいつまでも使っている人をふと思い出してしまいます。せっかくの時計もベルトの寿命が限界を超えた状態だったりするとみすぼらしく見えちゃいますよねぇ。やっぱり、テキトーなタイミングで交換するべきです。そういった意味では革ベルトの交換だってメンテナンスのひとつだと言えるかも知れません。

そうそう、先日ワタクシがブーツのメンテナンスを依頼したのは"UNION WORKS"というお店。渋谷の桜丘にあるので、ウチの店からも近くてバイクに乗れば3分くらいの場所だし、なによりあちこちでその評判を聞いていたので、以前から次に靴の修理を出す時はお願いしてみようと思っていたってワケです。いざ行ってみて店員の方といろいろ話してみたら、なんとウチの店のことを知っているだなんて言うじゃありませんか。たいした店じゃありませんが、そんなところで偶然にも当店を知っているなんて人に出会ったりすると決して悪い気はしませんし、時計と靴、身に着けるもので、メンテナンスが必要だったりするところはなんとなく共通点を感じずにはいられません。

修理だけでなく、トリッカーズなどの英国靴の販売も行っていて、ハマるとヤバそうな臭いがプンプンしています。今まで興味を持たないように心がけていた靴の世界にちょっと足を踏み入れてしまいそうな気もします。そんなユニオンワークスさん、ご存知の方も多いかも知れませんが、おススメです。




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2/03/2012

Antique Tool

先週からしばらくお休みを頂戴していましたが、昨日からいつも通りの営業を再開しています。商品の仕入れのため、海外へ出かけていたわけですが、正直今回はイマイチだったかも知れません。胸を張ってバツグンに良いものだけを大量に入手してきたとは言いづらい部分もありますが、かと言って別にゴミ集めをしてきたわけでもありません。気分は複雑なのです。いずれにしてもそのまま店頭に出せるものは少ないので、これからそれぞれメンテナンスを行って少しずつご紹介していきますので、どうかあまり期待せずにご期待下さい。

ところで、今回の買い付けの旅では時計以外でちょっと珍しいものを入手しました。それがこの画像に写っているモノ。年代物の時計修理の工具ですが、以前から店内のディスプレイとして飾ったらいいんじゃないかなんてことを密かに考えていました。「歯ざらい器」と呼ばれる歯車の歯の部分を修正するための道具で、度々見かける機会もありましたが、ウチの店では実際に使うこともほとんどないでしょうし、これまではこれをわざわざ買うのもなんだなぁなんて思っていました。

ところが、今回たまたま結構キレイなものがあったので、なんとなく気まぐれで手に入れてしまいました。これだって立派なアンティークだし、ちょっと飽きてきた店内のアクセントにもなるし、悪くないんじゃないかと思ったワケです。今日ウィンドウに飾ってみましたけど、独特の佇まいで古いモノならではのイイ味が出ています。

それにしても毎日結構寒いですねぇ。大雪で大変な地方もあるようですが、東京もなかなかの寒さです。飛行機に乗って旅に出ると二回に一回は風邪をひくワタクシですが、今までの経験を生かして最近は機内でマスク着用を心がけています。おかげで今回は帰国後も体調バッチリです。とはいえ、インフルエンザも蔓延しているようですし、油断しているとすぐ風邪をひくので、気をつけないとマズイですねぇ。昨年末から早めに閉店したり、臨時休業したりすることが続いたので、気を引き締めて二月を乗り切りたいと思います!




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10/29/2011

love at first sight

時計屋生活も気付けば丸18年が経ち、この10月でちょうど19年目に突入しました。何だかんだで結構長く続けてきましたが、思えばこれまでそれなりに数多くの時計を取り扱ってきました。古い時計を仕入れる際の「決め手」といえば、基本的にケースやリュウズなどの外装部分、文字盤と針、ムーヴメント、それぞれのコンディションを総合的に見て判断します。

例えば、文字盤の雰囲気が良くてもケースがダルダルのツルツルだったりしたら、NGと判断するかも知れませんが、もしその代わりにそれが相当安く入手出来るのであればだいぶ話が変わってきます。そんな風に全体的なバランスを見て、出来るだけ短時間に考えて結論を出さなければなりません。オリジナル性は重視しつつも、どこかで譲歩することも必要だったりします。これまでの経験で言えば、何十年も前のものに完璧は求められません。人間だって誰にでも欠点ぐらいあるもので、完全無欠な人はいません。必ず長所、短所があるもの。それとちょっと似ているかも知れませんねぇ。

仮にあるモデルの美品がたまたまタイミング良く見つかったとして、残念なことにリュウズがオリジナルのものではなかったとします。リュウズに特徴があり、そのオリジナル性が大事な時計だったとしても、もしその時計のリュウズ以外の部分の状態が抜群に良かったとしたら、それはOKかも知れません。そんな時はリュウズだけ入手出来る可能性があるのかどうかなんてことも考えてみます。そんな風に全体のバランスを総合して入手するべきか、そうではないのかを判断するワケです。

文字盤の状態なども「自然な経年変化による味」と捉えることが出来るのか、あるいは「単に汚いだけ」と捉えるのか、そのあたりはあまりに感覚的な部分なので、具体的にどうとは言えませんが、とにかくそういった点も踏まえて判断しなければなりません。いずれにしても外装、文字盤、ムーヴメントは三位一体。原則的にそのどれかに重大だと思われるマイナス要素があってはマズイのです。

先日仕入れでちょっと海外へ行ってきましたが、その際にひょっとしたらこれまでで初めてなんじゃないかという経験をしました。前述のように仕入れの際は複数の要素を総合して判断するのが普通なのにこの前はムーヴメントだけを見て時計を入手してしまいました。それがこの画像の時計。ホントにムーヴメントだけで決めました。実は他の部分は全然ダメなんです。でも、この画像のムーヴメントどうですか?キレイだと思いませんか?ブランドは"REVUE"です。角型で粒金仕上げになっているところもわりと珍しい方だし、少なくとも当店で過去に取り扱ったことがないものです。なにしろ、やたら美しい。このムーヴメントを見てワタクシは瞬間的にシビれてしまいました。まさに一目惚れ。

そんなこの時計。ケースも風防も文字盤も針もちゃんと付いていますが、とてもお見せ出来るようなシロモノではありません。正直かなり汚い!ケースがステンレススチール製だったせいか、たまたまムーヴメントそのものはご覧のように十分な状態を保っていました。とても売り物に出来るレベルではありませんが、直観的にこれを手に入れないワケにはいかないと思ってしまいした。

このムーヴメントは店頭でご覧いただけるようにとりあえずこのままの状態でどこかに飾っておこうかと思います。どんなに酷い文字盤なのか、興味のある方はお声をかけて下さい。きっと見たらビックリしますよ!




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11/02/2010

モバード家のブレゲ三兄弟

年代物の時計の価値を決定づける最も重要な要素といえば、オリジナル性を含めたコンディションでしょうか。しかしながら、ポピュラーなモデルであってもその時計の仕様そのものが数少ないタイプであれば、そこに付加価値がつく場合もあります。

例えば、非防水がほとんどという時代に防水ケースを採用したモデルは数も少なく、当然プラスアルファの価値がつきます。さらに黒文字盤なども元来数が少ない上にきれいな状態をキープしたものはさらに少ないため、良品は評価が上がるというわけです。実際、ステップドベゼルのスクリュウバックケースに黒文字盤なんていうと急に高値がついたりします。

そんな中、ブレゲ数字を用いたデザインの文字盤というものもかなり評価を集める仕様のひとつです。実際玉数もだいぶ少なくなりますし、なんと言っても独特の雰囲気があって、どことなく上品なイメージを漂わせています。パテック・フィリップなんかの場合、代表的な96でもベーシックなデザインの文字盤のものと比べるとやはりブレゲダイアルの方が評価が高くなるもの。もちろん、他のブランドでも同様です。

そんな我々を魅了してやまないブレゲ数字の文字盤ですが、実は現在当店にはモバードのものが3本も揃っています。大体1930~1940年代頃のもの。大変珍しいことだと思いますが、モバードのブレゲ兄弟が仲良く集まっているのです。たまたまなんでしょうけど、めったにないことなので、記念に写真を残しておこうと思い、集合写真を撮ってみました。

こうやって見るといずれも年代物特有の深みのようなものがビシビシ伝わってきます。いずれも可愛らしい小ぶりなケースにシンプルな手巻きムーヴメントを搭載しています。かなり珍しい二段になったステップドベゼルのケースのものはブルースチールの針も美しく、全体的に使用感が少ない点も魅力。フラットベゼルのツートーン文字盤はクロノメーター仕様。防水型の「アクヴァティック」はゴールドトップで少しゴージャスな雰囲気。しかもピンクゴールド。どれもオシャレです。

アンティークウォッチならではの魅力が詰まったこの三本。同じモヴァードでもそれぞれが実に個性的ではないでしょうか。シビレます。



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