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10/07/2014

Ordinary Wrist Watch

昨日は台風18号が直撃したため、いつもよりだいぶ遅れて14時の開店となりました。前日からかなりの雨でしたが、台風の速度が速かったせいか、あっという間に台風一過となりました。台風が空気をキレイにしてくれたような感じで、今日もスカッと晴れてくれて実にイイ気分です。

ところで、イイ感じの古時計がますます集めづらくなってきているのを実感している今日この頃です。特定のブランドに限った話ではないのですが、オリジナル性、コンディション、雰囲気の良さといった重要なポイントをしっかり押さえたものがどんどん減ってきています。まぁ、そもそも減る一方の古時計の世界ですから、これはなにも今始まったことじゃないのですが、それにしてもフツーに良いものをずいぶんと見かけなくなってきていて、結構切実だったりします。



この画像のオメガは少し前に店頭で販売したもので、ご購入下さったお客さまにお願いして手首に着けた状態を撮影させてもらったのですが、こんなフツー過ぎるくらいフツーのオメガだって10年前と比べるとだいぶ少なくなってきている印象です。手巻き式で、いわゆる30mmキャリバーを搭載した1960年代前半くらいのもので、ステンレススチール製のケースは非防水のスナップバック。それなりに小傷だってありましたが、これはオリジナルシェイプがしっかり残っていました。肝心な文字盤だってうっすら経年変化を感じさせるような状態ではありましたが、実に自然な風合いでした。

さんざん物凄いアンティークウォッチを見てきたツウの人達から見たら、たいして魅力ないような時計かも知れませんが、このオメガのようなフツーの腕時計をもっとフツーに使ってもらいたいとつくづく思います。どれもが一点物の古時計の世界ではありふれたように見える時計だって実際はとても特別な一本ですからねぇ。珍しさや値段だけじゃありません。一見フツーなんだけど、雰囲気が良くてコンディションも良い。そんな時計をこれからも紹介していきたいものです。。。







10/31/2013

Walk on the Wild Side

早いもので、今日で10月も終わりです。ホントにいつも同じようなことばかり書いていますが、今月もあっという間でした。ヒマなようで、実は何かと忙しい毎日を過ごしていると時間の経過はただただ光の速さのようにすら感じます。

ところで、ちょっと前にウチの店のサイトにアップしたブローバの角型時計はご覧いただきましたでしょうか。いわゆる「角金」ってやつです。ケースはメッキだし、特別珍しいものではありませんが、あえて話題にしたいと思います。

一般的にはまったく有り難く思われないジャンルの時計ですが、あまり値段に反映されないっていうだけでこういうモデルも実際はこの世にひとつしかないモノホンのアンティークウォッチであることに変わりありません。ある意味では100万円、200万円する高額なモデルとまったく一緒なのです。特に角型の時計はケースがデリケートなので、汗や湿気、埃などの影響を受けやすく、状態の良好なものが極端に限られます。なので、オリジナル性が保たれたものは今や結構貴重だと言えます。

アメリカの製品はなんでも大雑把だとか、そもそも作りが悪いなど、良いイメージを持っていない人も多いかも知れません。料理は大味だとか、衣料品なんかも縫製が悪いとか、人はみんなテキトーだとか、そんな印象もなくはありません。実際ワタクシもちょっとそんな風に捉えています。しかしながら、時計製造についてはその辺がちょっと違います。

その昔、アメリカでは大陸のスケールの大きさゆえに鉄道の発展が国の発展にとっても大変重要でしたが、その影には米国生まれの時計メーカーの力も大きかったと言われています。ポケットウォッチの世界ではおなじみの鉄道時計。アメリカの時計産業の発展と鉄道の歴史は切っても切れないものだったワケです。大きな発展を遂げた鉄道と時計の世界。アメリカならではの歴史的背景があり、スイスとは異なる方法論で成長しました。

合理的に量産し、さらにメンテナンスしやすい作りになっている点だけでなく、見た目的にムーヴメントの仕上げもさほど凝っていないせいもあってか、今日の古時計の市場では評価に繋がっていないようですが、一方でとても工夫されている部分もあります。この画像のモデルをはじめ、古いブローバは石数を増やし、受石(蓋石)を設けることでオイルがより長く良い状態を保てるように考えられています。

これはアメリカの時計メーカーでは最も評価されているハミルトンでも見られないブローバならではの特徴で、本来であればそこはもっと注目されても良いのではないかと思います。前述のように角型ケースは外部からの様々な影響を受けやすく、オイルが劣化したりしやすいというマイナス面もありますが、それを補うために工夫されているワケです。15石程度のベーシックなものでも十分なのですが、他社との差別化を図るためにこのような仕様のムーヴメントを多く手がけていたのではないででしょうか。どちらかというと普及品かも知れませんが、そんなモデルでもこういった仕様にしていたところに当時のブローバの心意気を感じます。

のちにスイスはもちろん、日本製の時計でも石数の多さで高級品であることをアピールするようになったりしますが、手巻き式にもかかわらず、まったく意味のない歯車に何個もルビーを埋め込んだ
30石なんてモデルなんかも登場します。正直馬鹿げているとしか思えませんが、それもかつての流行だったと思えば、それはそれで面白いと思えるものの、やはり利益を生むことだけが優先されるようになった結果なのだという気がしてなりません。

いずれにしても、こういうブローバなんかはそれほど高額じゃありませんので、あまり気にせずガンガン使うのもアリなんじゃないか、などと考えたりもします。もちろん完全な非防水なので、直接水に濡らさないように注意すべきですが、あえてワイルドに使うのも悪くないかも知れませんねぇ。汗や湿気、強い衝撃に注意さえすれば、全然フツーに使えますから、こういうタイプの時計こそもっと気軽に使って欲しいものです。ふと、そんなことを思う10月最後の今日です。




そういえば、ルー・リードが亡くなったそうですねぇ。アメリカのロックミュージシャンの中では独特の存在でした。1980年代に日本のミュージシャンも出演するフェスが神宮球場で開催されて、その模様がテレビで放送されましたが、当時その映像を観たワタクシにはこの人の良さはまったく理解出来ませんでした。"The Velvet Underground"での活躍も忘れてはいけませんが、やっぱりこの曲でしょうか。「ワイルド・サイドを歩け」っていう邦題もイカしてます。囁くような歌声、詩の世界観。ヒップホップなんかでサンプリングされたりしているのも頷ける不思議なグルーヴ感のある曲です。



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10/06/2013

Sweet Watch Illinois

あっという間に9月も終わり、10月になってしまいました。半沢直樹もあまちゃんも終わってしまいましたが、どちらもドハマりしていたワタクシはすっかりさびしい毎日を過ごしています。さて、今年もあと3か月。毎年のことですが、時間の経過の速さについていけません。ここ数年やたらと風邪をひくようになってしまい、しょっちゅう具合が悪くなっていますが、正直そんな自分の免疫力の低下に辟易しています。どっちつかずの気候が続くこの時期は注意しないとすぐやらかすことになりそうなので、気を引き締めたいと思います。

ところで、前回ここでネタにした「マッピン&ウェッブ」の時計を店頭でご覧になる方が何人かいらしたのですが、ふと「これと似たような雰囲気の角型のイリノイがあったような。。。」と思い出しました。そこで、当店のバックヤードにある巨大金庫の中を一日がかりで捜索してみるとやっぱり見つかりました。それがこのレクタングル。大体1920年代後半のものです。

この"ILLINOIS"という時計メーカー。全然聞き覚えがないなんて方もいるかも知れませんが、由緒あるアメリカのメーカーでして、鉄道時計の世界では超メジャーな名品も多数あるので、懐中時計がお好きな方々にとってはお馴染みだったりします。そんなこの「イリノイ」というブランドですが、腕時計の数はそれほど多くありません。というのも腕時計がポピュラーになってきて、ある意味で全盛期を迎える1940年代にはとっくに消滅してしまっています。

いわば星くず系時計メーカーなのですが、ワタクシの記憶が正しければ、あのハミルトンに吸収され、確か1933年にはブランド名も完全になくなってしまったはずです。ハミルトンがのちにベンチュラなどに搭載されることになる「エレクトリック500」といった革新的なムーヴメントの開発まで行うようになり、米国で最大の時計ブランドとしての地位を確立した背景にはイリノイと合併したことで高い技術力を得ることが出来たという経緯がそもそも大きく関係しているなんてことも言われたりします。まぁ、その辺りの詳しい部分は実際にはよく分かりませんけど、とっくの昔になくなっているなんていうブランドほど魅力があるような気がします。いずれにしても実にロマンチックじゃないでしょうか。ちなみに前出の「星くず系時計メーカー」とはすでに存在していないメーカーを夜空に輝く名もない無数の星に例え、ワタクシが勝手にそう命名しました。


この写真のイリノイはホワイトゴールド張りのケースにラウンド型の手巻きムーヴメントを搭載したモノでして、外観上の最大の特徴は通常6時の位置にレイアウトされるスモールセコンドが9時の位置にあることでしょうか。これはポケットウォッチの時代からの名残だったりします。別に機能上どうってことはありませんが、デザイン的に他ではあまり見ない仕様なので、ちょっと魅力的じゃないでしょうか。内部に目を向けると結構きれいな仕上げが施されていて、見た目もなかなかのもんです。このムーヴメントはブリッジ全体がストライプ仕上げになっているので、ちょっとスイス製っぽい雰囲気ではありますが、どことなく趣が異なります。他にも驚くほど複雑な模様が描かれているムーヴメントもあって、イリノイの時計は中身もユニークなのです。

もうずいぶんと前になりますが、当店ではこのイリノイを積極的に取り扱っていた時期がありました。とても興味深い時計なのですが、知名度、人気はあまりありません。現存数が少ないことや大変個性的なところに注目して、一時期は結構な数を収集していました。ところが、結局のところ世間的に人気がありませんので、それほど売れませんでした。でも、入手しづらいし、まともなコンディションのモノはどんどんなくなっていきますから、
販売するのはもったいないと思うようになり、それに「どうせ売れないだろうし。。。」とその後はそれらの一部を保存することにしました。そして、そのひとつがこの角型だったりするワケです。

一般的な評価からはちょっと外れるけど、魅力的なイイ感じの古時計を紹介したいとは思いつつ、誰にも分かってもらえないようなモノばかり並べていても商売になりません。元々売れ線の時計ばかり扱う店ではありませんが、適度に人気あるモデルも扱いつつ、ちょっとマイナーでもシブい良品も並んでいる。そんなバランスを取りつつ、当店なりの絶妙なサジ加減でイイ雰囲気の時計を集めるように心がけているつもりです。とはいえ、なかなか難しいもんですねぇ。多少でもニーズがあるようなら、またイリノイの時計を仕入れてみようかなんて思ったりする今日この頃ですが、なんせ結構古いモノなので、オリジナル性はあまり期待出来ないかも知れませんねぇ。今後はちょっと意識してみるかも知れません。。。





イリノイといえば、もちろんアメリカの州のひとつですよねぇ。そして、イリノイ州といえば、最大の都市シカゴ。以前はシカゴへも仕入れの旅で行ったりしたものです。最後にシカゴにちなんだ曲をおひとついかがでしょうか。伝説のミュージシャン、ロバート・ジョンソンがオリジナル。映画「ブルースブラザーズ」の後半のコンサートのシーンから"Sweet Home Chicago"をどうぞ。ミュージカル的手法で音楽と笑いが完璧に融合した名作だと思います。ダン・エイクロイド扮するエルウッドの動きがたまりませんねぇ。「ゴールデン洋画劇場」でせんだみつおと小野ヤスシの吹き替え版を観たのが最初ですが、いまだにワタクシ的オールタイムベストムービーのひとつです。。。




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3/04/2011

Memorable Watches

久々のブログです。決して遊んでいたわけではありませんが、2月はあっという間でした。毎年ヒマな時期なのでちょっと不思議な感じもしますが、とにかくやたらと早く過ぎていくのが2月。何か書こうと思いつつ、気付いたら3月になってしまいました。

まぁ、無理して書く必要もないですし、いつも気分が乗った時に書くようにしていますが、実際ネタがなかったわけじゃないし、書こうと思えば書けたんですけど・・・。2月は修理の依頼も少し増え、日々の仕事の追われながら、店のバックヤードの模様替えをしてみたり、東京にも雪が降ったりとかいろいろありました。個人的なことでは高校の同窓会に出てみたり、結構慌ただしかったんですよねぇ。

模様替えの際、棚を組み替えて新しいデスクを置きましたが、その時に古い書類なんかを整理していたら、クリアファイルに入った一枚の写真に目が止まりました。それがコレ。言わずと知れたオメガの高級機種「コンステレーション」ですよねぇ。ゴールドトップ仕様で、いわゆる12角形のダイアル。オリジナリティ溢れる特徴的なデザインはもちろん、このモデルに搭載される"Cal.551"のムーヴメントはその完成度の高さから現在も人気で、自動巻きのムーヴメントとしてはロレックスの"Cal.1570"とか、インターナショナルの"Cal.854"あたりなどと同じように評価されているモデルです。この写真をパッと見て「このコンステ、状態良さそうじゃん」なんて思う人もいるかも知れませんが、ビンゴです!ワタクシの記憶に間違いがなければ、ハンパじゃないコンディションの良さでした。そう、完璧な未使用品、まさに"New Old Stock"でした。確か新品当時からの赤い立派なボックスも揃っていて、革ベルトもそのまんまでした。当然バックルも付いていましたけど、この写真を見た途端にそんな光景が一気に蘇ってきました。

このモデルが作られた1960年代はその便利さから日付表示のついたモデルが主流になり、数多く生産されました。なので、このコンステレーションのようにデイトなし仕様は意外と数が少ないんです。いつ取り扱ったものか、正確には覚えていませんが、十数年前かと思います。

今じゃインターネット上で商品を見ていただくのは当たり前になりましたが、その頃は当店もまだサイトを開設する前だったし、当時はデジタルカメラも持っていなくて、一眼レフのフィルムカメラでこんな感じの写真を一本ずつ撮影して記録していました。

遠方のお客さまからお問い合わせが入ると近所の現像屋さんへネガを持っていき、プリントしてもらい、さらにそれを郵便で送っていました。今思うと超面倒な作業ですねぇ。もちろん、今だってパソコンを使っていない方もいるでしょうから、ご要望があれば同じような方法で郵送する事も出来ますが、それにしたって実にアナログな感じです。それが当たり前だったとはいえ、世の中短期間でずいぶん変わったなぁと思います。

それはそうとこの写真を見た時、このオメガを手に入れる瞬間に感じた興奮が鮮明に蘇りました。やっぱりこういった超美品はそれほど頻繁にはお目にかかれませんから、ホントに貴重です。ただただ減っていく一方の古時計の世界。こういうコンディションの時計を入手することはもう難しいと分かっています。未使用品は無理だとしても、イイ感じの時計を紹介していきたいものです。思い出深いコンステレーションの写真を見てあらためてそんなこと思う今日この頃デス。



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